1987年4月発売の4thアルバム

 "風夢(ふうむ)"の6曲目。

作詞:斉藤由貴

作曲:飯島真理

編曲:武部聡志



皆さん、こんにちは!
ようこそ我がページへお越し下さいました!

猛暑を超える酷暑の毎日ですね!
最近何だか身体に熱がこもりがちで
体調の不安が拭い去れませんが
大好きな音楽たちの
おかげで何とか生きながらえて
おります!

さて今回ですが、
当時もバリバリのアイドルだったのに、
作詞家顔負けの言葉の達人、
斉藤由貴さんの
ご自身で拵えた歌詞の
アルバム曲でございます!

https://youtu.be/P6HtCPYSJPc?si=rtuhaIjA-xwKjrv0



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♪雨の日の薄墨をはいた湖

 けむる向こう岸 ともる灯

 私のはるかな夢のように

 約束をしたままで どこにいるの?

 指環はめかえて知らないふり

 それでも心は悲しすぎて

 あんまり 1人は寂しすぎて


♪眠り姫 100年のまどろみを

 私にもちょうだい

 そしたら心から

 あの人心から

 もしも出来ることならば


♪つややかな水面には 涙の水玉

 揺れる桟橋 走る少年

 小さなボート置き去りに

 約束をしたままで

 どこにいるの

 帰って来るって言ったのに 

 本当は少しあなた憎む

 私をどうぞ許してね


♪眠り姫 100年のまどろみを

 私にもちょうだい

 そしたら心から

 あの人心から

 もしも信じていられたら


♪眠り姫 100年のまどろみを

 私にもちょうだい

 そしたら心から

 あの人心から

 ずっと信じられるのに…


♪ずっと信じられるのに…

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当時20歳の斉藤由貴さんご自身の

描いたお話です。

お話はやはりタイトル通りの

"眠り姫 "

"眠れる森の美女 "

グリム童話やディズニーアニメで

有名なお話を引用した歌詞に

なってると思います。





ザックリした内容と致しましては
とある国に生まれたお姫さま
お祝いパーティーがありまして
そこには魔法使いも何人か呼ばれたんですが
1人だけ呼ばれなかった
魔法使いがブチ切れて
お姫さまに
15歳で死んでしまうという呪い
かけようとしたんですが
寸での所で味方の
魔法使いが死なずに
100年眠ってしまうというものに
変えてくれまして
そんでもって
眠ってしまったお姫さまが
イケメン王子様のキスで
目覚めて
姫と王子は目出たく結婚
ハッピーエンドってな
お話です!
 
この歌詞ですが、
1番、サビ、2番、サビ
それぞれ独立したお話ではなく、
時間軸的に連続しておりまして
ある日の夕方〜翌日が
お話の舞台となっていると思います。

♪雨の日の〜
の部分ですが、
ともる灯を、はるかな夢と言ったり
指輪が出てきたりしてますから
主人公は彼と
将来を約束をしていたんでしょう

そんでもって時間帯は夕方
彼から待ちぼうけをくらっている
主人公の心は
色んな思いが表れては消えを
繰り返します。

♪つややかな水面〜の部分は

その翌日
水面が光り輝いていて
子供が周りを走り回っているので
時間帯は朝というより昼間でしょうか
ひと晩明けても
彼は一向に戻って来ず
段々と腹が立って来た
主人公の心には
芽生えてはいけない感情が
見え隠れし始め…
やっぱり眠り姫みたいに
100年眠ってしまうなんて事になれば…
と願いサビ部分へと展開します。

その
サビ部分ですが 
♪眠り姫〜
 〜あの人心から
の箇所は共通で最後の1文だけ

♪もしも出来ることならば
♪もしも信じていられたら
♪ずっと信じられるのに
と、違っています。
 
普通に考えて
恋人が100年眠ってしまうって
どえらい出来事ですし
眠る方だけが
若いまんまだったら
起きてた方は
生きてても完全な老人ですから
ハッピーエンドにはなり得ませんから
主人公も本気で
100年眠ろうとしている訳ではなく
その位の大きな出来事が
起きれば
何か2人の中が
変わるんじゃないかという
期待も入り混じった空想…

"あぁ!いっそ眠り姫みたいに
なっちゃえば!"

彼はきっと主人公と
添い遂げるつもりでいてくれてると 
信じたい、信じなきゃと
思う気持ちとは裏腹に
怒り、疑い、不安といった
芽生えてはいけない感情も
湧き始め
それはいけないと自分を
責める気持ちと
あんな彼なんだから
当然だわ!という気持ち…


♪もしも出来ることならば…
 眠り姫になりたい!

(あの人を憎んだりする事無く)
♪もしも信じていられたら
 眠り姫になりたい!

といった感じかと思いますが、
最後だけは
(眠り姫になれさえすれば)
♪ずっと信じられるのに…
と言ったように
眠ってしまう事で
生じて欲しい効果が
描かれてまして

主人公の
"あーあ、いっそ眠り姫にでもなれないかなぁ~" 
みたいなボンヤリ浮かんだ考えの
"眠り姫になる"
という事に対する
主人公の心の変化が最後の1文を
変えるだけで
見事に表現されておりまして…

さすが斉藤由貴さんと言いますか
人の気持ちというのは
もちろん真っ直ぐな事もありますが
ほとんどは
不変ではなく
色々と巡るものでして
都合の良い妄想や
邪な考えや
ズルい考えなど
理想とは程遠い巡り方を
するものですもんね…

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斉藤由貴さんは
2ndアルバムの"ガラスの鼓動 "から
ご自身作詞の楽曲が
収録され始めまして
この"風夢 "には
4曲がご自身による作詞の作品として
収録されております。

この時代
他にも作詞をしたアイドルは
たくさんおりましたが、
ここまで本格的に
聴く者の心を打つお話を
書けるアイドルは
なかなかいなかったんじゃない
でしょうか。
斉藤由貴さんは
子供時代はかなりの
インドア派だったそうで
そうすると必然的に
漫画アニメ小説などの
いわゆる物語に触れる機会
アウトドア派に比べて多かったでしょうから
自然と歌の歌詞を紡ぎ出せる
下地は備わっていったんでしょうね!

当時はこの曲の作曲が
飯島真理さんという事でも
やたらと興奮したもんでした。
飯島真理さんは
今井美樹さんと並んで
農村の中学生には想像も
つかないような 
洗練された都会の女性って感じがして
眩しく見てた覚えがあります。


そんな訳で
まだまだたくさん
良い曲はありますから
またご紹介させて下さいませ!

最後まで読んで頂きありがとうございました!
またいずれこの場所でお目にかかりましょう!