「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」 監督/本多猪四郎

出演/ニック・アダムス、高島忠夫、水野久美 他


◆第二次大戦末期、ドイツから極秘裏に運ばれた一つの秘密兵器があった。
それは人造人間“フランケンシュタインの不死の心臓”である。
日本軍はこの心臓をもとに、人間兵器を造ろうとしたが、広島の原爆投下によって研究途上で失われてしまう。
そして十数年後、その心臓から再生した異形の少年が保護される。少年は驚異的なスピードで成長を続け、遂に体長20メートルにまでなり、研究所を脱走する。それと同時に、地底から謎の怪獣バラゴンが復活を遂げた―。

オススメ度 ★★★★★★★★8

◆数ある怪獣モノの中でも、ひときわ人間の造形に近いフランケンシュタインはやはり動きが良いのが一番の魅力であり一番おもしろいとこだと思うんですが(笑)、内容はとにかく「勢い」だけを重視していて、いや、その中に「愛」とかも絡めてあるんですが、まあでも、地底怪獣バラゴンが出現するのは唐突だし、フランケンシュタインとバラゴンが戦うのも「道端で偶然出会ったヤンキー同士の敵意」並に唐突だ。バラゴンは造形が亀っぽくてなんとなく可愛いのだが、明らかに目線がイッてしまっているのは怖い。でもこの2体の怪物が戦うシーンはなかなか圧巻。血沸き肉踊ります。…しかし、バラゴンに対しては割と圧倒的な強さを誇ったフランケンシュタインが、もうそろそろ映画終わるってとこで、またもや唐突に海からニュルニュル現われた奇怪な大ダコ(異様にリアル!)とやはり唐突に戦い始め、でもタコに対してはすごく苦戦し、あげく海に引きずりこまれてしまい、「フランケンシュタインは、死んでしまったのでしょうか?」「さあ…どうだろうね」というセリフで唐突に!終!!の文字が出る!という実にシュールな幕の引き方。ちなみにタコのシーンは当時、海外版のみ収録された日本では未公開シーンだったらしいが、まあ確かに、あんなもん急に見せられたら繊細な日本人的にはたまったもんじゃないだろうね。(04/5/31)