「ブラウン・バニー」 監督/ヴィンセント・ギャロ

出演/ヴィンセント・ギャロ、クロエ・セヴィニー 他

オススメ度 ★★★★★★★7

◆オートレーサーのバドはレースを終え、マシンをバンに積み込んで、次のレース地カリフォルニアへ向かう。途中、リリーやローズなど花の名前を持つ女たちに出会い触れ合いを持とうとするが、バドはすぐに女たちの元を去り、昔の恋人だったデイジーのことを何度となく思い返し続ける。カリフォルニアにあるデイジーの家に向かうもそこに彼女の姿はない。ホテルに泊まり憂鬱な表情を崩さないバドの前に、唐突にデイジーが現われる。

ほとんど何の説明的な言葉もなく、淡々とバドの一人旅が続けられ、突然に出会う女たちとの突然の別れが続き、バドが何かを悩み混乱していて、その理由が昔愛したデイジーという女の存在にあることをほのめかしてはいるが、で、一体何がしたいの?という心境で、冒頭から中盤まで恐ろしいほど退屈な映画(死)。ただこれは、全てがクライマックスのための布石で、なにかと話題になっている?クロエ・セヴィニーとのラブシーンも衝撃的だがその後にデイジーから語られる「事実」が、バド並びに映画を観ている者の鬱積した思いを解き放ち、同時に打ち砕く。

あのラストのセリフは確かにそれまでの全ての退屈も帳消しにしてしまっていいほどの衝撃があってそれゆえにこの映画はスゴイ、という結論にしてしまうのもまあいいんですけど、しかし、私が一緒に映画館を観に行った友人が、「この映画ってなんかヴィンセント・ギャロが単にクロエ・セヴィニーにフェラチオしてもらいたかっただけの話みたいやな」と言ったのを聞いて「あ、ほんまや!!」と思ったのも事実です(笑)。まあそんな不純な動機のことを抜きにして考えれば、観た当初はそう心にも残らないんだが、後々ゆっくり思い返してみるとなんかスゴイ映画だったような気がしないでもない……ってかまあ今ンところはどっちつかずの気分ですが(死)。

あと個人的に腹が痛くなるほどおもしろかったのは、バドが、延々バンを運転してすごく疲れているだろうにも関わらず、ホテルの洗面台で勢いよく顔を洗うのだろうと思っていたら、ちょっと指先に水をつけてちょっと瞼を濡らすくらいしかしない!というとこ(でもすごく気持ち良さそうに「ウ~ン」とかうなっていたが)。あ、でもこれ現物みないと全然おもしろさが伝わんねえ。(04/1/13)