母は、2018年9月11日から
モルヒネの原液の皮下点滴を始めました。

主治医の先生いわく、
「2、3日中から1週間ほどて……」
先生のお話を聞きながら、
ひたすら涙が止まりませんでした。

しかし、元来丈夫な母。

モルヒネ一日目は、
「痛くない」と、喜んでいました。

しかし、この日から左目が開かなくなり、
母が両目で私を見ることは、
2度とありませんでした。

モルヒネ開始から2日ほどは、
眠る時間も昼間は3時間ほどで、
起きているときは
「バラの花がきれい」
「バラの花がみるみるうちに咲いていくよ」
と、天井を凝視していました。

次第にもっとおかしなことを言うようになり、
「今から宇宙に行ってくる」
とか
「(熱海の)来宮神社さんに行ってきた。
欄干に青い布が掛かっていて、
とってもきれい」

寝ていたかと思うと
急に片目を見開いて話し出すのでした。

そして、到底迎えられないだろうと
思っていた連休明けの18日(火)。

ほぼ毎日母に会いに来てくださっていた、以前の担当医さん。
15日から17日までは
法事で帰省されるとのことで
先生の訪問はおあずけ。

18日の火曜日。あまりにも遠い未来。
もしかしたら、
いや、恐らく、もう、
母は先生と会えないかも。

覚悟をして、先生とお話をした15日の金曜日。

そして、
なんとか頑張りましたキラキラ

18日。
愛しの前担当医さんの訪問に、
付添の私と娘も歓喜の声をあげてしまいました!

もう一度、母に会って頂きたい。
母の喜ぶ顔が見たい。
神様ありがとうございます!
願いを叶えていただきました!

「O先生だよ! お母さん!」
その声に、母の見える方の目が愛しのイケメン先生探し、ロックイン。
穴があくのではないかというほど、じーっと見つめていました。

先生は、とても温かい眼差しで
「会えて良かったです。頑張ってるね」
と励まして下さり、外野の私達は、
静かに涙を流しました。

それから1日に2,3回、
O先生が母に会いに来て下さり、
イケメン&吉本バリの面白さで
わたしたち外野組にひとときの笑いを
もたらして下さいました。
冗談を言う間に、
ふと母に向かって微笑む優しいお顔に、
名医の原点を垣間見たような気がしました。

それから一週間もすると、
母の目は死んだ魚のような、
感情のない目に変わり、声はかすれ、
話す気力も削がれていきました。