ずっと家にこもっています。

 

おこもりは今に始まったことではないのです。

うつ病になったら、外に出ることが億劫になりました。

病気で、人に会うことができませんでした。疲れてしまうから。

そんな暮らしをしているうち、外に出なくても平気になりました。

やがて、家にいることが当たり前になって、

緊急事態宣言による自粛であっても、さほど苦になりません。

 

元々は人と関わることが好きなんですが、

長年モラハラを受け、病気にもなってしまい、

とうとう自分らしさを見失ってしまいました。

 

 

西洋アジサイの蕾です。

カリフラワーみたい。

 

 

 

 

では、本日のお題です。

 

 

トリ夫ばかりが飲み会に出かけることが無性に腹が立った。

「トリさんばっか飲み会に行って、つまんない。たまには一緒に行こうよ。

連れて行ってよ」と、誘ってみた。

けれど「そのうちね」とまったくその気がない。

 

私が旅行やカラオケに誘うと、喜んで「いつ行く?」「明日?」とか、

ラーメンを食べに行こうと言えば、「今から行こう」と乗ってきたのにな。

随分とつれないな。

彩乃と遊びに行くのは楽しいと言っていたのに、おかしいな。

もう一回誘ってみよう。

 

「最近、どこにも連れて行ってくれないじゃない。どうして?」

しつこく誘って、やっと「わかったよ。そんなに言うなら行こう」

やっと腰を上げてくれた。

 

行きつけのバーに行った。半年ぶりだった。

カウンターには、数人の客が座っていた。

私達は奥に席に通された。

マスターが「お久しぶりですね。いつものでいいですね」

トリ夫は一杯目から、強いカクテルを頼む。

「クラマト、多めにしておきました」と、グラスを差し出した。

マスターはトリ夫の好みを知っている。

「相変わらず、美味しいね。僕の好みをわかっているから嬉しいよ」と

機嫌がよい。

「奥様はどうされます?フレッシュでいきますか?」

私はトリ夫と違って、マスターにお任せだ。

 

家では無口だが、トリ夫は酔うと饒舌になる。

久しぶりの好みのカクテルで、おしゃべりが始まるだろうと思った。

ところが、楽しそうではない。私と話そうともしない。

いつものトリ夫じゃない。

やっぱり何か違う。

 

せっかく行ったのに、楽しくなかった。

もう誘わない、そう思った。