昨年7月23日、調停離婚が成立して、半年が過ぎた。
シングルになり、自分がしたいことを好きなようにやれる毎日だ。
けれど、幸せだと感じることは、なぜか少ない。自分がしたいと思うことをしたいようにやっているのに、楽しいと思ったことが数えるほどもないのは、なぜなんだろう。

先日、入浴中の発作で、寝ていた息子を起こした。看護師の勉強をしているので、それなりの対応を息子はしてくれた。
この時の症状は動悸と頻脈の他に、これまふでなかった症状があった。
さほど溜まっていないのに、おしっこに行きたい感覚があるが、排尿できない症状があった。これまで発作は、動悸、過呼吸、嘔吐、手足の痺れ、麻痺など、多様な症状があったが、今回の排尿に関しての症状は初めてだった。
これらの症状は、泌尿器に問題があるというより、自律神経の不調に原因がありそうだと、息子は説明してくれた。
交感神経が優位だと、排尿できない。
副交感神経優位の時、おしっこが出る。

「動悸や頻脈などの症状は、交感神経優位で起こるんだよね」
「自分で感じてないストレスがあると、こうやって、ダイレクトに身体が反応してしまう」と、息子が言う。
私は「それって、よくないよね。心で感じてないってことだから」と言うと、「そうだね。気になってることは何?」と聞いてくれた。
気になってることはいくつかある。

息子の国試のこと。
そして、経済的な不安。現状、就労できる見込みが立っておらず、年金収入があると言えど、それだけでは足りず、預金が減っていく不安。
息子が言った「居場所がない」の意味。

確かに、モラハラに遭うことはなくなり、不安は消えた。けれど、これから生きていく上で、それ以外の不安がある。

息子が提案してくれた。
「気になることを書き出してみて。書き出したことを見て、考えていくと、これらをどうやって行くのかという考えが浮かんでくるから。不安に対して、こうすれば解決するとか、回避するやり方を見つけておけば、不安によるストレスが軽減されるよ」

いくつか不安に思うことを並べた後、私はふと気がついた。

「6年前、家族4人で群馬の伊香保温泉に行ったね。あの旅行、お母さん、とても楽しかった。また、家族4人で、旅行に行きたいって、ずっと願っていたんだよね。でも、もうできない。それが悲しい。家族がバラバラになった。家族が壊れた。それが悲しい」

自覚してないストレスとは、家族がバラバラになり、元に戻れないこと。
家族が壊れたという喪失感があることに、気がついた。

何をどうやったって、元には戻らないのはわかっていても、バラバラになってしまったという現実を受け入れるには、時間がかかる。
喪失感がある以上、シングルになり、身軽になったとは言え、幸せとは感じられない。