金大中大統領は、なぜノーベル賞を必要としたのか。日本では想像できないだろうが、韓国内での金大中政権の支持率は就任後に急速に低下した。次の政権では、野党から大統領が選出されるのはほぼ間違いなかった。
韓国政治は、肩書をなくすと影響力を失う。影響力を維持するには、国際社会で尊敬され評価される政治家であるとの「正統性」を求められる。韓国人初のノーベル賞受賞は、それを十分に満たしてくれると考えたのである。
また、憲法を改正し長期政権を目指す場合には、「世界的に評価された韓国史上初の政治家を、一期五年の任期で終わらすのはもったいない」との声をあげさせる必要があった。
もし政権を失えば、不正やマスコミ抑圧を理由に関係者が逮捕され、調査を受けるかもしれない。それを避けようとして、これまでどの政権も各種の「陰謀」を試みたが、いずれも失敗した。
政権終了後のことは「国民の判断と評価にまかせる」と宣言すれば、国民は尊敬し評価するが、権力者になるとそうした正常な判断ができなくなるようだ。
これまで、調査や逮捕をまぬがれた大統領経験者は金泳三氏だけだが、彼の場合は大統領職を利用して蓄財や集金をしなかったからである。大統領が蓄財や集金を始めると、必ず側近たちが同じことを始めるのであった。長 期政権と蓄財への誘惑、これがなお完治されない「韓国病」である。