増田六段と藤井七段の順位戦を観る | 巡礼者のブログ

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徹夜近くで、割と早く起きて、順位戦の増田-藤井七段戦を横目に、調べ物と自由なノート。施設を休む。

増田さんと藤井さんの構想が面白い。てっきり増田さんは雁木で来るのか、と思っていたら、藤井さんの矢倉に近い出だしに反応したのか、中飛車にしたのは、藤井さんの心理作戦なのか?増田さんのやりたかった形なのか?

藤井さんの左の金が寄ったのが面白いというか、可能性を感じる一手だった。何か、飛車香落ちの下手の金銀を入れ替えた様な形。増田さんが雁木を指していれば、飛車香落ちの上手の形に近い。

しかし、増田さんは、左の桂馬をとうとう捌くことが出来ず、逆に、藤井さんの右桂は大活躍。増田さんが雁木だったら、まずは桂馬を捌くのだろうが、いつもと逆の展開で、飛車も隠居状態。

増田さんは、勝負勝負、という手を繰り出していたが、素人には難しいにしても、この中盤は、将棋の仕組みがよく分かるという意味で、とても勉強になる。

増田さんは、早く投げてしまったが、美しい投了図。藤井さんは、駒が連結したり、分断させたりの指し回しは、盤に何度も並べたい位に、一手一手のタイミングが見事。将棋って、こういう風に機能するんだ、というか、アンサンブルとハーモニーが、素晴らしい。勝負というより、作品の様な将棋。

藤井さんの序盤の金寄りは、最後まで活きていて、この一手から、新しい定跡が研究されてもおかしくないと思う。

飛車と桂馬の働きで、差がついた、と、結果的には見える。

久しぶりに、綺麗な投了図を見た感じがする。

見事な将棋だった。