柳家小三治は、小さん師匠に言われた言葉「お前の噺は面白くないね」で落語に開花。そこから自分の生活の実体験から視聴者と共感するものが大事だと悟り、噺の中に引き込まれる魅力を掴もうと努力した。それは噺の中の人になりきること、するとその背景が見えてくるようになる事だと。本書には90席の演目の簡易な要約と説明が載っている。
落語の典型的な噺の多くは江戸時代からの噺が多く、現代人にはそのままでは魅力が伝わらない。よってネタ元を現代風に変えた落語噺が多くなってきた。その中でも気になった噺は、「あくび指南」あくびを教える先生に弟子が入りあくびの稽古をする噺。マクラはわざわざ金を取ってあくびを教えるからには「奥が深い何かがある」と思い込む。「大山詣り」マクラは腹を立てたら罰金、喧嘩をしたら坊主を酒好きにかける噺。「御神酒徳利」マクラは女中への悔しさの仕返しに占いを仕掛けるとその占いが当たると言うことで大店の主が頼み事に発展、大袈裟な話になる噺。やはり落語は生で聞いてその雰囲気などを感じることで価値がある。


