柳家小三治は、小さん師匠に言われた言葉「お前の噺は面白くないね」で落語に開花。そこから自分の生活の実体験から視聴者と共感するものが大事だと悟り、噺の中に引き込まれる魅力を掴もうと努力した。それは噺の中の人になりきること、するとその背景が見えてくるようになる事だと。本書には90席の演目の簡易な要約と説明が載っている

落語の典型的な噺の多くは江戸時代からの噺が多く、現代人にはそのままでは魅力が伝わらない。よってネタ元を現代風に変えた落語噺が多くなってきた。その中でも気になった噺は、「あくび指南」あくびを教える先生に弟子が入りあくびの稽古をする噺。マクラはわざわざ金を取ってあくびを教えるからには「奥が深い何かがある」と思い込む。「大山詣り」マクラは腹を立てたら罰金、喧嘩をしたら坊主を酒好きにかける噺。「御神酒徳利」マクラは女中への悔しさの仕返しに占いを仕掛けるとその占いが当たると言うことで大店の主が頼み事に発展、大袈裟な話になる噺。やはり落語は生で聞いてその雰囲気などを感じることで価値がある。

様々な絵画には意味がある、それを解く、創造する書籍だ。著者の見所で、絵画の中にある繊細で細かく隠れた描写の指摘が何とも意味ありなのかと気になった。絵画を見るときの心構えは絵の中にあるモノ、隠れたモノ、ちょっと変わったモノを見つけ出し、それが何なのか、何を言いたかったのか創造してみることが画家の真髄を知る事になるかもしれない。

中でも気になった絵画は

・サージェント『カーネーション、リリー、リリー、ローズ』×「提灯」

1885年のこの絵画に何故日本独特の折りたたみ提灯があるのか、少女は妖精だろうか魔女なのか

・ラ・トュール『ポンバドール夫人の肖像』

背景の百科事典が印象的に映る・女性の才能を見出す為なのか

・ランブール兄弟『ベリー公の最も豪華なる時祷書』

案山子が一本足(日本風)で弓を中央に立つ姿が印象的

・ハント『イザベラとバジルの鉢』

なんと鉢の中には死んだ恋人の頭蓋骨があるという(ドクロの模様の鉢)

・クラーナハ『ホロフェルネスの首を持つユーディト』

不気味な女性の目と手に持った剣が抱える首とが何とも不調和に見える、寝入り剣で切り落とす

戦国時代から江戸時代にかけて藩祖たちのもっとも重要な要素は「情勢判断力」(寝返り・鞍替え)、「主君への忠義心」そして「戦功」の三本柱。江戸時代に入ると、戦功で成り上がる道が閉ざされると、「世継ぎの確保」と「御家の秩序維持(お家騒動の回避)」が藩存続の生命線となり、これに失敗すると改易・お取り潰しという結末を迎えた。江戸の治世が安定してからは、戦功の代わりに行政能力・お家の維持能力(家臣の統率、財政管理、世代交代の安定)が藩祖以降の存続にとってはより重要になったと言える。「家系」継承が最も重要な時代「武士の時代」でそれぞれの藩の動きが理解できる。特に薩摩藩(団結力と薩摩気質)、会津藩(義・家訓・規律への忠義力)、水戸藩(尊王攘夷思想を生み出した水戸学)が印象的だ。

・江戸時代の藩の数 当初は600 関ヶ原の戦い後:200 幕末:300 

・10万石以上の大名の数:41家 (江戸徳川家256万石)

金沢前田家103万石、鹿児島島津家73万石、仙台伊達家62万石、熊本細川家54万石、福井松平家53万石、福岡黒田家43万石、広島浅野家38万石、萩毛利家37万石、佐賀鍋島家36万石、鳥取池田家32万石、津藤堂家32万石、岡山池田家32万石、徳島蜂須賀家26万石、高知山内家20万石

・1万石の藩:4000石の年貢収入(約4千両)

例として牛久藩は藩士が70人、人口8600人、麻生藩110名、人口9000人