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スポーツ報知
東日本大震災と、東京電力福島第1原発事故の影響により、昨年の全開催を取りやめたJRA福島競馬が7日、約1年5か月ぶりに再開した。競馬熱の高い土地柄とあって、レースを待ちわびていたファン約1万3000人が来場。第1レースのファンファーレが鳴り響くと観客席から拍手が起こるなど、久しぶりのレース観戦を満喫していた。
福島に競馬が戻ってきた。一昨年11月21日以来の開催に、ファンが続々と来場。8時45分の開門の前に1557人が列を作り、指定席は午前中で完売した。
小雪が舞う中で行われた開門前のオープニングセレモニーでは、「福島競馬再開!!」のかけ声とともに、ジョッキーやJRA職員によってくす玉が割られた。また、昼休みに行われた福島復興祈念セレモニーでは、36人の騎手が復興の願いを込めたブルゾンを着用して登場。被災地に黙とうをささげ、地元・南相馬市出身の木幡初広騎手があいさつした。
約1年5か月ぶりの競馬開催に、福島・いわき市からやってきた30代男性は「6時に家を出て、8時に着きました」と興奮気味。宮城・仙台市の40代男性は「インターネットでも馬券は買えるけど、実際に見た方が楽しいですからね」とライブ観戦を満喫していた。また、静岡から旅行中で、「競馬をやっていると聞いて、足を伸ばしました」と話す20代男性もいた。
トップジョッキーの一人で、第5レースを勝った後藤浩輝騎手(38)は、「会いたかったぜ福島ぁ~!!」と自分でメッセージを記した横断幕を持って、ウイナーズサークルへ。「タクシードライバーが、『福島競馬場の調整ルームに避難した』と感謝してくれた。地元の人が競馬を楽しみにしているのを感じた」と話した。
売り上げは、2年前の1回福島競馬初日と比べて16%増。入場人員は、37・5%増の1万3198人だった。「福島競馬を盛り上げていくことで、福島の復興のお手伝いをさせていただければ」と土川健之JRA理事長。29日までの今開催は、「福島復興祈念競馬」として行われ、売り上げの一部が被災地支援のために拠出される。
◆競馬再開までの道のり 福島競馬場は、東日本大震災のため天井の一部が損壊するなどして、開催が不可能に。昨年8月まで、ピーク時で約550人の住民を受け入れ、避難所として機能していた。昨年9月以降、施設の修繕や芝コースの張り替え、ダートコースの砂の入れ替えなど除染に約42億円の費用をかけ、競馬の開催にこぎ着けた。なお、開幕週の7、8日は、「フリーパスの日」で一般入場料(100円)は無料。