後半部の「誰の問題か」という議論に関してはそれぞれの立場や見方によって見解がそれぞれ異なり、
色々と問題が山積みになってしまっているな、というのが簡単ではあるが感想である。
この問題をまとめて、広く社会に啓蒙していくダイナミックな団体があるのかどうかわからないが、
この会に参加された優秀な方々が先頭に立ってこういう危機意識を伝播し、解決方向に向かっていくことが
情報共有できたこの会、この集まりのもう一つの重要な目的・役割だと思いました。
【問】オンビデオの広告が売れていないというものあるが、今までネット広告が売れていないのは広告主の理解の問題なのか、代理店の仕組みの問題なのか、メディアの問題なのか、コンテンツや著作権の問題なのか
広告主の部署の壁が正直大きいと思う。たぶんそれがそのまま代理店の壁になってしまったりする。逆に代理店からオーダーするときにメディア側にもそのまま伝わってしまったりするので、そこの川上のところがCMOのようにダイナミックに壁を壊せるような人がいればだいぶ変わるのではないかなと。逆に代理店としてはそこに死に物狂いでくっついていって、いろんなモノを壊していく、というようなそういう連鎖になるのではないか。(ADKi二木氏)
広告主が悪いというよりは面倒くさがる、いろいろテレビもう駄目だよねというわりには自分の発注の仕方が変わらないし、受ける側(代理店)も新しいこと考えたり仕組みを変えるの面倒くさいので、結局値引き合戦に入っていくみたいな、なんかこう『この布団湿ってきているんだけどこの布団から出ると寒いので、まだこの湿った布団に入っていて、どうしようと言ってまた汗が出てみたいな。一回勇気を持って湿った布団から出なくてはいけないんだけど、相当そのとき寒いから変わらない、みんな変われない。』でも、こうしたら暖かい布団で気持ち良いですよみたいな全部わかっていて全部提案できる人がいない。あるいはケース、トヨタのiQみたいに最初はマスを使わないでイノベータにフォーカスしたというように、成功のショーケースでマネでもいいのでああいうのであるんじゃないのみたいな、いくつかお手本になるものが出てきて、最初のセルモーターとなるようなケースがいくつかの業種で出てこないと変わらない。(DAC田中氏)
2つあると思う。一つは、例えば「一億円の予算を渡します、これでターゲットと一番接触できるプランを作ってください。」という発注のときに、全部知ってないと組めないんですよね。で、全部知っている人ってほぼいない、というか無理。ユーザーもメディアも途方もなく拡散しているので、この予算だったらこれがベストだというのを、なかなかプランニングできる能力を持つ人がいないという、代理店側の問題。二つ目は「ユーザーが動いたからお金をお支払いします。」というメニューがない。特にブランドを扱っている代理店だと、「あ、これだけの人がこれだけ反応した動いた。じゃあ、お金をお支払いしましょう。」というのでは無く、どちらかといえば、「30秒CMにこれだけの内容を盛り込みます、これが何千GRPの中で何回流れます。よし、わかった。金を払おう。」というほうが合意も得やすい。それが実際ユーザーに届いているかスルーされているかは問われず。それだけでかくペイの仕組みが変わると、代理店も変わらざるをえなくなって、そうするともっと現実にマッチした広告産業になってくる。(博報堂須田氏)
【問】全てを知らなければならないという話がありますが、それは無理な話であって、アメリカのインタラクティブエージェンシーの話を聞くと、メディア担当もクリエイティブ担当もプランニング担当もアカウントプランニング担当も集まってとりあえず企画会議をすると。だからメディア担当がクリエイティブのアイディアを出すかもしれないし、クリエイティブ担当がメディアのアイディアを出すかもしれない、というようにキャンペーンを企画するプロセス自体が変わっている。日本でもそうなりつつあるか
集まってアイディアを出す会議をしたとしましょう。で、みんなで有効なアイディアを出し合ったとして、最終的に出てきたアイディアの山をまとめる人は誰なんだと考えると、現状とてもまずいのは、営業が全部セレクションできるかCDがセレクションできるかというと、どちらも100%ではない。CDとACDが合体したような人が登場してくるとちょっと状況が良くなるかもしれない。(博報堂須田氏)
【問】今後、どういう知見が必要でどのように代理店のスタッフが変わらないといけないか
変わりたいと思っている人はいっぱいいるし、変わらなきゃまずいと思っている人はいっぱいいるが、日常が忙しすぎて、構造的な問題だと思うが、業務量が増えている。煩雑さも増していて、営業の負担も業務量的な意味合いではすごく増えていて、新領域が増えて、確認内容も増えて、新しく覚えなくてはならないことが増えて、ちょっと限界がきている。どうすればそれが新次元にいけるのかはわからないが、ただ、個々人のレベルでも組織のレベルでも今のままではまずいと思っているので、できるところから変わっていくしかないのかなと。知見ではなく、行動で。現状の中で変えるしかないというか、「どうやったらこの領域の仕事覚えられますか」と聞かれたら、やるしかないっすよ、とりあえずやってみようと答える。僕らはやりながら覚えているようなものなので、勉強してわかるようになったらやるのではいつにまでたってもできない。(博報堂須田氏)
やってみましょうということかなと、それに尽きると思います。全てをやってみることは難しいが、全てを経験することはできると思いますので、その中で経験値が低くても分かり始めることがあるのかなと。たぶん座学でわかることは少ないのかなと思っていて、そこに参加してみる、自分で仕事ができなければユーザーとして参加してみるだけでも、そのキャンペーンを体験するだけでだいぶ違うのかなと。(ADKi二木氏)
ネット広告もすごく大きなキャンペーンをすぐ回せるのか、予算を持ってこれるのかということになると難しいが、1個の小さなキャンペーンから変えていって、広告主の担当者の意識を向けさせる。とりあえずまずスモールアイディアで実績を作ることは、オバマの勝利が象徴しており、参考になるのかなと。(CA須田氏)
ご招待していただきました武富さん、ありがとうございました!
