営業所に付き事務所に入る。
片方裸足の足元に視線を感じる。


体格の良いこの人が所長らしい。「事情は知りませんが、うちも仕事ですので、しっかりお代さえ頂けるのなら東京でもどこでも来ますよ。只、今手持ちにお金をお持ちでなくて、着払いでという事ですよね?大変失礼ですが、お金を頂ける保証が無いですよね?先方にどなたかいらっしゃるならせめて電話でお話させていただけませんか?」
「わかりました。お電話しましょう。」何とか先輩を説得しよう。

「あっ!もしもし。先ほどはすみません。小銭が無くなり切れてしまいました。実は今タクシー会社に居るのですが、先ほど伝えたように一円もないのでそちらへタクシーで帰るしかなかったんで、車を拾ったところ、こちらのタクシー会社の所長が先方に本当に着払いで支払っていただけるか確認させてほしいとの事で電話しました。」

「おい、お前さっき途中で切れたけど、どういうことだ?」

周りに聞こえないよう小声で答える。「はい、先ほどもいたように、親に騙されある施設に入れられ半殺しに会いまして。そこから逃げてきたんですが、帰る金がないんです。働いて返しますのでどうかお願いします。」

「まあいいわ、細かい事は。それよりタクシーなんか使ったらいくら掛かると思うんだ、そんな事なら俺がそっちに行ってやるよ。」
「本当ですか?」
「ああ、幸い今日は予定が空いてる。名古屋なら4.5時間もあれば行けるだろう?どこにいけばいいんだ?」

「いや、それが自分がどこにいるかわからないので・・・」

「なら、所長に変われ。」

「はい、変わりました。ここはですね、名古屋市〇区の○○という場所で、ハイ、高速は○○でおりそこから・・・そうですね、目印としては〇〇警察署の前に公園がありますのでそこならわかりやすいかと思います」
「はい。」「もう一度変われとの事です。」受話器を渡す所長。
「もしもし、場所はわかったから所長に〇〇公園の場所を聞いてそこで待ってろ。夜7時くらいには行けると思うから。」
「わかりました。ありがとうございます。」

 

所長から聞いた公園は歩いて直ぐだった。

まだ14時ごろ。

時間はだいぶあるが、金は1円も無い。
ブランコに乗ったり、鉄棒をしたりを繰り返し長い時間を過ごした。
少し、日が暗くなってきた。まだ一時間以上はあるだろう。
ベンチに座りながら目を瞑る。
もう少しだ、クソ!親父もお袋も絶ってえー許さねえぞ!
そんな事を考えながら眠ってしまった。

 


どれくらいたったのか・・・・

 

 

頭に激痛が走り起こされる!

 

「痛!」蹴りを喰らったようだ・・・先輩が怒ってるのか・・・


目をこすりながら開けると・・・嘘!嘘だろ!

 

慌てて逃げだすも直ぐにつかまれ、3人に囲まれ袋叩きにあう。


「助けてくれ!お巡りさん!助けて!」隣は警察署、大声で叫ぶも虚しく。

「さあ、乗れと!」くじら号と呼ばれるワンボックスカーの荷台に放り込まれる。

「さあ、今からしっかり取り調べしてやるからな!泣く子も黙る戸塚警察で!」


何が起きたのか・・なんで・・・どうして・・・


エンジンが掛かり車は走り出した・・・・