浜辺で1列に並ばされる。

どうやら体操が始まるようだ。

ラジオ体操・・だめだ体中が痛くて動かせない・・

「いてっ!」後ろからまたも蹴られる。

「真面目にやらんか!たわけがっ!」
腕立て、腹筋、まともに出来るわけがない!

何発蹴られたか・・死ぬ思いだ・・

 

何とか体操を終え、建物に戻ると広間には卓袱台が並べられ粗食が並べられている。

麦が混ざったような茶色味ががった飯に、みそ汁のような具の無い透けるような汁、漬物、おから?
「座れ!」坊主頭に言われる。歳は3つくらい上か?

「頂きます!」全員で唱和し食事が始まった。

向かいの坊主頭が小声で言う。

「おいこら!新入り!お前昨日はイキっとたな!おお!たっぷり可愛がったるでな!」

マジか!こいつらにもやられるのか・・・

「お前飯みたい10年早いわな!わかっとるのか!」

もともと食欲などゼロだ。

「どうぞ食べてください。」

「飯で許されたと思うなよ!」
大人に見つかるのを恐れたのか、そいつは素早く俺の飯を自分の器に入れると何事もなかったかのようにふるまう。

「おい!新入りお前どこから来たんだ!」左隣の坊主頭に聞かれた。

「地元すか?東京の練馬区ですわ。」
「はぁ?練馬?マジか?おれ板橋だよ!〇〇中卒だ!お前どこだ?

「〇〇中っす。」
「○○?てことは〇〇の後輩か?」

「ハイ。先週も一緒でした。」

「そうなのか?今地元どんなだよ?」

「自分は○○(暴走族のチーム名)なんですけど、〇〇中だと〇〇(族の名前)先輩たちと先月、一緒に走ってました。」

「そうか懐かしいな!おいK!こいつ俺の後輩だからよ、テメエ手出すんじゃねえぞ!」
「マジっすか?Mさん!」

なんだかわからないけど、この板橋出身のMという人、ここでは偉いのか?
いずれにしろ、この場に関してはラッキーだったようだ。

「ところでお前、なんで来たんだ?」

「いや、それなんですが、実は親父がどうもこの辺でケガして重体らしくて、お袋と一緒に新幹線で急遽来たんですが、病院が判らないので聞いていくって、そこから訳わかんねえですけどここにいるんです。」

「アホ!ここはな、戸塚ヨットスクールっていってな俺やお前みたいな非行か、家庭内暴力か、登校拒否かそんな奴らが皆騙されてくるんだよ。俺はな家で寝てたらいきなり警察だって部屋に入ってきて、手錠掛けられ連れてこられたんだ。」

「そうなんですかぁ」

いや、それは違う。いくらなんでもそれはないだろう。

親父はともかくお袋は、ある程度俺を理解してくれているはずだし、まして人の命を使った嘘など絶対に付くはずはない。

きっと事情があるのだろう・・そうか!きっと近くの病院にいて面会出来ないのでそれまでの間、ここに体験で入れたんだろう。

2.3日後には必ず迎えが来るだろう。

本気でそう思っていた・・・