術後は切った分量によって、肺活量が減少し、負荷がかかります。
私の場合は、右上葉切除で20%くらい減少しました。
肺は血液が豊富な臓器で、切った分だけ血管床といって酸素を取り込む場所が減ることになります。
術前は、肺にはもともと予備能があるので、そこまで苦しくなることはないので術後1~2日で酸素投与が終了になる、という説明でした。
予備能というのは、例えばマラソンとか激しい運動をして酸素消費量が上がったときに備えて余力がある、という意味です。
切っても、この予備能でまかなえる(片肺切除だと50%の機能になり、酸素投与し続けることになるようですが)そうです。
しかしながら、現実は、私が予備能がもともとなかったのか。。
退院して2週間くらいは、家の中でトイレに行ってもぜいぜいし、着替えてもぜいぜい、シャワーもぜいぜいして、息切ればかりでした。
パルスオキシメーターを5000円くらいでナース用のものを買ったのですが(病院のは10万くらいするのですが、コロナで安く買えるものが多くなり、機能も悪くないです)、それで計測すると、トイレ移動だけで91~94%に低下しました。
ちなみに90%以下は(コロナ報道でも80%とかありますが)、超危険です。
95%以下だと病院では酸素1Lカヌラで投与、レベルでしょうか。。
とにかく、もともと血中酸素飽和度が100~99%あった人が、術後急に94%になったらかなり苦しいのです。
そして、酸素化に加えて脈拍測定も酸素化の良しあしを見る指標になります。
普通は安静時70回/分程度の脈拍ですが、酸素化が悪いと120回/分など頻脈になります。
体の酸素が(臓器で)不足するので血液をどんどん循環させないと酸素化が追いついていかない、臓器が酸欠になるからです。
酸欠に弱いのは、心臓や脳です。
アフターコロナ(コロナになったあとの人)の症状に「ブレイン・フォグ(霧がかかったような脳)」というのがあります。
ぼーっとしたり、思考がまとまらなかったり、うつっぽくなったり、忘れやすくなったり、気力がわかなかったり、です。
コロナ後の肺が酸素化が悪いままなので(いったん悪くなったものは不可逆的といって、もとにはもどらず、ダメージが残ったままになる)、
ブレインフォグによって社会生活が営めなくなった人も多いようです。
私も2週目くらいまで、うつうつしたり、気力がわかなかったり、暗証番号を忘れたり、料理をこがしてしまったりしました。
酸素化が悪いうちは、車の運転などの集中力を使う動作も危険だと思いますので、注意が必要です。
酸素化がよいかどうかを自分でみわけるのは、自覚症状としては息切れの減少の状況(息切れが減る)、動いた後の脈の増減をみる、です。
術後1か月過ぎから脈拍の変化と睡眠時の呼吸状態をモニタリングするために、ウエラブル端末(フィットビットチャージ4)をつけています。
ウエラブル端末でアップルウォッチだけ、確かリアルタイムで血中酸素飽和度を測れると思います。
(私は大きな時計は好きでないので、小さめのものにしました。)
職場で歩くと120回まで脈があがりますが、戻りも早くなってきたのがわかります。
回復を実感するのもモチベーションUPになるので、よいと思います。