私の県には、肺がんの患者会はなく、肺がんになったらどうなるのか手探りでした。

 

ネットでの情報は、

・国立がんセンター

・国立病院機構埼玉病院呼吸器外科

・アストラゼネカ 「肺がんとともに生きる」

 

あたりがなかなか便利でした。埼玉病院はQ&Aという形で情報が細かく載っていて、今自分の体に起こっていることへの説明が理解できました。

なぜ咳がでるか、今後どう変化していくか、などよくわかりました。

アストラゼネカのページは患者さんの声がいろいろ載っていて、術前、術後の不安を乗り切るのに参考にしました。

 

あとはいろいろな書籍を読みましたが、

都立駒込病院名誉院長 佐々木常雄先生の「がんと向き合い生きていく」という本がいろんな患者さんのエピソードが載っていて、気分が少し楽になりました。

 

肺がんの生存率は他のがんに比べて低く、ステージⅠでも70~80%です。

治療成績はよくなってきていますし、新しい治療法(薬)もここ5年くらいで増えました。

とはいえ、先のことはわからない。

身体も今、術後2か月目ですが、職場復帰も5月からしていますし、見た目にはほぼ普通ですが、まだ息苦しさや肺の中の痛み(内臓痛というのか気管支を切ったあたりがうずく)、肋骨の切ったところも違和感があります。

これがいつまで続くのか、後遺症になってしまうのか、治らないうちに転移や再発するんじゃないか、若いから進行するんじゃないかとか不安ですが、考えてもしょうがない。

 

がんになった人は皆、この怖さを抱えていくのだろうと思います。

仕事に復帰してよかったことは、家にいるよりは歩くので良いリハビリだということと、恐怖を忘れて仕事に集中できることです。

一人で家にいると余計なことを考えてしまいます。

 

私は夫と子ども(中2と小3)がいるので、病気のことだけ考えるわけにもいかず、退院翌日から洗濯や食事などの家事全般と子どもの世話をしています。(術後寝ているわけにもいかなかった)

子どもの成長が見れなくなるのではないかというのが、がんと言われて一番ショックでしたが、今は、子どもがいるので、自分に何かあっても残された夫や両親も救われるなという思いがあります。

術後1か月間は体調もしんどいし、この先仕事に戻れるのか、家事もできないんじゃないか、こんな体でどうしよう、再発したらもう肺は切りたくないなど、かなりうつっぽくなりましたが(見た目にはそうでもない)、1か月すぎて日常生活の範囲は何とか動けるようになってきたので、気持ちもしっかりしてきました。

 

がん患者は、全人的苦痛(精神的苦痛、身体的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛)を抱えると言われていて、

がん告知や治療後2週間目以降に適応障害(うつなど)になる人も多いようです。

見た目には見えない痛みや悩みをどうやって乗り越えるのか、が大事になります。

私は自分が、がん看護の専門家でもあるので、状況を少し引いた目で見れましたが、普通の方には大変だろうと思います。

こんな時に、がん拠点病院のがん相談支援センターで話を聞いてもらうとよいのだろうと思います。

かかりつけの病院でなくても、外部の患者さんでも相談に対応する機関ですので活用が進むといいなと思います。