HANAのBlue jeans
大好きです。
聞くと思い出す高3の秋。
女子校だったから、文化祭は出会いのイベント。
みんな張り切ります。
摂食障害始まっていたけれど、
週に一回くらい、食欲が止まらない日に食べ吐きしていました。クラスに明らかに毎日食べ吐きしている子がいて、骨と皮だけの足になっていて、自分はあそこまでやってないから、病気だとも思ってなかった。
でも、家のトイレが浄化槽で、汲み取り時に大量の食べ物がある、と業者の人が母に告げ、家族には食べ吐きはバレていた。バクテリアが死んでしまうらしく、悪臭が漂ってしまうため、浄化槽汲み取りを何度も呼ばなくてはならなくなり、母に叱られる。だからゴミ箱に吐いて、それを溜めて、ゴミの日に出すようになっていた。
自分を醜いと思ってすごしていたから、文化祭も自分には関係ないって思おうとしていた。ブスで醜いから、相手にされるわけないって。
クラスの出し物の当番で教室にいたとき、廊下から何度も微笑みかける男の子がいた。オシャレでチャラそうな子だった。まさか私への笑顔と思ってなかったから、無視していた。そしたら、その子と知り合いのクラスの子が、私のところにきて、
『あいつが話したいんだって。行ってやってくれない?やだったら、やだって直接言っていいから』
と。
なんかからかってるのかな。
友達となんか賭けとかしてて笑いものにするとか?
そう警戒しながら、どーも、と廊下に出た。
そうしたら、クシャッと微笑んで、
『えっと、今ちょっと話してもいい?時間ある?』
と。
『なんか、いいなって思って。名前とか教えてもらっていい?オレ、まじめに話せる子と友達になりたいって思ってて、またさ、会えないかな。今もう時間なくて、いかなきゃいけなくて。Aちゃん経由でまた連絡するね。オレ、ふざけてないから。』
と言って去ってしまう。
これはどっちなんだろ。マジにしてバカにされるやつ?モテそうだし、遊び慣れてそうだし、警戒モードしか発動しない。
でも、思い出すと、顔とか声がタイプだった。あーいうタイプに好かれたことがないから、浮かれたい自分もいた。
後日Aちゃんから本当に話しかけられた。
『アイツさ、去年お父さんが亡くなって、雰囲気変わったんだよ。中学のときは悪っぽかったけど。
嫌だったらいいけど』と電話番号渡された。
あの時代は家電のみ。ハードル高すぎでしょ。
うちにかけてくる勇気があるなら、一回会ってもいいかな、と思い、Aちゃんに、会う気あるなら、うちに電話して、と電話番号渡してもらうことにした。
1週間くらい電話なかったから、ただからかってきただけか。忘れようと思った。
しかし、ある日かかってきて、母がでて、私につないだ。電話越しはすっごく淡白で、ほんとにアイツなのか、と思ったけど、部活のない日に待ち合わせすることに。
しかも、女子校の校門に来るっていうから驚き。
そんなザ青春の画、私に訪れるなんて。
あいつはこんなことが堂々とできるなんて、やはり遊び慣れてるんだろうな、再び警戒モード。
下校時刻を1時間くらい経った待ち合わせの時間に本当に来た。チャリで。
ステップついていて、そこに乗ってという。
その時代のヤンキーカップルの憧れシルエット。
今じゃ捕まるけど。
なんか安い青春映画にでてる気分でステップに乗って、肩につかまった。
なんかキラキラしたその風景、今でも覚えてる。
線路脇の道をサーっと坂降りて、上りをはあはあ息を切らして登ってくれた。のぼりがキツそうだったから、
『私重いから大丈夫。降りるよ』
というと、
『わりー、体力落ちちゃって』と。
『優等生っぽいしさ、ステップ乗ったの初めてだったりする?』と聞いてきた。
初めてだというと、すごく喜んでいた。
その顔みて、あ、好きかも、って思った。
どうしよう。
食べ吐きしている汚い自分が受け入れてもらえるわけない。
知られたくない。
好きになりたくない。
傷つきたくない。
この気持ちを打ち消したいって同時に思った。