羽生結弦「握手で和解した」 デニス・テンへの怒声巡り
朝日新聞デジタル 2016年4月4日07時50分
 
 2日(日本時間3日)に閉幕したフィギュアスケートの世界選手権の男子で2年連続の銀メダルを獲得した羽生結弦(ANA)は3日(日本時間4日)、3月30日の公式練習で接触しそうになったデニス・テン(カザフスタン)に怒声を上げたことについて「(テンと)握手をして和解した」と釈明した。
 
羽生はこの日のエキシビションの前に記者の質問に答え「この試合で和解したいなと思っていたので、しっかり握手して、和解した。自分も気をつけて、または、お互いに気をつけていけたらと思う」と話した。
 
「怒声を上げた」だけなら握手して和解で済むかもしれませんが、「故意に」妨害したと他国の国民的スター選手を侮辱したんですよ。彼だけじゃない。マスコミもグルになって傷を広げたんです。テン選手のインスタグラムには脅迫、人種差別を含む中傷コメントが殺到しており、それを知ったカザフスタンの人たちの対日感情は悪化。友好関係にひびが入ろうとしています。握手で済む問題じゃないです。「握手で和解した」と羽生選手は言っていますが、記事を書いた人はちゃんとテン選手に確認しましたか?また、羽生選手の一方的な主張を垂れ流すだけですか?
 
羽生選手が今すべきことは、公の場で自分が間違っていたことを認め、テン選手に謝罪すること。
マスコミがすべきことはテン選手の名誉を回復する訂正記事を出すこと。
スケ連のすべきことは羽生選手に厳重注意し、テン選手と関係者に謝罪すること。
 
これはこのままうやむやにしていい問題じゃありません。
テン選手だけでなく、羽生選手にとっても今後のスケート人生に大きな影を落としかねない問題です。
 
テン選手のインスタグラムに中傷コメントや批判コメントを入れている人たちは、羽生選手を庇うつもりなのかもしれませんが、逆に彼の首を絞めていることになぜ気づかないんでしょうか?
CMやスポンサー契約、引退後のテレビのお仕事、ショーのオファー、全て影響を受けますよ。
 
テン選手が日本でショーに出られなくなるんじゃないかと心配している人もいるようですが、真央さんや大輔さんのファンが中心のショーならきっと大歓迎。中傷コメントを入れるような人たちはそもそもスケオタではありません。スケオタ=長年フィギュアスケートを見てきた人ならテン選手の人柄や交友関係の広さを知っていますから、彼が「故意に」妨害などする人でないことはわかっています。
 
野球やサッカーなら実力さえあれば億単位のお金が稼げます。でも、フィギュアでは試合でもらえる賞金は微々たるもの。経費の方がかかるぐらいです。どんなに高い得点をもらってもいくつ金メダルを取っても、信頼を失えば仕事はなくなります。このまま放置して一番困るのは羽生選手ですよ。