39冊目

「恋の蛍 山崎富栄と太宰治」松本侑子(光文社文庫)

『昭和23年6月、入水した太宰治と山崎富栄。
天才作家と日本初の美容学校創立者の令嬢はどのように出会い、恋に落ちていったのか…。いまだ謎に包まれる情死の真実とは?

2人の生涯、太平洋戦争、恋と創作の日々、残された家族の思いを徹底した取材で描き、スキャンダル“玉川上水心中”の真相に迫った、愛の評伝小説。
第29回新田次郎文学賞受賞作』

命短し戦え乙女



文庫本カバーの山崎富栄の写真が美人で理知的でびっくりー。
今まで太宰治の心中相手に興味持ったことなんてなかったけど、つい手にとってしまった。

そもそもあたしは太宰作品が好きではないし、ウジウジしててろくでもなくてイライラしちゃうの。
でもガルーなんかは、ここまで自分の弱さ汚さをさらけ出してるところに凄さを感じるらしいが。

で、この作品。
太宰ではなく山崎富栄にスポットを当てた作品。

面白かったよー
山崎富栄のお父さんてすごい人だった。

日本初の美容学校を創立した根っからの教育者で、その跡取りとして育てられた富栄は腕もセンスもたしかな美容師として成長。

でもたった一度の恋が彼女に仕事も家族も捨てさせる。
富栄の太宰に対する一途さはすごい。

愚かだな…とか
目を覚ましなよ…とか
思う部分もあるけど

ダメだと頭で分かってても心は惹かれちゃうってのはわかる気もしたり。

でもやっぱ太宰はきらいだ(-_-;)