中森明菜 紅白 復帰 2014年 Rojo Tierra 出場 中継

あけましておめでとうございます。
2012年の更新は8回、2013年の更新は5回、2013年の更新は2回でした。
このままいくと今年は更新0でないと綺麗な下降線を辿れないじゃないかと
妙なことを考えたりもしましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
年に数回しか更新しないというのに
一定数のアクセスを維持しているのを見るにつけ
乙武や絢香やASKAは腐っても人気者なのだなと改めて思う次第です。

さて、昨年途中まで書きかけてアップしなかった記事があります。
タイトルは「中森明菜の今後は華原朋美か森光子か」でした。
表舞台に復帰した華原朋美と、元気元気と誌面で書かれてはいるけれど
一向にお姿を見せないまま天に召された森光子。
中森明菜はどっちに向かって進んでいるのだろうってな具合でしたが
直筆のメッセージや週刊誌の盗撮などもありましたので
そこそこ元気にはしてるんだろうとお蔵にしました。

その後、「オールタイムベスト」の発売告知とともに
「今度こそ本当だからあと少し待ってちょ」というメッセージが公開され
さらにベストに録り下ろしの新曲が収録されるとの発表で
本格復帰はもう間違いなしと胸を躍らせていたのですが
ジャケットデザインから衣装に至るまで、全てに関わらなくては気が済まない
明菜の歌手活動を総括する「オールタイムベスト」のジャケットが
パチ屋のポスターのような安っぽい一枚絵だったこと、
発売前はもちろん、発売後も一切本人が表に出て来ないことから
「治療代捻出のために周りがお膳立てしたのかな?」と再び不穏な空気に。

「オリジナル」に収録された「SWEET RAIN」
「DIVA」の頃に録ったらしきアレンジとボーカルでしたし
「カバー」に収録の「恋の奴隷」と「男と女のお話」は
間違いなく「ムード歌謡」のボツトラックだろうという感じで
もしかして今回の3曲は全部蔵出しなんじゃないか?との疑念を抱くに至り
マスコミが何度となく使う「今度こそ」の文字が
誰も見たことのない怪物を「絶対いる」と触れ回る都市伝説のように見えてきました。

本人不在もなんのその、5年にも及ぶ隠遁生活が明菜の待望論を何倍にも増幅し
CD不況でもベストアルバムは売れに売れました。
こうなると次はメディア露出しかないわけですが、これがなかなか決まらない。
芸能界で数少ない友人である田原俊彦がレギュラー出演している
「爆報!THE フライデー」が最有力との噂も流れまして
明菜の全盛期を象徴する歌番組「ザ・ベストテン」をやっていたTBS系列ならば
当然ここだろうなと私も思っておったわけですが、出演はありませんでした。
(同じTBSでも「金スマ」はジャニーズの中居が司会なので有り得ませんしね)
復帰一発目の出演を獲得するために各局が躍起だとのニュースを尻目に
肝心の本人の健康状態は未だにはっきりせず、再び復帰は暗礁に乗り上げたかに見えました。

しかし、それはある日突然やってきたのです。
「中森明菜が5年振りのニューシングル&最新カバーアルバムを発売」
浅倉大介と鳥山雄司のタッグによる新曲「Rojo -Tierra-」
ライフワークにしてきたカバーシリーズの新作「歌姫4 -My Eggs Benedict」
2015年1月に発売されると電撃発表されメディアは大騒ぎに。
これで本人が出てくれば全てが丸く収まるわけですが
依然として体調不良のニュースは途切れることなく
ベストアルバム発売時と同じように、本人不在のまま発売を迎えるのかなあと
ぼんやり考えていたら、年末も押し迫った12月下旬になってこんなニュースが出たのです。

中森明菜が紅白歌合戦に出演

年末に放送された「SONGS」は全盛期のダイジェストで構成されていて
放送の終了間際に「年明けにパート2やるよ」と告知されていたので
新譜の発売時期からしても、今回の復帰劇にあたっては
NHKと明菜でかなり密に連携が取れていたことがうかがえます。
となれば、紅白も当然視野には入っていたでしょうが、これがなかなか決まらない。
希望的観測なのか真実なのかを誰も見極められないところで
日数だけがめくられてゆき、やっぱりガセだったかと落胆しかけた
12月28日、放送の3日前に出場確定のニュースが流れたのでした。

赤白の関係ないスペシャル枠、しかも往年のヒット曲ではなく新曲披露と
何もかもが別格のVIP待遇で迎えられた明菜は
消え入りそうな声で短く挨拶をし、新曲を聴かせてくれました。
全盛期のパフォーマンスと比較してあれこれ言う人はいるでしょうが
「水に挿した花」をシングルでリリースした1990年頃から
明菜は「枯れてゆく姿もそのまま見せる」生き方を選択したのだと私は思っています。
もともと、セカンドシングルの「少女A」がヒットした時にも

「それでも『スローモーション』の方が好きです」

と言ったぐらいですからね。
「Rojo -Tierra-」のような楽曲を歌うことは、人に恵まれずに生きて来た彼女にとって
何よりも大切なファンへのサービスなのです。
「みんながこういう明菜を聴きたいだろうから」だけが
この曲を選んだ唯一にして最大の理由であろうと確信しています。
明菜のニュースで度々使われる「歌姫復活」とは
「DESIRE」や「ミ・アモーレ」のような曲を余裕しゃくしゃくに歌い上げる
姿だと思いますが、そんなことを明菜本人は望んでいないのではないでしょうか。

中森明菜は本来、ちあきなおみと並べて語られるべき歌い手です。
作詞も作曲もソツなくこなすけど決定打と呼べる名曲は1曲も生み出せない、
器用貧乏アーティストが乱立する現在の音楽業界では異色の存在であり、
美空ひばりや山口百恵や松田聖子と比較すること自体がナンセンスなのです。
どちらが上だ下だの話ではなくて、単純に走っているレールが違う。
キャリアの起点がアイドルだったというだけで、
彼女の歌にはシャンソンやブルースにも通じる侘び寂びがあり
それが今なお多くの日本人の心を掴んで離さないのでしょう。
30歳には30歳の、40歳には40歳の歌を歌えばそれで良いはずなのに
「アイドルなのに歌も上手かった明菜ちゃん」を求める人々があまりにも多いせいで
思い出の残像に付き合わざるを得ないわけですね。
一時期歌謡界のトップに君臨してしまったことが
今の明菜をがんじがらめにし、追い込んでいるのは何とも皮肉な話です。

紅白での歌唱を見る限りコンディションはまだ万全ではないようですし
出演依頼はどっさり来ているでしょうが、
来年以降テレビ出演が増えることは無さそうです。
5年もかけて休養したのに、半年で潰れちゃあ元も子もありませんし。
FNS歌謡祭で(全く売れてない)近藤真彦の特集コーナーを展開したフジテレビは
完全にジャニーズ寄りでしょうから、民放に出るとすればやはりTBS系列ですかね。
ただ、TBSは今(ゴールデン枠に)音楽番組がないので、
消去法からしても復帰の舞台にNHKを選んだのは当然だったのかもしれません。

何はともあれ、明菜をもう一度テレビで見れたことは嬉しかった。
録画だったんじゃないかとか、そんなのはどうでもいいことです。
グラミーを受賞し才能にも恵まれながら浴槽で不審死してしまった
ホイットニー・ヒューストン(48歳没)や
「死は孤独よりマシね」と残してこの世を去った
エディット・ピアフ(47歳没)のように、哀しい別れをするのだろうなと
覚悟を決めていた明菜が、二人の年齢を過ぎた49歳になってもう一度帰ってきてくれた。
万全でないにしても歌を披露し、弱々しくても笑みを見せてくれた。
それだけで私は充分です。

ありがとう。

くれぐれも無理をせず、元気になったらまた顔を見せてください。

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