ブツクサクツブ-「遊音倶楽部 ~1st grade~」絢香

J-POP連続殺人事件。

一通り聴き終えた私の脳内に浮かんだ言葉がこれでした。
オリジナル楽曲、ならびにアーティストに対するリスペクトなんて
これっぽっちも持ってない、自己顕示欲の塊みたいな女が
まるで葡萄畑でワインの仕込みをしているかの如く
グッチョグッチョとJ-POPを彩った名曲群を踏み潰しながら笑っています。

*誤解されるといけないので念のため書きますが
 古来から続くワインの葡萄踏みは、種や果栓が潰れず、タンニンの過剰抽出もなく
 果汁の旨味だけを絞り出すことが出来るちゃんとした技術です。

ホラー映画で目を背けたくなる惨殺シーンのことをゴア描写なんて言いますが
このアルバムは歌うシリアルキラー・絢香が、その猟奇的な歌唱で名曲を殺しまくる
ゴア歌唱満載のB級ホラーアルバムと言えるでしょう。

ホラー映画の名物キャラクターが皆どこかマヌケであるように
このアルバムの絢香も「どうよ?原曲より私のほうが上手いでしょ?」っていう
間違った自己認識が周囲から笑われていることにも気付かず
悦に入っているような裸の女王様感が痛々しい。
歌う川島なお美か。
レコーディングスタッフ、こんなアプローチで良く笑わなかったな。
私なんて笑いっぱなしでしたが。

LPレコードの時代から(歳がバレる笑)カバーアルバムをたくさん聴いてきた私が考える
カバーにおける名盤の必須条件は「身の程を知る」ことです。
絢香はここが絶望的。
そこそこ音がとれてそこそこ声量があれば上手いと思ってる。
1曲目に持ってきたのが、そのどちらも満たしてないユーミン。
楽勝にして圧勝な、オープニングに最適な選曲と思ったんでしょうが結果は酷いものでした。

それでは、この世にも恐ろしい連続殺人事件の顛末をご覧下さい。

01.やさしさに包まれたなら(荒井由実)

すっかり成長期を過ぎたホステスが
実はやりたいだけのオッサンのおべんちゃらにその気になって
リクエストを受けて歌っているような、爽やかさ皆無な歌い方に大笑い。
最初の犠牲者・荒井由実。

02.シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~(Mr.Children)

厨二病的な桜井の歌詞とスレた絢香のメンタリティは元々水と油。
両者の接点が見つかるどころか、歌い終わるまでの4分31秒の間に
ほんの一瞬も重なり合う瞬間が無かった、ある意味奇跡的な仕上がり。
二番目の犠牲者・ミスチル。

03.ロビンソン (スピッツ)

スピッツの持っている浮遊感など微塵もなく
「ひゅーーーーーーーーーっるうぁるうぁああああああーー」と
奇声にも近い雄叫びファルセットに背筋が凍ります。
三番目の犠牲者・スピッツ。

04.タユタ(RADWIMPS)

オリジナルの持っていたささやかな幸福感や不安といった感情は一切喚起されず、
「寂しいんでしょ?ねぇ寂しいって言いなよ!友達じゃん!」と
押し売りの親切心をぎゅうぎゅう押しつけられるような息苦しい曲に。
四番目の犠牲者・RADWIMPS

05. 瞳をとじて (平井堅)

男性アーティストのカバーが多いのは、絢香が体内に宿る男性を
自覚してのことなのかも知れませんが、残念ながら平井堅の内面は女性であって
女性らしい繊細さを併せ持っていなければ歌いこなせないのでした。
五番目の犠牲者・平井堅。

06.空と君のあいだに (中島みゆき)

「君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる」
飼い主を慕う犬の心情を歌にしたと言われる中島みゆきの名曲でさえ
絢香の手にかかれば「悪になる」の部分だけがクローズアップされるのです。
もう歌の最後に台詞足せばいいよ。「さぁ、震えるがいい!」とかさ。
六番目の犠牲者・中島みゆき。

07.LA・LA・LA LOVE SONG (久保田利伸)

「あ、あたしコレ得意だから~」
そんな声が聴こえてきそうな、アルバムのリードにも選ばれた曲ですが
絢香は久保田ほどのリズム感がないんですね。
軽いステップで歌う久保田に対し、こっちはドスンドスン言ってる感じ。
端的にいって、この人にはグルーヴってもんがないんですな。
七番目の被害者・久保田利伸。

08.Movin'on without you (宇多田ヒカル)

カバーというよりは完コピを目指したかのような
歌い手としてのプライドを捨てたカラオケ歌唱に唖然。
もしかしてこの曲で「関ジャニの仕分け∞」に出ようとしてんのかな?
さくらまやにも負けるで。
八番目の犠牲者・宇多田ヒカル。

09.歩いて帰ろう (斉藤和義)

斉藤和義って感情をそれほど表に出さずにさらっと良いこと歌うのに、
絢香が歌うと朝から晩まで五月蝿い選挙カーみたいに鬱陶しくなる不思議。
「ご近所の皆様、ご迷惑をおかけしております」って迷惑と思うなら歌うな。
黙れ小僧。
九番目の被害者・斉藤和義。

10.真夏の果実(サザンオールスターズ)

桑田さんの醸す枯れた純情を、こんな鼻っ柱だけ強い小娘に歌いこなせるなんざ
ハナから思っちゃいないけど、だからってこんなに合わないと
選曲したスタッフのイジメかとすら思ってしまう。
一種の羞恥プレイみたいなもんか。
十番目の犠牲者・サザンオールスターズ。

11.たしかなこと (小田和正)

大トリが一番最悪っていう、素晴らしい構成で〆。
原曲の良さも、小田さんの透明感も、なぁんにも残ってない。
ペンペン草も生えない荒れた大地に響き渡る絢香の声は
歌い手としての寿命が既に尽きていたことを改めて印象づけます。
十一番目の犠牲者・小田和正。

Amazonのカスタマーにも書いてる人いましたが
カバーアルバムだと言いながらタイトルが「遊音俱楽部」ってナメてんのかと。
確かに看板に偽り無しっつうか、遊んでるだけなんだけどさ。
絢香の脳内には、ほぼ確実に

あたしぐらいになったらただのカラオケでも価値が出んのよ。

っていう間違った自信があって、それがさらに聴く者を不快にさせる。
歌い手として未熟なまま不当に高い評価(セールス含む)を得たことで
完全に「これでいい」って思っちゃったんでしょうな。
亭主の水嶋ヒロ(齋藤智裕)が書いた処女小説「KAGEROU」にも通じる
止まることを知らない自己肥大と周囲との温度差を
ここでもはっきりと感じてしまったのですが、それって似た者同士ってことですから
夫婦としては案外上手くいってるんじゃないかと思います。

ってことで結論。
絢香はクリス・ハートの1/10も日本語が理解できてない。
悪いこと言わないから「~1st grade~」で止めといた方がいい。

●絢香のカバーアルバムは両刃の剣(社会とテレビメディア 不惑のコラム)

私はこれだけ一生懸命歌っていますよ。もっと聞いてください。
そう懇願されているような気になってくる。
私は歌手として絢香を嫌いではなく、かといって好きだということもなかったが、
これを聞いて、もうないかなと思ってしまった。
人によってはかなりイラっとくる歌い方である。

去年の暮れに小田和正の「クリスマスの約束」でゲスト出演した際
絢香は「たしかなこと」を熱唱した。
それを聞いて私は、正直なにも感じるとることができなかった。
魂がないわけではない、歌はもちろん上手である。
でも記憶に残るのはただ自分に陶酔して歌っている姿だけであった。


偶然辿り着いたブログなんですが、いちいち同意だったので紹介しておきます。

<この記事のタグ>水嶋ヒロ 黒執事 剛力彩芽 絢香 カバー ひどい 酷い 歌い方 原作レイプ カバーアルバム 傲慢 最悪 最低 駄作 名作 良作 感想 インプレッション 評価 下手 音痴 うるさい 音痴