一昨日あたりから何やら面白いことになっている土屋アンナの件ですが、
赤勝て白勝てと傍観者を決め込んで生温かく見守ろうとしていたところ
どうも世間は「土屋アンナ=漢」「主催者=糞」という図式で
ほぼ確定してしまったようで、私としては非常に気色が悪いです。

*この後出てくる情報次第では記事の主旨が変わる可能性もありますが
 7月31日17時の段階でわかっている情報を整理してみます。
 重要と思われるポイントは赤字にしました。

7月29日昼

土屋アンナが初主演を務める予定だった
舞台「誓い~奇跡のシンガー~」の公演中止が発表される。
障碍を抱えながら歌う濱田朝美の著書「日本一ヘタな歌手」
原案としたこの舞台は、8月6日から9日まで東京・赤坂の草月ホールで、
16日から18日まで兵庫県尼崎市のあましんアルカイックホール・オクトで
公演の予定だったが、土屋アンナは合計11回の稽古のうち2回しか姿を見せず
このままでは上演不可能と判断した主催者側が中止を決定。
チケットの払い戻しやホールのキャンセル等を理由に
土屋側に3,000万円の損害賠償を請求すると公式サイトで発表した。

7月29日午後

土屋アンナの所属事務所が主催者側の発表に対し「事実無根」とコメント。

7月29日夜

「日本一ヘタな歌手」の著者である濱田朝美がブログを更新。
16日に行われた「舞台の成功をみんなで祝うパーティー」会場で
土屋との対面を果たした濱田が舞台化に納得していない旨を話し
これに同調した土屋が稽古をボイコットしてくれた。
だから土屋は全くの無実なのだという内容。

7月30日

土屋の事務所と濱田の訴えに対し主催者側が反論。
「誓い~奇跡のシンガー~」は「日本一ヘタな歌手」を原案としているが
あくまでも原案であり、原作ではないこと。
原案として使用する旨は担当や弁護士も同席の上で濱田が了承していると主張。

7月31日

土屋アンナが公式ブログで「ご報告」を発表。
世間を騒がせたことについて謝罪するも詳しい内容には触れず。

7月31日

本舞台の演出を務める甲斐智陽がFacebookで反論。
濱田の記事に対しては「何故あのようなことを書いたのか理解出来ません」とし、
舞台化については代理人を通じて承認済みであることを改めて主張した。

今のところこんな感じでしょうか。
紙の契約書を交わしてなかったのかよという突っ込みよりも先に私が思うことは
何千万もかけて動いてるプロジェクトだろうに
ブログでご報告だのFacebookで反論だの、どっちもめでてーな
でありますが
今回の件はそもそもめでてー人達の中で起きたトラブルなのだと諦めて先に進めます。

私が一番気色悪いと感じるのは、土屋マンセーをぶち上げている人々が
障碍者の濱田と元ヤンの土屋の間で
勝手に麗しい友情物語を創作しているのではないか、ということです。
「スクールウォーズ」の大木と奥寺(イソップ)のような関係って言っても
最近の人にはわからんか(笑)
悪そうに見えて意外とイイ奴的なポジションを確立している土屋に対し
制作側の甲斐智陽ってのがえらい悪人面でしたから
空想に過ぎない感動秘話が勝手に暴走を始めたような違和感を感じるわけですね。
世論っていうのは真実がどこにあるかよりも感情が優先されがちですから
甲斐のルックスが「この人なんとなく悪そう」なだけで
あっという間にここまで来てしまったように思います。

で、朝のワイドショーやらネットのニュースやらで
聞き齧ってる私からすると、現段階での土屋マンセーはどうしても納得がいかん。
これから明らかになるであろう諸々の真実がどこにあろうと
「土屋アンナが主演舞台を投げ出した」事実に変わりはないわけですから。
今回の舞台、私も公式サイトで見ました。
全然面白くなさそうでしたが、そんな舞台でもキャスト紹介のページには
数十名のお名前と写真が載っていました。
土屋は(原作か原案かはまだ不確定なので)今回の舞台の原作者と主張する
濱田の訴えだけを鵜呑みにして、両者の言い分を吟味すらせず、
勝手に正義感に燃えて、稽古を放り出し、仲間であるはずの数十名の共演者や
舞台に関わる多くの関係者の収入を一瞬にしてフイにしたわけですね。

舞台やってる人達は総じて貧乏です。
そこそこ名の知れてる劇団のメンバーですら、バイトで生活の基盤を作りつつ
身銭を切って舞台をやってるなんて話を聞くぐらいですから。
今回の舞台のギャラで、ようやく家賃が払えるわーってな人だっていたかも知れない。
11回のうち2回しか出なかった稽古、残り9回はどうだったんですかね。
残りの出演者はみんな来てたんじゃないかなあ。
こんなことで無事上演できるのか、不安を抱えながら
それでも練習するしかなかったであろう他のキャストのことを思うと
とてもじゃないけど土屋アンナを漢だの正義だのなんて言えない。

舞台は皆で作っていくもの。
如何なる理由があろうと、土屋アンナは皆で作っていくことを放棄し、
正義感に駆られて自分だけがヒーローになる道を選んだ。
稽古に出ないと決めた時、舞台を楽しみにしてチケットを買ってくれた
ファンのことが、ほんの一瞬でも脳裏をかすめなかったんでしょうか。
この一点だけを以てしても彼女は最低です。
濱田が納得していないことを甲斐に訴え続けながら
立派に舞台も務め上げ、カーテンコールで「実は」と内情を暴露したというのであれば
「これぞプロ」として拍手を贈っていたかも知れませんが
こんな無責任な座長を誉め称える世間は異常です。

ここからは断片的に見えているパーツと、そこからの勝手な推察です。
まず、土屋は濱田から「この舞台、酷い原作レイプなのよ」と聞いて
稽古に出なくなったと言われていますが、今朝の「とくダネ」によると
土屋は15日に行われた3回目の稽古から既に来ていません。
「舞台の成功をみんなで祝うパーティー」は16日ですから
事実を聞く前からもう休んでたわけですね。
15日は何で休んだんですかね。
重病だったなら翌日のパーティにあんな晴れやかな顔で現れないでしょうから
土屋にとって濱田の持って来た話が「渡りに舟」だった可能性が
あるんじゃないかと疑ってしまいます。

次にクレジットが原作なのか原案なのかについて。
今朝の「とくダネ」で電話インタビューに答えていた甲斐が
ポロっとこんなことを言いました。

「いやいや、間違いなく原案ですよ。
濱田側に話を持っていった時に
向こうの弁護士に『金の話はしないでくれ』と言われたんです。
収入が発生すると困るとか何とか・・・」

私はその辺りの事情に詳しくないので間違ってるかもですが
所得が大きくなると、濱田が障碍者として得ている様々な権利
(減税や手当など)が失われてしまう、
そっちの方が困るという話なんじゃないかと思ったんですね。
もちろん、「同席した弁護士がそう言った」というやり取り自体が
甲斐のでっち上げである可能性もあるわけですけども。

ちょっと話が逸れて・・・
江戸川乱歩の「芋虫」という作品があります。
昨年亡くなってしまった若松孝二監督が
この「芋虫」を原案として「キャタピラー」という映画を作りました。
監督はけっこうなんでもぶっちゃける方でして
「キャタピラー」についてもパフレットやインタビューで
色々と裏話を披露しています。
監督は最初「芋虫」を映画化したくて乱歩の末裔(笑)に
話を持っていったところ、法外な権利料を請求されたために止むなく改変し、
「芋虫」を原案とした「キャタピラー」を作ったらしいです。
決して褒められた話じゃありませんし、当時はけっこう叩かれましたけど
その時に初めて「原作」と「原案」については
こんなにも差があるんだと学習したんですね。

仮に濱田が原案という条件で舞台化を認めたのであれば
改変されていようが引き受けなくてはならないし
そのことを聞いた土屋アンナが稽古をすっぽかすなんてのは論外。
百歩譲って、濱田が原作者として契約を交わしていて
改悪ぶりにはらわたが煮えくり返る思いをしていたとしても
そこは原作者と製作者の間で解決する話であって
舞台を務め上げることが責務である土屋が
後先考えずにちゃぶ台返していいわけない。
プロジェクトに関わった人数やお金やファンのことを考えずにやったというならただの馬鹿。
そんな土屋を持ち上げるなんてどうかしてるぜ、というわけです。

8月1日昼

★土屋アンナ舞台騒動
 原作者の代理人が舞台化に許可していたことを認める


浜田さんの代理人の弁護士は日刊スポーツの取材に
「制作側に『舞台化に異議はない』と伝えていた」と、舞台化を認めていたことを明かした。
不本意ながら承認するということで、舞台化もやむを得ないという認識だった。
文書ではなく、口頭でした。浜田さんも舞台化に反対であれば、
7月16日のライブに出ることはないでしょう」と話した。
「浜田さんのブログの発言は、一方的に舞台化が進んだことへの思いを
書いたものだけれど、的確ではないかもしれない」
と話した。


★舞台中止騒動の発端は台本…土屋アンナ、主人公の死に不信感

原作と大きく異なる内容に土屋は疑念を抱くようになった。
台本を開くと「原案」として、濱田朝美「日本一ヘタな歌手」(光文社)と書かれてある。
主人公の名は濱田さんにそっくりの「浜口朝子」だ。
このままでは本番に向かえないと思った土屋は
「濱田さんの許可がないなら出演できない」と17日以降の稽古参加を見送り、
主催者から「許可をもらった」という連絡が来るのを待った。
そんな中、29日になって突然、土屋の稽古不参加を原因とした
公演中止が主催者側から発表された。
とはいえ、主催者側は濱田さんの自伝を原作者の許諾が
絶対に必要とはいえない「原案」にしている。
チラシに濱田さんの名前を使ってPRしていることもなく、
法的な意味で高橋氏側に問題はなさそうだ。

ただ、濱田さんへの一連の対応に土屋が疑念を抱くのは
心情的には理解できるだけに、騒動の早期解決は難しそうな気配だ。


★100枚チケット売れ 出演者にノルマも

今回の舞台では、出演者にチケットを売るノルマが課せられ、
多い人では100枚だったという。チケットは7000円、8000円の2種類。
出演者によると「オーディションで出演が決まった時点で、
ノルマが達成できない場合は自腹で買い取ることを承諾するサインをした」という。
募集要項にも「チケットノルマ、チケットバックあり」と書かれていた。


はい、続報が出ました。
確かにけっこうな改悪があったっぽいですね。
「RENT」や「ドリームガールズ」みたいに
音楽劇にドラッグとか死ってのはつきものですから、
刺激的なエピソードを盛って派手にやりたかったのかもね。
ましてや主演は土屋アンナなんだし。
(↑ここ、けっこう重要だと思うんだよねえ)

で、これだけ読んでもやっぱり土屋アンナが
全てをパーにして良い理由にはならない、と私は思います。
むしろ、

・渋々であろうが代理人が許可を出していてその事実を認めている
・脚本には原案とクレジットされ、PRにも原作者の名前は使用されていない

この問題が安っぽい感情論には左右されない法廷に持ち込まれた場合
土屋アンナ側が圧倒的に不利とお見受けしましたが、どうでしょうか。

あとね、スポニチは土屋アンナの事務所と何か取り引きあるのか
擁護記事ばっかり上げてますけど、舞台の出演者にチケットのノルマがあるなんて
珍しくも何ともないですよ。
ノルマ未達の場合は自腹で買い取りなんてのも良くある話。
何も強制的に出さされたわけじゃなし、オーディションを受ける段階で
ノルマに言及してるんだから、嫌なら出なきゃ良かったじゃん。
名を売るチャンスになると踏んで、例え自腹切ってでも出たかったわけでしょ?
だったらその話はそこでお終い。

さて、この後どう流れていくんでしょうか。
もう少し追ってみますよ。

8月1日夕

★舞台化の契約が口約束だったのは濱田が自己破産申請中のため

4月に濱田さんと代理人弁護士に会った際「口頭で舞台化の許可を得た。
弁護士も『障害者の力になるならぜひお願いします』といった」と強調。
濱田さんが自己破産申請中のため、サインできないといわれた」と
契約書に承諾の署名がないことも明かした。


昨日の段階では障碍者手当が減額されることを考えて
敢えて口約束(金銭の授受もなし)にしたのでは?と書きましたが、
濱田の自己破産申請が事実であるなら、原案であることも口約束であることも合点がいきます。
何がどうなって自己破産に至ったのかを追っていけば
濱田周辺からまだ色々と埃が出てくるんじゃないでしょうか。

8月2日

★“公演中止”土屋アンナ、舞台制作過程の全容
★土屋アンナ舞台中止 原作者側が再反論

7月16日に濱田さんから相談を受けた土屋が、
製作側に「原案の作者の方に万全の配慮を」と訴え、
舞台稽古の欠席を続けたことに対し、製作側が7月29日に公演中止を決定した問題。

また、これまでに土屋の関係者が、土屋が舞台稽古復帰の条件に
「濱田さんの同意書」を求めていたことを明かし、甲斐監督も、
7月下旬に濱田さんの代理人に同意書を求めたことを認めている。
しかし、同関係者によると濱田さん本人は「土屋アンナさんの主演だから
同意したのに、アンナさんが納得してないのであれば同意できない」として、
同意を見合わせたという。


土屋「原作者が納得してないから稽古出ません」
濱田「アンナさんが納得してないから同意しません」
なんだこの漫才コンビ(笑)

甲斐が濱田に対して人格攻撃とも取れるエントリーをFBにアップしてすぐ消したとか
土屋のマネージャーをしている土屋の母親が「前から変な人だった」と
助け舟にもならない途中参戦で余計に引っ掻き回したりと
出て来る出てくる「どっちもどっち」な展開ですが、
16日に濱田から話を聞き、翌日から稽古を休み始めたという土屋側の主張が、
15日からもう稽古を休んでいる事実と噛み合っていない事実に変わりはありません。

今日放送された「ハピくるっ」の中で芸能レポーターの武藤まき子が
「15日の稽古の日には、『なんかテンションが上がらないから』という理由で
稽古を休むと連絡があったらしい」
と言ってました。
他にも「他のキャストはもっと前から連日練習していたのに、
土屋さんはスケジュールが忙しいから11回しか稽古に出れない。
それでも良いならという条件で出演をOKした」なんてのも。
私もこのニュース聞いた時にすぐ思ったんですよねえ。
お世辞にも芝居の上手くない、経験自体多くない土屋アンナが
舞台ってだけでも大丈夫かって話なのに、稽古がたったの11回?って。

土屋の言い分を馬鹿正直に信じるならば
「濱田の了解が得られればいつでも練習に復帰する」ってことだったんですよね?
全11回の稽古のうち残り6回とか3回とかしかなくても
土屋は見事に主演を務め上げる自信があったんでしょうか。
この人、そんなに上手でしたっけ。
宮沢りえじゃあるまいし。