東京国立博物館(以下、東博と略記)で昨秋開催された特別展「京都・南山城の仏像」展で拝観叶った仏像を取り上げるシリーズ。
8回目となる今回は、禅定寺の文殊菩薩騎獅像を取り上げる。

※写真は全て現地で購って来た図録より

禅定寺には、前回(第72仏)紹介した本尊の十一面観音立像をはじめ、6件7躯の重文指定を受ける仏像が伝わっているが、本像もそのうちの1躯。
いずれの像も、同時期の作で、同系統の仏師の手になるものとされている。

獅子の上で半跏し、一方の足を踏み下げる、写実的でおとなしめな印象を受ける文殊菩薩と、デフォルメが効いて派手めな印象の獅子。その対比が面白い。
個人的には、特に獅子が気に入っていて、浅く彫られたゼンマイみたいなタテガミ、これでもかってくらい広がった獅子鼻など、惹かれるところ大であった♪

 

【拝観の記録】
木造文殊菩薩騎獅像/重文/京都・禅定寺蔵
平安時代・10世紀/像高=57.3㎝/木造・彩色
拝観日:2023年10月5日
於:東博「浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念特別展 京都・南山城の仏像」