今年(2023年)の3月~5月、東京国立博物館(以下、東博と略記)で開催されていた「特別展 東福寺」で拝観して来た仏像を取り上げるシリーズ。
ラストを飾るのは、京都・万寿寺からお出ましだった金剛力士立像である。

※写真は、展覧会で購入した図録より

万寿寺はかつて京都五山の一つ(第五位)に数えられたが、明治時代に東福寺の塔頭となっている。

その関係で、この金剛力士立像2躯も、現在は東福寺の光明宝殿(文化財の収蔵庫だが非公開)に普段安置されているようだ。

とにかくかっこいいお仁王様である。
仁王界でも屈指の見映えのよさではなかろうか。
江戸時代の地誌『山州名跡志』では、運慶作との記述があると云うが(当時は三聖寺第一の門に安置されていたものが、明治初年の三聖寺廃絶に伴い万寿寺に移されたのが本像である、と考えられているようだ)、それも頷ける見事な出来栄えのお仁王様。
本展覧会は、大寺院を扱うという内容・規模のわりに、仏像の出陳は少なかったように思うが、わたしの本展NO.1仏像は間違いなくこの金剛力士立像2躯であった。

 

【拝観の記録】
木造金剛力士立像/重文/京都・万寿寺蔵
鎌倉時代・13世紀/阿形:203.0㎝、吽形:207.3㎝/木造
拝観日:2023年3月10日
於:東博「特別展 東福寺」