東京国立博物館(以下、東博と略記)で本年(2023年)1月~3月にかけて開催されていた特別企画「大安寺の仏像」展で拝観した仏像を取り上げるシリーズ。
第二弾は、不空羂索観音立像である。

※写真は全て展示されていた実物。本展は写真撮影が可能であった。

前回紹介した四天王立像もそうだったが、本像も八臂のうちのほとんどが後補であるため、当初の正確な造形や尊名も不明であると云う。
特に脇手は、いかにも「後で補いました」といった感じのアンバランスさでニョキニョキ生えている。。

しかし、その稚拙な感じが味わいと取れなくもない、、かも?
今回の展示では、その脇手のつなぎ目などを、側面や背面からじっくり拝見できたのも、個人的には見所であった。

柔和な表情が魅力的な、アルカイックな名仏である。

 

【拝観の記録】
木造不空羂索観音立像/重文/奈良・大安寺蔵
奈良時代・8世紀/像高:189.9㎝/木造
拝観日:2023年2月17日
於:東博・特別企画「大安寺の仏像」展