石田三成は、戦国時代を描いたドラマでは欠かせない存在の一人ですね。
不思議なことに、どんなドラマでも三成像は見事なまでに一致しています。
・秀吉に対する、絶対的な忠誠心
・律儀
・秩序やルールを極端に重んじる
・物事をハッキリ言う
・他人の忠告を聞き入れない
・清廉潔癖
見事なまでの、官僚タイプです。
ですが、三成が太閤検地などの内政を取り仕切ったからこそ、戦国末期の混沌とした秩序が整理され、のちの徳川幕府の世に引き継がれたことも事実です。
全国統一は、武力で統一しただけではまだ半分。
秩序を整え、人や物の動きを整え、庶民が安心して暮らせるところまで持って行くのが、大切です。
もちろん、三成はそれが「豊臣の世」と信じていたと思います。
「へうげもの」では、三成は表にあらわされた意がすべて、と考える人物として描かれています。
ストレートな物言いは、同じことを言ったとしても、他人を傷つけ、反感を買うことが少なくありません。
どんなに正しいことを言っても、「三成の言うことは聞きたくない!」と。
それが、関ヶ原の戦いへとつながってゆくのです。
関ヶ原の戦いで敗れ、山中を敗走する中で三成は自分の真の姿に気づきます。
心の弱さを隠そうとして、逆に強がっていたことを。
そのことを認めるのが、怖かったことを。
それを癒してくれるのが、侘び数寄の文化であることを。
含みを持たせた物言いは、ゆとりを生じます。
それが、相手に対して安心感や信頼感を与えます。
そのことに三成が気づいたのは、処刑っされる直前のことでした。
大阪・法善寺横丁