前号の映画を見た翌日にも、映画を見に行きました。今度は「最後の乗客」。上映劇場は、仙台のチネ・ラヴィータだけ。しかも上映期間は一週間のみ。配給会社がまだ決まっていないのかな…。

 仙台でロケを行い、東日本大震災の被災地ともあって、地元の皆さんの関心は高いようです。その日私が劇場に着いたのは、開場10分前。窓口には既に列ができていて(他の映画を見に来られた方も含まれているのでしょうが)、私が券を購入した頃には残り5、6席くらいに。開演前に場内は満席となりました。たぶん時間ギリギリに来た方は、完売して入れなかったのでは…。

 

 堀江貴監督、主演の岩田華怜さん(元AKB48)は宮城県出身。東日本大震災からの10年後を舞台に描いています。

 タクシーが駅前で客待ちをしている冒頭の場面。テロップに「東北のとある街」(確かこんな文面だったかと)とありましたが、映像ではしっかり「荒井駅」のプレートが映っていました。

 他の映画作品と比べ、設定場面もさほど多くなく、特殊撮影もない様子。登場人物も6人で、他にラジオDJの声とエキストラの皆さんだけ。上映時間は55分と、普通の映画の半分。しかし、内容はとてもよかったです。

 タイトルの「最後の乗客」を見ると、サスペンス満載のように思えてしまいますが、実は家族愛、特に父娘愛がテーマの物語です。でも気になるのはやはり、「最後の乗客」とは誰のことか。それも当然、物語のなかで明かされていきます。制作費等を見れば(実際はわかりませんが、他の映画と比べると圧倒的に少ないように思えます)、大したことのない映画と思われそうですが、内容はすごくいい映画です。上映時間が他の半分ですが、同じ料金を払っても、十分満足してもらえる作品だと思います。是非、全国で公開してもらい、多くの方に見てもらいたい映画です。

 

 前日に見た「ゴールドボーイ」に比べれば、入場者数が大きく違い、また内容も全く違います。「ゴールドボーイ」では恐怖心をあおられ続けましたが、この「最後の乗客」は、心温まる物語でした。

 

 

 

《今日の心が動いた》

 最も恐るべき敵は自身の揺れ動く心

        アメリカ合衆国の作家/ヘレン・ケラー