待ち望んでいた映画の上映が、やっと仙台で始まりました。その映画を昨日、見てきました。

 

題名は、「島守の塔」。国内で唯一の地上戦となった沖縄で、知事の島田叡(あきら)と警察部長の荒井退造が、戦況に翻弄されながらも、県民の命を守るため奮闘します。もちろん、史実に基づく作品です。

 

昭和16年1月8日、陸軍大臣だった東条英機が発した訓令「戦陣訓」

『生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず、死して罪過の汚名を残すこと勿(なか)れ』

と、「神風が吹く」のセリフが、この作品にたびたび出てきます。これは当時の国民の常識となっていきます。

この戦陣訓はもともと、日中戦争の際の前線兵士に対するもので、これを民間人にまで強要したことにより、玉砕の意識を根付かされたのかもしれないと思うと、たまらなくなります。

誰もが国の為に命を捨てるのが当たり前と言われた時代、そのような状況下でも「生きろ!生きてくれ!」と叫び続けた、島田知事らの勇気と行動には涙しました。

 

作品のなかには、当時の映像が多数含まれています。その映像を見ると、今のウクライナの状況と重なり、胸を締め付けられます。

戦争は理不尽なことばかりです。医療施設撤退時に動けない怪我人を毒殺。壕にやっとの思いで逃げ込んだ県民を、保身のために追い出し、壕を占拠する兵士。・・・。このような悲惨な戦争を経験をした当時の若者が、戦後の環境変化を迎えた時、「何が真実で、何を信じたらよいか」と悩むのも、無理はないことだと思います。戦争は物理的な損失ばかりではなく、精神的損失も大きいのです。とにもかくにも、いかなる理由があるにせよ、戦争は不幸をもたらしても、誰一人、幸福にはなれないのは、誰もが認めることだと思いたいです

 

史実であり、何度もこのような映画やドラマを見てきましたので、全体の流れや当時の悲惨な状況などは、それなりにわかっているつもりです。しかし、反戦は重要なテーマであり、現に今、ウクライナ等でも戦争が起きています。反戦を意識し続けるためにも、常にこのような作品には触れていかなければいけないと、私は思っています。

 

毎度のことですが、今回も号泣してしまいました。

 

 

 

《今日の心が動いた》

良き時代は天から降らず自ら創り出すもの

      ロシアの作家/フョードル・ドストエススキー