阿部寛之のブログ

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お久しぶりです♪

約2週間ほど空けてしまいましたが、
この2週間、本当に良い学びと刺激を得てきました。

ちょっと北の方の観光まちづくりの実例調査に携わらせて頂いたんですが、
私が理想としている、「人による観光まちづくり」の成功例に出会う事ができ、
本当に濃密な時間を過ごすことができたと実感しています。

観光まちづくり・・・

多くの研究者の口からは、物質的なインフラ整備を求められます。

当然、経費や予算を立案し、見込みをデータに落とした上で、
その観光地のPR活動に全霊を注ぐようなカタチになるのですが・・・

その観光地が特徴的だったのは、
何よりも地域住民の観光に対する意識の高さと、
その街のコンセプトを誇りに思い、活かしたいと思う気持ちでした。

コンセプトは私も推奨するところではありますが、
その内容によってはかえってターゲットを偏らせ、
一定の市場にのみマッチする観光地になるような気がしてなりませんでした。

当然、それでは”舞浜の怪物”や、一流観光地と同じ数字を見込むことはできません。

しかし、そんな莫大な数字を見込む必要自体、最初から無かったのだということを学びました。

誰しも、美味しいお酒があればコップに何杯も入れておかわりしたくなるものです。

しかし、そんなにたくさんのお酒を飲めば、当然体にダメージが蓄積して、潰れますね?

観光マーケティングを分かり易く言えば、
そんなコップと美味しいお酒の例えなのかなと考えてもみます。

コップの大きさやカタチ、色はそれぞれ違う。
美味しいお酒という名の、消費の大きな市場のニーズはもちろん欲しいです。
しかし、そのコップに見合う量で飲まなければいけません。
もちろん、おかわりも無しです。

そのとき大事なのが、自分たちの持ってるコップがどんなコップか。
それを的確に理解していることだと考えます。

万人を受け入れる能力があって、大量のお酒を入れることができるコップ。
まぁ、例えれば巨大ビールジョッキですね。
べつにビールじゃなくても、ハイボールでもなんでも、ほとんど対応できます。
言ってしまえばソフトドリンクを入れても、美味しく飲めるでしょう。

しかし、ビールジョッキはビールジョッキ。
その巨大な容量が、かえって個性を失います。

しかし、例えばカクテルグラスはどうでしょうか。

ビールなど注いでも、なんの魅力も感じません。
ソフトドリンクでもダメでしょう。
たくさん飲みたい人が、カクテルグラスを利用することはまず無いと思います。

しかし、そこに洗練されたXYZなどを注げば、
一気にビールジョッキを抜き去る魅力を持ちますよね?

もちろん、量では絶対に勝てません。
しかし、そもそも勝とうとする必要が無いんです。

カクテルグラスにはカクテルグラスの良さがある。
その良さに入れるのは、やっぱり少し強めの美味しいカクテルが良い。
雰囲気もお店にマッチしてるし、お客さんだって、その方が喜ぶに決まってる。


・・・・・

すいません。

徐々にわかりにくくなっているような気がするんで、
この辺でグラスとお酒の例えは締めくくりますが・・・

とにかく、その町の個性(コンセプト)を活かすために、
選んでいかなければならないものもある。

そして、コンセプトに合わないものを、無理に入れる必要が無いという、
新しい意識を得ることができました。

今後、新たな街と出会うたびに、コンセプトに焦点を当てて、
その街の色や形を捉えていきたいと考えます。

それは、たとえ些細な事でも構わないと思うんです。

大事なのは、綺麗にして、大量に集客して、利益を創出することではない。

その街の光を、

本当に大切なものを見抜き、活かすこと。

そこから、他の何にも代えがたい輝きを見出していくことこそ、

観光まちづくりの冥利ではないだろうか。

そんな考えを得た2週間でした。