生徒さんが教えて欲しいことと、先生が教えたいこと、

必ずしも一致するとは限らない、ということもあると思います。

 

生徒 『ビブラートを教えて欲しい』

先生 『まだ無理。もう少し音程がよくならないと‥』

 

生徒 『3ポジを教えて欲しい』

先生 『まだ無理。1ポジをきちんとマスターしてから』

 

生徒 『重音の音階を教えて欲しい』

先生 『まだ無理。単音の音階が弾けるようになってから』

 

きっと生徒さんは、ご不満でしょうね。

 

バイオリンのレッスンは、義務教育ではないので、

1年生のお勉強がきちんと身についていない方に、

2年生のお勉強を教えることは、私はしたくありません。

 

2年生のお勉強をしたいのなら、

まず、1年生で身につけるべきことをきちんと習得して欲しいです。
きちんと習得できないまま、進級しても、
あまり吸収できないだろうなあと思うからです。

 

欲しい物があるのなら、それを受け取れるだけの器を用意してください。
一朝一夕にはできませんが、
少しずつ着実に作っていくためのステップが、
目の前にあるはずです。

 

生徒さんが、『教えてくれない』と嘆いている頃、
先生は、『受け取ってくれない』と嘆いているかもしれませんよ。

 

先生によって、レッスンの方針は様々ですから、
何でも要望に応えてくれる先生もいらっしゃるかもしれません。
その方が生徒さんに喜んでもらえますものね。

私は、頑固で融通が利きませんから、
『ダメなものはダメ。以上。』 です。

 

でも、可能性を感じる子には、

ちょっと大きな課題に挑戦してもらうこともありますし、

生徒さんによって、レッスンの進め方はいろいろです。

 

先生というお仕事をしている方は、

たくさん、いろんなタイプの生徒さんを見てきていますから、

生徒さんご自身は気が付かないことが、

見えたり、聞こえたり、感じたり、気になったりするものです。

その上で、課題を提案しているのだということを、

ちょっと心の片隅に置いておいてくださいね。