またまた高尾の続きです。
昨秋、トンボを撮りにきたところに来てみました。
1匹のサカハチョウが夢中になって吸蜜中。
翅の表裏が撮れ、じっくり観察もでき満足です。
〈先週読んだ本〉
卓球の世界は今でこそ中国の独壇場。
ただし中国が台頭してくるのは1960年代。
1950年代は日本が世界に冠たる地位を占めていた。
その時代を引っ張ったのが荻村伊智郎。
本書は荻村の半生を綴ったノンフィクション。
高校で卓球を始めて5~6年後には世界チャンピオン。
引退後には周恩来とのパイプを生かし、文化大革命後で国際的に孤立していた中国の世界選手権復帰に奔走。
国際卓球連盟(ITTF)の会長になった後も、(南北)朝鮮統一チームを実現。
次期IOC理事候補となったが62歳で死去。
こんな日本人がいたのか?
と思うような凄い人物なのに全く知らなかった。
ただ、人間的にはかなり付き合いにくい人だったようだ。
自分に対する厳しさは尋常ではなかったが、他人にも同じ厳しさを求める。
自己中心的で独善的。
真の仲間はいなかったのではないか。
それくらいでないと大きな事はできないのかもしれないが・・・。
しかし、そんな荻村を高校生の時から亡くなるまで暖かく見守り、支援し続けたのが上原久枝女史。
母子家庭の荻村に高校時代から毎晩のように夕飯を食べさせる。
ロンドンでの世界選手権参加の際は、お金のない荻村のために募金活動をして渡航費を捻出。
赤の他人にここまで献身的に尽くせる人はいないだろう。
荻村伊知郎の数々の偉業は上原久枝女史なくしては語れない。
本書は上原久枝女史の半生記でもある。