2月1日に見に行ったダンスと演劇、今頃なんですけど一応、行った順にレポというか記録残しときます。
やっぱ、見たその日か、せめて翌日ぐらいには書いとかないと、いっぱい忘れてる。もう思い出せない。なんで、ほんと、記録情報でしかありませんが、後から思い起こせるように(時間経つと、観に行ったことも忘れたりするんで)書いておく。

 

 

手裏剣

 

まずは、横浜ダンスコレクション2020 Cross / Real / Identity (2020年1月31日~2月16日)より、下記2公演を見てきました。

 

■スー・ヒーリー 『ON VIEW:Panorama』 (世界初演)
期間: 2020年01月31日(金)~02月02日(日) 
会場: 横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール

http://yokohama-dance-collection.jp/program/program01/
振付・演出・映像:スー・ヒーリー
出演:浅井信好、湯浅永麻(日本)、ジョゼフ・リー、ムイ・チャック-イン(香港)、ナリーナ・ウェイト、ベンジャミン・ハンコック(オーストラリア)

 

『ON VIEW』シリーズは、振付家・映像作家のスー・ヒーリーと日本、香港、オーストラリアのダンサーとクリエイティブ・スタッフたちによる国際共同制作プロジェクトであり、ライブ・パフォーマンスと映像インスタレーションによるジャンルや文化の垣根を超えたマルチ・メディア作品です。
ダンサー自身と映像の中のダンサーとが交錯するこの作品により、「見ること」と「見られること」のダイナミクスについて、また取り巻く文化によってカラダはどんな影響を受けるのかという問いに取り組んできました。
そして今回の『ON VIEW:Panorama』では、ダンサーのポートレートと個人のアイデンティティーとの関係性のあくなき追求から、ダンスと映像をシームレスにつなぎ合わせました。それによりパフォーマンスするカラダが消えない痕跡をどう残すのかを明らかにしていきます。

 

 

ステージナタリー 特集・インタビュー 2020/1/29 (取材・文 / 乗越たかお)

 

 

今回の公演より先立つこと一年前、横浜ダンスコレクション2019として「スー・ヒーリー ビデオ インスタレーション『ON VIEW』ダンス・アーティストのポートレート」というビデオインスタレーションとトークイベントがあって、わしも参加しました。
今回のダンスイベントは、その延長にあるもの。(経緯はこちら→https://taci.dance/onview/liveperformance/)

前回は各国のダンサーがそれぞれの『ON VIEW』をビデオ上でパフォーマンスしていたのだが、今回はその中から選ばれた6人によるダンスパフォーマンスライブ。
彼らのプロフィールは今公演の上記公式サイトにあるので省くが、いろんな国籍の、いろんなバックグラウンドをもったダンサーだった。男女比はちょうど3:3。

 

結論から先に言うと、すごく良かったです。
見ごたえもあって、何より、ダンサーがプロフェッショナルで、上記の作品意図は見事に表現されていました。欠けているものも余計なものも一切なかった。この横浜レンガ館というハコのサイズにあった、シンプルかつ洗練された作品でした。衣裳とか演出とか、すごく洗練されていて、かといって過剰ではなく。やっぱ、「舞台作品」なんだから、そういう日常とある程度かけ離れた演出は欲しいわけですが、今公演はそれをちゃんと満たしてくれてました。

 

開場前にスー・ヒーリーから今回の企画の簡単な説明があって、会場に案内された。ちなみに、会場を待つロビーでは、ハラ・サオリさんとか、他にもちらほらプロのダンサーさんの姿を見かけました。
会場内には出演ダンサーたちがすでにスタンバイしており、観客は最初の10分ほどは席につかず、ダンサーたちが映像の装置の前で軽くパフォーマンスをしているすぐ近くを取り囲んで手に届く距離で鑑賞。席に着くよう合図があると、観客は一斉に舞台から座席に移動。
パフォーマンスの流れは実はよく覚えていなくて、一人づつ出て踊ったり、二人セットで出てきたり、あるいは全員が揃って踊ったりと、パフォーマンスの流れに変化があって飽きなかった。
今回は映像とのコラボなのだが、映像作家であり振付家のスー・ヒーリーがすべてを演出しているので、映像は背景や単なる舞台装置ではなく、パフォーマンスの一部に組み込まれ、効果的に使用されていた。ダンサーの動きと映像の中のダンサーの動きが連動していただけでなく、スクリーンそのものがダンサーと共に移動したり、とても有機的に扱われていた。
照明の使い方も上手くて、後半、スモークを散らして舞台奥から照らす演出も雰囲気出ていた。

あと、ダンサーですけど、皆さん実力者揃いでそれぞれの個性が強くて、かつ何度も言うけどプロフェッショナル。若ければいいってもんじゃない。今回の出演者の中で一番知っているというか、何度もそのパフォーマンスを見たことがあるのが湯浅永麻さん。バレエベースのコンテンポラリーダンサー。今回はわりとエモーショナルなダンスやった気がする。あと、強烈だったのが、ベンジャミン・ハンコック。実際に開演前からロビーでドラァグクイーンの格好で練り歩いてたのでダンサーゆうよりパフォーマーなのかなと思ってたら、蓋を開けたらがっつりバレエダンサーのそれでびびった。

 

わし的に一番気に入ったというか、印象に残ったのは浅井信好さん。舞踏家なんだけど、コンテやっても何の違和感もなく。経歴見て、もとはストリートダンサーだったと知って納得。鈴木ユキオさんとか、岩渕貞太さんとか、一つのダンスだけじゃなくて、他の種類のダンスやって、かつそれを極めていって、結果的にコンテやってる方のダンス、かなりの確率で好きになります。
元々コンテ好きになったのは、スタイルばっちりの欧米人によるバレエ系コンテンポラリーダンスが入口なんだけど、それはそれで美しくていいんだけど、意外とガツンとくるものがなくて物足らなさというのを何となく感じる部分はあって。鈴木さんとか岩渕さんとか、あと勅使河原さんもそうだけど、派手ではないけど確実に彼らにしかできないダンスを見せてくれるので一目置いてる存在ですが、浅井さんもその中の一人になりました。要チェック。

 

浅井信好

舞踏家・振付家。ストリートダンサーとして国内外のコンテストで優勝。SMAP、浜崎あゆみ、サカナクション等のバックダンサーや振付を担当。2005年~2011年まで山海塾に所属。2016年までパリを拠点に活動後、帰国。名古屋にダンスハウス黄金4422を設立。これまでに35カ国150都市以上で公演を行っている。

 

(関連リンク)
http://voiceofjapan.co.jp/artists/asai.html

http://www.tedxanjo.com/speaker/nobuyoshiasai/

https://tsukiakari-theater.jp/profile.html

http://nobuyoshiasai.lolipop.jp/#id1

 

ON VIEW: Japan - Nobuyoshi Asai from JUDD OVERTON on Vimeo.

 

 

手裏剣

 

■ダンスコネクション
期間: 2020年02月1日(土)~02月02日(日) 
会場: 横浜にぎわい座 のげシャーレ

http://yokohama-dance-collection.jp/program/program02/


1.大森瑶子 『甘いの、ゾルミ』(世界初演)
振付:大森瑶子
出演:大森瑶子、木村素子、越戸茜

 

大森瑶子
横浜ダンスコレクション2019コンペティションⅡで最優秀新人賞を受賞、切れ味のよい踊りに定評があり、その動きから生まれる個性的なテクスチャーが観客を魅了する大森瑶子が、「薬、不幸依存症」をテーマに創作に挑む。自分にとって何の害ももたらさない優しい薬、その優しさだけでは満足できず棘があり苦しいものを求めてしまう依存に纏わる心のありようを描く、現代と共鳴しあう意欲作。

 

2.マリオ・ベルムデス・ヒール 『DUET ALANDA』(日本初演)
振付:マリオ・ベルムデス・ヒール
出演:マリオ・ベルムデス ヒール、キャサリン・クーリー

 

マリオ・ベルムデス・ヒール(Mario Bermudez Gil)
スペインのグラン・カナリア島で毎年開催の国際ダンスフェスティバル MASDANZA(2018年)にて振付部門最優秀賞を受賞、Certamen Coreografico del Distrito de Tetuan 2017でベストダンサー賞を受賞したマリオ・ベルムデス・ヒールの初来日公演。マリオ(振付家)の故郷スペイン・アンダルシア地方の伝統とキャサリン・クーリー(ダンサー)の故郷アメリカのフォークロアの動きの糸が交差し、柔和と緊張、平穏と混沌が繰り返す。絶妙な間合いとともに全てが独自のムーブメントに昇華する瞬間に、過去や現在を超越した永遠の時空が広がっていく。

 

 

 

個人的好みでいうと、大森さんの作品は幼いというかアマチュアの印象で最後まで好きにはなれませんでした。作品のテーマは後から知ったけど、だからといって、あ、そうなのか、とかもならず。ヒップホップ的振付だから尚の事、ゾクッとする部分が欲しかったし、カタルシス感じる部分が欲しかった。若いだけに動きというか運動量は凄かったのだけど、動きの激しさほどにはたいして迫ってこなかった。あの演劇的構成も間延びした感じがして。もう少し短い時間で、なんなら15分程度で駆け抜けるように、踊りだけで見せてもよかったんじゃないかと思う。

マリオ・ベルムデス・ヒールの作品は対して「大人」。変にテーマ性とか、物語性とか、アートとかしゃらくせえものにこだわってなくて、純粋にデュオの舞だったんで、わし的には見れた。作品としてのインパクトはなかったので、単体でまた見たいかというとそうでもないけど、「ダンサー」としては成熟しててテクニックがあって、そこが好き。こういうカップルでの演目には別の意味で最近興味を持ってるので、まあ、「大人」の成熟したプロのダンスが見れたのは良かった。

 

 

手裏剣

 

そしてダンスではなく、めずらしくこちらの演劇を鑑賞してきました。

 

■「アルトゥロ・ウイの興隆」
期間: 2020年01月11日(土)~02月02日(日) 
会場: KAAT神奈川芸術劇場

https://www.kaat.jp/d/arturoui

【作】ベルトルト・ブレヒト 【翻訳】 酒寄進一
【演出】白井晃 
【音楽・演奏】 オーサカ=モノレール 【振付】 Ruu 
【出演】草彅剛
松尾諭 渡部豪太 中山祐一朗 細見大輔 粟野史浩 関秀人 有川マコト / 深沢敦 那須佐代子 春海四方
小川ゲン 古木将也 小椋毅 チョウヨンホ 林浩太郎 Ruu   Nami Monroe   FUMI 神保悟志 小林勝也 / 古谷一行

 

2020年1月、KAATでは、芸術監督・白井晃演出の新作舞台公演として、ドイツ演劇の巨匠ベルトルト・ブレヒトの大作『アルトゥロ・ウイの興隆』を上演します。
本作品は、ヒトラーが独裁者として上り詰めていく過程をシカゴのギャングの世界に置き換えて描いた問題作に、ファンクミュージックを散りばめた斬新な演出で挑む白井の意欲作で、主演には草彅剛を迎えます。
白井と草彅が初めてタッグを組んだ舞台『バリーターク』(2018年)以来、KAATには2度目の主演となる草彅は、今回シカゴのギャングに扮し、エンターテイナーとしての魅力を最大限に発揮します。

【あらすじ】シカゴギャング団のボス、アルトゥロ・ウイは、政治家ドッグズバローと野菜トラストとの不正取引に関する情報を掴んだ。それにつけこみ強請るウイ。それをきっかけに勢力を拡大し、次第に人々が恐れる存在へとのし上がります。見る見るうちに勢いを増していくウイを、果たして抑えることが出来るのだろうか・・・。

 

 

草なぎ剛が演じる独裁者に惹かれてしまう理由 「アルトゥロ・ウイの興隆」

ザ・テレビジョン【連載コラム】草なぎ剛『僕の集大成であり、僕の人生が全て詰まった舞台』と「アルトゥロ・ウイの興隆」を語る

 

 

当初、チケット入手できず、諦めていたんですけど、ご縁あって行くことができました。
最初に言っておくと、わしはSMAPファンでも、草彅君ファンでもありません。ただ、草彅君はSMAP時代のTVドラマ「僕の生きる道」シリーズが好きで、映画も2本ほど見たことがあり、以来、俳優草彅剛は好きだったのです。
まあ、その程度だったので、チケ取りもそれほど本気出さずに当然取れてなかったわけです。ただ、公演が始まってから見た人の評判が良くて、これはどうしても見たいと思うようになって、どうにかして楽の前日に見に行けました。

作品としては手放しで最高、というほどではなかった。とにかく長すぎる。わしは基本、演劇とバレエはあまり好きではありません。理由は簡単、長いからです。今回も第一部が1時間25分、休憩、第二部が1時間25分と長丁場でしたので、音楽劇にも関わらず途中居眠りしました。
ヒトラーがドイツを手中に収めるために実際に行った策略を、ギャング団のボスと町に置き換えた話になっており、ヒトラーがやったことは歴史的な例外ではなく現代でも起こりうる事態であるという、教訓的作品。
なので、どうやって人々が騙されていったのか、は丁寧に描かれていたと思うのですが、草彅君のウイが最後まで、それほど悪い人には見えなかったのが物足らなかった。もしかしたらそれも作品としての意図で、人々が心酔してしまう「カリスマ性」というのは、その人が特別な人間性や強大な能力を持っているわけではなく、策略を駆使して作られているものであって、それに人々は容易に騙されてるんだよ、という意味で、ウイの人物像の描き方をあえて腹八分にしていたのかもしれませんが。

 

今回初めて生の草彅君を見たわけですが、なんていうかやっぱオーラを感じましたね。
それも、登場した時に華を感じる、宝塚的なパーっとしたオーラではなくて、舞台が終わった最後の最後、カーテンコールが終わり、他の出演者が舞台を去って、最後に一人、舞台袖まで歩いてはけていくほんの短い瞬間、横から見た、草彅君の歩く姿のなんと美しいこと。背筋をピンとはって、去り際に美しい余韻を残していました。この人はやっぱりスターなんやな、背負ってきたものとか積み重ねてきたものとかが、こういう瞬間に零れ出るものなんやな、と感動しました。
個人的には、舞台もいいけど、また彼が主演するドラマとか映画が見たいです。

 

□モボ・モガ プロデュース『家族のはなし PART1』
【公演日程】 2020年4月24日(金)~5月6日(水・祝)
【会場】 東京建物 Brillia HALL
【出演】 草彅剛 小西真奈美 畠中洋 小林きな子 / 片桐仁
【作・演出】
<第1話 わからない言葉> 淀川フーヨーハイ
<第2話 笑って忘れて> あべの金欠

 

□映画 『ミッドナイトスワン』
出演: 草彅 剛 
監督: 内田英治(「全裸監督」「下衆の愛」)
配給: キノフィルムズ
公開予定: 未定(2020年予定)

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

アディオス! 千秋楽、無事、終わった! また、お会いしましょう! 🥦㊗️🎊🎊㊗️🥦

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