OCD(強迫性障害)という疾患を持つ人は、「やらなければ、とんでもないことが起きてしまう」という強迫観念から、儀式と呼ばれる不思議な行動を繰り返す。
OCD(強迫性障害)の疾患者は、この儀式がおかしな行動だという認識がしっかりある。
なので、学校や職場などでは儀式を全く行わないことが多い。
うちの娘も同じ。
娘の事を長年知っている友達でも、娘が儀式を行っているところを見たことがないので、娘がOCD(強迫性障害)だと信じてない子もいるくらい。
娘が医者から「OCD(強迫性障害)」と診断されたのは、娘が9年生になって、半年くらいが過ぎた頃だった。
この頃、娘は相当なストレスに押しつぶされそうになっていた。
高校生になり、大学受験のプレッシャーがかかってきた。
アメリカの大学受験は、SAT、ACTと呼ばれるアメリカ版センター試験の他に、高校4年間の成績や4年間でやった課外活動などが重視される。
うちの娘のように、テストを受ける度に究極に緊張し、なかなか良い点が取れないなタイプの人間は、テスト以外の面も考慮されるのは嬉しいこと。
だが、高校4年間の功績すべてを見られるということは、4年間頑張り続けなければならないということ。
それから、友達。
中学の頃のようないじめはなかったが、仲良くしていた子とのいざこざで、娘は傷ついていた。
そして、中学の最後の方に付き合った元彼。
別れてからのずっと、娘は、彼のわけのわからない行動に振り回された。
ある日の放課後、学校に迎えに行くと、車に乗った途端、泣き始めた娘。
学校で嫌なことでもあったのかと聞くと、
「私、おかしくなっちゃったのかな?
もう自分で自分がコントロールできなくなっちゃった・・・・。
お願いだから、病院に連れてって・・・・。」と。
今まで学校では絶対に隠し通してきた儀式が、学校でも出始めていた。

