こんばんは

ご無沙汰しています。

 

また、某行政書士から「ブログまだ~」と催促があったので・・・・

ではなくて、最近、Twitterもやりはじめたのですが、

その中のツィートで、

「最近、税理士の行政書士登録が多くて、焦っている」

との発言がありました。

 

私は、本業1本でやっていけない税理士には負けるわけがない、

と返事しました。

 

そこで、今回、同業の行政書士さん、クライアントさん向けに

ダブルライセンスについて見解を述べたいと思います。

 

私の基本的な考えです。

「ダブルライセンスは信用するな」

 

本業1本でやっていけないライセンスホルダーはダメな人と理解しています。

なぜダメかの根拠は、以下の2点です。

① 他のライセンスへの展開より、同一ライセンス内での横展開の方が合理的選択である

② 1人で2つよりも、2人で2つの方が相乗効果あり、賢明な事業者は後者を選ぶ

 

①に関して

超大雑把にいうと、

税理士・・・・税法に基づく業務

社労士・・・・労働法に基づく業務

行政書士・・・行政法に基づく業務

司法書士・・・民法・登記法に基づく業務

と、それぞれ主管法が違います。

 

ダブルライセンスは、それぞれの根拠法をまたがるということになります。

大学で法学部にいた方ならわかりますいと思いますが、

それぞれで法体系が違います。

 

つまり、違う法体系にある事業を勉強することになります。

 

一方で同一ライセンス内での横展開というのは、

同じ法体系の中で違う分野を勉強することになります。

 

行政書士でいうと、

許認可(建設業、医療関係、古物商、運輸業、宅建、警備、農地、廃棄物、車庫証明・・・)

入管関係(ビザ、帰化、婚姻手続、登録支援機関・・・)

補助金申請、融資

会社設立(登記は司法書士)

相続

債権関係

契約書作成

など、他にもたくさんあります。

許認可だけでも、全部できるわけではなく、それぞれが専門分化しています。

これらをすべてできる行政書士はいません。

 

建設業を専門にしている人が宅建業、古物商へ展開していく方が

これまで習得してきた法体系を応用するだけなので、

これまでの経験、知識を応用しやすく、習得の時間が少なくてすみます。

 

加えて、別の法体系での仕事をするということは、

10年税理士でやってきた人が税務のベテランであっても、

許認可は初心者となります。

 

さらに勉強自体もコストがかかるだけではなく、

暗黙知(業界内の常識)については、やってみないとわからず、

それを習得するのにも時間がかかります。

 

以上から、

ダブルライセンスよりシングルライセンスの横展開の方が合理的な選択と言えます。

私がダブルライセンスより横展開をしたのは以上の理由からです。

正直、横展開も2~3分野かなと思っているこの頃です。

 

②について

これは私の実体験から得たことが多いのですが、

今、社労士さんと税理士さんと司法書士さんと一緒に仕事をすることが多くあります。

いずれもシングルライセンスホルダーです。

 

全員シングルライセンスホルダーだとどうなるか。

社労士さんからは、助成金の話+補助金の話で補助金の紹介

税理士さんからは、顧問先からの相談を通じた許認可、ビザの紹介

司法書士さんからは、会社設立を通じたビザの紹介

私の方は、会社設立から社労士さん、税理士さん、司法書士さんの紹介

補助金相談から助成金に関する社労士さんの紹介

というように、皆が皆、紹介し合う関係ができています。

 

これが1+1=2の関係です。

実際は、それぞれがお客様の役に立っているということで、

税理士さん、社労士さんであれば、顧問契約の延長に結び着くといった

副次的効果があります。

 

つまり、相互に助け合うことで、本業が強くなるという効果があります。

 

さらに行政書士間でも、

ビザ、許認可、補助金、相続など主力分野が違う者同士が組むと、

仕事を融通し合えます。

当然、損になることもありますが、自分ができることは自分でやる、

できないことはお願いするというスタイルが取れると、次の場合も

相談にのってくれます。

 

以上から、シングルライセンスホルダーが融通し合う方が合理的です。

 

では、ダブルライセンスの方が有利なケースですが、

「コミュ障」、「人を尊敬できない」、「損して得取るができない」、「本業に自信がない」

人はダブルライセンスをオススメします。

 

他の事業者と関係を構築するためにはコミュニケーションが当然必要になります。

人を尊敬できない人は、人に手柄を譲ることができません。

時には損になることもありますが、それもよしと考える必要があります。

そして、他者と仕事を融通し合うということは、融通してもらった仕事に関しては、

紹介者の顔に泥を塗らないだけの仕事をしなければいけません。

 

駄文になりましたが、

これが、私がダブルライセンスを信じるなという理由であり、

ダブルライセンスを目指さない理由です。

 

ただし、法人や共同事務所で、

Aさんは行政書士、Bさんは社労士といった役割が分担されていて、

営業&事務、経費負担を共同でしているようなケースは例外です。

それは 1×2 ではなく、 1+1 の関係だからです。