仏像彫刻というものに長く向き合っていると、
これは単なる趣味ではなく、心の在り方そのものに関わる行為なのだと感じます。
木を削り、形を整え、仏さまの姿を少しずつ浮かび上がらせていく時間は、どこか祈りに似ています。
静かに、丁寧に、自分の内側を整えていくような感覚があります。
この教室に通われる仏像彫刻を続けている方は、自然と穏やかで落ち着いた雰囲気をまとっていきます。
焦っても進まないし、比べても意味がない、それを理解し体現しているのだと思います。
刃物はそんな心の状態をそのまま映します。
経験を重ねるうちに、みなさんの表情や言葉が柔らかくなっていくのを感じます。
教室に来られる方は40〜70代が中心ですが、どの方も穏やかで、思いやりがあって、人の話を静かに聞ける方ばかりです。
派手さはありませんが、仏像彫刻は人生の質を静かに底上げしてくれる趣味です。呼吸が深くなり、心が整い、物事を丁寧に扱えるようになる。
教室に通われている方々を見ていると、完成した仏さま以上に、その過程を歩む人の姿が美しいと、いつも思います。








