孫氏とミスラ氏は迅速に動き、
平均して1週間に10億ドルのペースで投資した。
フードデリバリーサービスのドアダッシュ、
ゼネラル・モーターズ(GM)などが出資した
自動運転ベンチャー企業、
インドのホテル予約サービスの
オヨ・ホテルズ・アンド・ホームズなどに資金を投じた。
当初4年をかけて投資する予定だった
1000億ドルの資金は、2年間でほぼなくなった。
ビジョン・ファンドの従業員が
25人から300人超に増えたのに伴い、
ロンドンにある本部内の緊張も高まった。
新たに入社してきた人の多くは
ウォール街でミスラ氏とともに働いていた。
従来からのソフトバンク従業員は、
彼ら新参組を「ドイツ銀行マフィア」と呼ぶようになった。
時に混乱が生じることもあった。別個の投資チームが
同じ企業に違った条件で投資することを
協議していたこともあったという。
現・旧ファンド幹部や、ファンドと話し合いをしたり、
ファンドから投資を受けたりした起業家らが明らかにした。
ビジョン・ファンドの広報担当者は、同ファンドには
「徹底的なデューデリジェンスのプロセス」があるとし、
投資を検討した新興企業の3%にしか投資していないと述べた。
昨年初め、ソフトバンクはコンサルタントと契約し、従業員とのインタビューを行ってファンドの文化や投資スタイルについて
報告書を出すよう依頼した。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が
閲覧したその資料には、
従業員がどれくらいの頻度で特定のフレーズを
口にしているかを示すワードクラウドが含まれていた。
最も頻繁に使われていた言葉には、
「rule breaking(ルール破り)」、
「secrecy(秘密)」、
「lack of trust(信用の欠如)」などがあった。
「fun(楽しみ)」や「good(良い)」といった
少数の前向きな言葉は、
「turf war(縄張り争い)」、
「hubris(思い上がり)」、
「politics(政治)」、
「posturing(見せ掛けの行動)」と
同等の頻度で使われていた。