フラット革命 | ビジネス・ブック・アーカイブ

フラット革命

佐々木俊尚 さんの最新刊(ハードカバー)。
またまた小飼 弾さんの記事(「書評 - フラット革命」) で知り購入。
この記事の中で

本書には佐々木さんの新しい名刺が同封されていたのだが、そこの肩書きにはただ一つ、「ジャーナリスト」と書いてある。

いっそこれも取っ払ってしまったらどうだろう。

とあり、当初は意味がわからなかったが、本書を読んで納得。

「公共性とは?」「ジャーナリストとは?」といった、今まで世間一般的に「認識されていた」ものの、これからの新しい世界に向けて、考えなくては、しかし結論がまだまだ出るよしもない問題が本書では提起されている。
「誰が言ったか」より「何を言ったか」という点を重視する点で、2.ちゃんは優れていると言ったのは、ひろゆき氏本人だったか?
もはや発言者の肩書だけで無思考のまま「Yes」という時代は終わりつつある。

●一点だけ気になったのが、「瑞穂さんの物語」に登場する「瑞穂さん」に対する佐々木氏の距離のとり方。
「瑞穂さん」の行いや考え方は、佐々木氏的に理解しえないのだろうが、多少なりとも同系列の属性の女性に接していれば、もうちょっと違った捉え方ができたのではないか。
私は何人か似たような女性と過去に接しており、佐々木氏ほど違和感は感じなかった。

●また、そもそもが「ネット」と言った場合に、そのまま「PCでのネット」を前提としている以上、さらに来る新しい世代(=携帯世代)のルールとのすり合わせも必要なのかも。
もはや、ユーザーにとっては、発信できないマスメディアよりも、インタラクティブなマイクロメディアの方が大事になってくるような気がする。

フラット革命
講談社
発売日:2007-08-07
おすすめ度:4.0
目次:
第1章 フラット化するマスメディア
 列車事故を撮影した市民への批判
 連載『ネット君臨』 ほか
第2章 よるべなく漂流する人たち
 瑞穂さんの物語
 転落する人生 ほか
第3章 組み替えられる人間関係
 三島由紀夫『鏡子の家』
 インターネットのクオリア ほか
第4章 公共性をだれが保証するのか
 加藤紘一の絶望
 西和彦の嘆き ほか