入門してまだ3ヶ月、しかし選手クラスで毎日、ビッシリと稽古をして来た生徒のデビュー戦が決まりました。

普通に考えたら早すぎますが、流れ的に選手クラスを引き受けた私の一存で決めました。

一定レベルの組み手が出来て礼儀作法が出来て、対戦相手や審判に迷惑かけるような事がないと判断した生徒のみ出場許可を出しました。

勿論、親子で話し合って決めてもらいました。

桃子、大将、以外は初級戦で初陣を迎えました。

組み手志向の生徒であれば、いづれは立たなくてはいけない舞台にほんの少しだけ早く挑戦するだけの事です。

ゴルフなどもそうですが、一緒に回る方々にプレーやマナーで一緒にまわる方に迷惑のをかけないレベルになってからコースに出る方が多いのでは無いかと思います。

初級戦なのでとにかく元気いっぱい一分間、動き回り大きな声を出す事を皆、約束してくれました。

生まれて初めて、自分一人で多くの人が見ている前で闘わなくてはいけません。

個人競技、コンタクト競技の人を強くする部分だと思います。

個人的な考え方ですが私は自分の子供に最初は個人競技をやらせようと考えていました。

例えばマラソンなら自分の脚を自分の力で前へ前へと進めなくてはなりません。
水泳でも、柔道でも剣道でも。
勝つも負けるも、順位も試合では全てが自己責任です。

もちろん試合迄の過程はチームワーク(仲間やスタッフの協力)の部分はあります。

団体競技の場合はコミュニケーションや勝敗に関するプロセスが大きく違います。

自力で解決する!

そこから始めました。

話が逸れましたが初級の間は勝ち負けは自分に対するもので、まだ対戦相手に対するものではないと考えています。

一人で最後までやり抜く事。との試合です。

結果、数名の生徒が入賞しました。
一喜一憂が交錯する中、皆堂々と最後までやり遂げました。

ここから選手クラスの生徒達に試合に対する意識、積極性が出て来ました。

過去の経験から参加可能な大会のクラスがあれば全ての大会の各クラスを公示しました。

その生徒の実力に合った大会であれば流派は関係なく全てOKしました。

試合熱が上がる一方でℹ︎先生との指導方針の事で話し合う事が多くなりました。

キックボクシング出身のℹ︎先生にはなかなかフルコタクト空手のルールや稽古内容などが把握出来ないようでした。

初級クラスでスタートした生徒の中でも大会を目標とする生徒の大半が選手クラスとの掛け持ちになり、やがては選手クラスにしか出て来なくなりました。

話しはしてはいましたが毎月、毎週の様に開催される大会の多さと引率に、考えていたものと現実の開きを感じ始めていた様でした。

ジュニアフルコタクト空手の人口の多さにも驚いていました。

他のスクールとの掛け持ちの都合もあったのでしょうが、プライベートな予定などの理由で引率もままならなくなりました。

前項でも書きましたが私は当初、この道場のオーナーであり自分の子供の稽古場として道場を使用する予定で、塾長であるℹ︎先生に道場生は任せる予定でしたが方針が崩れ始めました。

詳しい経緯は書く事を避けますが、道場開設の前に同意してもらっていた方向生や目標が大きくそれて行き始めました。

生徒も保護者も何かを犠牲にして空手や習い事に取り組んでいます。

特に時間だと思います。

送り迎えの時間をつくり、大会費を捻出し、時には遠征さえする家族も少なくはありません。

生徒も強くなる為、大会でいい成績を残す為、遊ぶ時間を我慢し、宿題をこなしながら疲れた身体に鞭打って頑張っています。

指導者をやる以上、同じかそれ以上の覚悟で生徒やその家族と向き合わなけばなりません。

「強い子供を作る」と断言するのであれば稽古で煽るだけ煽って遠征は別としても大会に顔を出す事がほとんど無くては生徒の距離は開いて行きます。

たとえ行く事が出来なくても後日VTRを見てあげるとかの協力的な姿勢をみせなくては。

また、フルコタクト空手を指導するのであればフルコタクト空手を理解し勉強しなければなりません。

それにはやはり時間を作らなくてはなりません。多少の犠牲を払わなくては。

この時点では桃子、大将も空手を始めて約2年、まだまだ名も無き戦士です。

次回は変化が出て来た桃子、大将、将志を書きます。