前田又左衛門利家也。
名古屋城へ登城せし皆々よ。
大儀ぞ。
我等が出立式を無事に終えた今。
皆に伝令が在る。
現世に蘇りし時よりの歩みを見守り支え続けし皆よ。
誠に忝のう〔かたじけのう〕御座った。
改めて礼を申す。
思えば、恥を掛き捨てるが如き人生で在った。
然れど〔されど〕も、四百年前と同じく、又しても多くの出逢いに救われた人生でも在った。
我等、名古屋おもてなし武将隊を知り得た皆々が此の現世に確と〔しかと〕生きて居る事だけが我等の支えで在った。
其れ丈で、如何程〔いかほど〕の力に成ったかは計り知れぬ。
此れ迄の日々も。此れよりの日々も。
辛い事も在ろう。苦しい事も在ろう。
其の時には、我等が生きた失敗を思い出せ。
失敗を乗り越えし方法を思い出せ。
四百年前も此の現世でも、我等が人生は、否、我が人生は失敗無くして語る事は出来ぬ。
其の度に、心有る者等が手を差し伸べてくれた。
出逢いへの感謝を忘るる事無くば、必ずや其の方等の運命は切り開かん。
一寸先は光ぞ。
努努〔ゆめゆめ〕、忘るる事無かれ。
暫くは〔しばらく〕は隊を離れるが、再び出逢いし其の日には、不肖 前田又左衛門利家を宜しゅう頼む。
現世にて、主等と過ごした日々は実に〔げに〕愉しき〔たのしき〕時で在ったぞ。
終いに、勝鬨を上げて参りたい。
皆の衆。
拳を掲げよ。
名古屋おもてなし武将隊の更為る躍進と、出逢いし皆々の人生が此の名古屋城を彩る〔いろどる〕桜の如く、
更に、
更に、
更に、花開かん事を願いて。
又、四百年前。我等が戦いの果てに願いし此の泰平の世を主等が守り抜き、否、守り抜く為に、此れ迄と同じく、近しい者や、名古屋城で出逢いし者にそっと手を差し伸べ続けてくれる事を願いて。
勝鬨じゃ。
鋭。鋭。応。
又、気軽に名古屋城へいざ参れ。
我が戦友等が主等を迎えてくれようぞ。
愉しみ勇めや。皆の衆。
再び出逢いし其の日には、名古屋城にて相見えん〔あいまみえん〕。
名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家