前田又左衛門利家也。



名古屋城へ登城せし皆々。大儀ぞ。


本日は実に〔げに〕久しき織田家布陣。

御大将 織田信長様を筆頭に、我が永遠の傍輩 秀吉と儂。

付き従いし陣笠隊は哉太郎〔やたろう〕、一之助。



愉しき刻〔とき〕は過ぎ行くのも又、早し。


登城せし小さき童は儂に訊ねる。


どうやったら生き返れるの。死にたくない。ずっと生きていたい。


我等、名古屋おもてなし武将隊の面々は尾張名古屋を日ノ本一、否、万国一の観光都市に致さんが為に蘇りし武士集団。

生き返る具体的な方法は、実の処 我等もよう解せぬ〔げせぬ〕のじゃ。

然れど〔されど〕、我等は己が故郷に対する想いは誰にも負けぬと自負致して居る。

此の想いと、我が故郷への恩返しと思い再び現世に蘇りし事を感謝致して居る。

小さき童に申すは、今を懸命に生きよ。

いま目の前の人を大事に致し、いま目の前の事に真剣に取り組みてこそ、人生は面白い。

怖がるには未だ早い。

一日一日を精一杯生き抜いて、寝床に着けば気絶致す様に眠る人生は、なかなかに良きものぞ。

うむ。童の答えをはぐらかしたかの様に成り心苦しいが、今の儂には此れ以上の答えは無し。

人生怠けるで無いぞ。



三月三日。尾張の虎 織田信秀様〔信長様の御父上様〕と我が命日で在った。



名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家