前田又左衛門利家也。



本日、墨国〔メキシコ〕より無事尾張名古屋に帰名致した。


此度の戦は此方。

JAPAN WEEK 2017
名古屋市の姉妹都市であるメキシコシティーで、名古屋市の親善大使として名古屋市のPRを行います。〔犬丸日記帳より抜粋〕



日が昇りて沈む程の刻を空飛ぶ鉄籠〔飛行機〕に揺られて墨国へと入国を果たす。


幾分か現世の物には慣れ動じなく成りし我等も、墨国の人波に揉まれ此処では我等が異人かと自覚致すと共に未だ見ぬ人と景色に肚が熱く煮え滾る。


此の青壁の屋敷〔青いタイルの家〕には、我等が生きた〔正確には儂は既に天の上〕四百年前、伊達政宗に仕えし支倉常長殿 他 武士〔もののふ〕が滞在致した処。

武士の中には墨国へ居残り永住致した者さえ居るとな。

斯様に天晴れな人と街で在るとは、現代名古屋と姉妹同盟を結ぶ墨国への期待が歩く度に大きく成る。

心も弾み歩を早めると、息切れが致す。

齢四百八十。儂も老いた。

否、否。墨国は我等が霊山 富士山五合目と同じ高さだそうじゃ。

案内を務めし者が申すに、武者修行と思えば名古屋に帰られた時には息切れ知らずで御座いますよ。とな。

うむ。善哉〔よきかな〕、善哉。



軟水、硬水。水に軟いも硬いも無いと思うが水を馳走に成りて息を整えたのも束の間、我等は此度の戦場〔JAPAN WEEK 2017〕の前夜祭へと出陣。


心強き姫君の一団。

尾張名古屋を代表致す星の小町〔アイドル〕dela殿等と共に戦場の士気を上げるべく全力で鼓舞致した。


陣笠隊 踊舞〔とうま〕の咆哮は彼の地でも際立ち、頼もしき戦働きで在った。


わっしょい一之助〔かずのすけ〕改め、おら一之助も現地の民との交流を愉しみつつも積極的におらおら声掛けを致して居った。

墨国の民は此方の演武〔パフォーマンス〕と言葉に、踊舞一万人に勝る大声援で応えた。

我等とて士気が上がり、儂はもう毛穴から血が吹き出そうな程。

明日よりの戦が愉しみで在る。



美しき建物を見、徳川殿は申す。

利家殿、面白き建造物ですな。


墨国の名物を食し、徳川殿は申す。

過ぎたる味。利家殿、美味で御座るな。


先住民の血を引く墨国の民が土産を売って居る処へ駆け寄ると、徳川殿は申す。

利家殿、急ぐべからず。



うむ。急ぐべからず。道中記、明日へ続く。


我が治めし金沢の膳が並ぶとな。

料理長 永田殿。忝のう御座る。

実に〔げに〕明日が愉しみよのぅ。




皆の者、愉しみ勇みて皆の参陣待って居るぞ。



名古屋おもてなし武将隊 一番槍
前田又左衛門利家