皆の衆…息災か?
儂は息災じゃ!!
普段と変わらず、想いを強く持ち演武をした。
儂が掲げた刀の先に…青く澄み切った空が儂を見下ろした…
手招きしておるようであった…
悔しさと憎らしさを覚えた瞬間…
いよいよ明日、出立であるが、儂の心は変わらない…と、言えば嘘になる。
やはり、寂しさはある。
別れは辛いものである。
じゃが、儂は戦った。
四年もの間…
戦い抜いた。
戦場を駆け回った。
故にやり残したこたは無い。
後悔もしておらぬ。
儂の力は此処までである。
もし、やり残した事があるとすれば、素直に主等に有難うと言えなかった事かの…。笑
でも、誰よりも思うておるぞ!!
して、此度も多くの皆が別れを惜しんでおる。
必要としてくれておったのであるな。
有難い。
多くの戦場で出逢った者よ。
ありがとさん。
随分と前にて…我等の催し「武士語」にて儂が…
「辛かった」と言った事がある。
思わず出てしまった言の葉であり、無論本心でもあった。
じゃが、儂は弱音を吐いてしまった事に後悔の念を抱き、二度と辛かったなどとは言いますまいと誓った。
儂は織田信長である。
主等を支え、名古屋を盛り上げ、名古屋おもてなし武将隊を高みへと向かわせ、武将隊文化を作り、日の本を明るくするのに弱音は要らぬと…。
だからこそ、あの日あの時から…儂は強く生きた。
勝つ事で見える景色のみを追いかけた。
その景色を主等と見たいと思うた…
主等の楽しそうにしておる姿に安堵し
主等が笑う姿に意味を感じ
主等が泣く姿に、悔しく思い
主等が喜ぶ姿に自信が付き
その一日一日一瞬一瞬を受け取り歩んできた。
名古屋おもてなし武将隊十名と家臣は儂の生きる源である。
さぁ、明日は出立式である。
どうせ涙は出る故に…
明るく参ろう!!笑
儂を知る一人でも多くの民に逢える事を楽しみにしておる。
では、又な。