長らく充満していた、反日本人的思考の世相が、
ここに来て、日本人的思考の世相の定着へと成し得れるのか、
そのことを今般の選挙を通じて、後世の歴史家は何らかの評価をするだろう。


左に伸びきっていた世相のその振り戻しも、
右に伸びきってしまわないようにしなければならない。


「熱狂的」な性格を有する我が民族は、
他人の行いを見ながら大多数と判断すると同時に、
その行い自体を是とする傾向が多分にある。


土を耕してだけいればいいものを、
算盤を弾いてだけいればいいものを、
こういった者たちが、大正期以降多く世に出たばかりに、
現在の日本国は、さも卑しい国に成り果ててしまった。


「サムライ」の国が、聞いて呆れる。


右傾化傾向は、大いに結構である。
そもそも今までが、左過ぎたのだから。
だがこれからの問題は、その振り戻しの幅をどの角度に定めるかにある。