武士道ボクシングⅤ

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この度の東北地方太平洋沖地震で被害に遭われた全ての方々およびご親族の皆様に対しまして心よりお見舞い申しあげます。1日も早い復興をお祈り致します。

 

2026.01.13(火)後楽園ホール/主催:RE:BOOTジム
フェニックスバトル148

 

 

★ 日本スーパーバンタム級タイトルマッチ 10回戦
アマ 44戦30勝(7RSC)14敗
プロ 13戦10勝(7KO)1敗2分
2018インターハイ準優勝/愛媛国体3位/全国選抜ベスト8
日本スーパーバンタム級王者(1)

元日本ユース・バンタム級王者(返)

WBCスーパーバンタム級15位

OPBF同級2位

WBO Asia Pacific同級3位
#石井渡士也(24/#花咲徳栄高→#RE:BOOT→#RE:BOOT)
VS
アマ 66戦51勝15敗
プロ 12戦8勝(2KO)1敗3分
2018/19国体3位/2017/18関西リーグ戦階級賞/2019関西リーグ戦敢闘賞
OPBFスーパーバンタム級5位

日本スーパーバンタム級1位
#池側純(27/#興国高→#大商大→#角海老宝石)

 

  王者石井が2度目の防衛戦を迎えた。フィジカルの強さと力強い左ジャブを軸に試合を支配し、勝負所と見るや否や一気にまとめ上げる決定力(KO率70%)は脅威。池側とは3度目の対戦(1勝1分)であり虚実尽知。もはや奇をてらう余地はないと思われる。一方、挑戦者の池側は、スピードとタイミングを武器とするサウスポーのカウンターパンチャー。右ジャブを軸に試合をコントロールしたいが、フィジカルで優る成長著しい王者の圧力をいかにいなし、攻撃的となった刹那に乾坤一擲のカウンターを打ち込めるか。実に緊張感のある間合いで試合はスタートするだろう。圧倒的な内容を示し世界戦線への名乗りを上げたい王者と、3度目の正直で捨身一撃の挑戦者。序盤の距離設定と中盤以降の展開が、試合全体の方向性を決定づける一戦となりそうだ。

 

 

★ 日本ユース・ライト級タイトルマッチ 8回戦
プロ 10戦9勝(6KO)1敗
2022年東日本Sフェザー級新人王
日本ユース・ライト級王者

WBO Asia Pacificライト級13位

日本ライト級8位
#岩本星弥(22/#JB SPORTS)
VS
プロ 9戦6勝(3KO)1敗(1KO)2分
#橋本舞孔(20/#新日本木村→#DANGAN)

 

 ユース王者岩本はユース世代では飛び抜けたフィジカルの強さを土台に、名伯楽・山田トレーナーの下で反復されてきた徹底したドリルにより、ジャブから連動するパワフルかつ高精度なコンビネーションを完成させ、今なお途上にある。前戦、サウスポー小松直人(森岡)から奪ったダウンは圧巻で、王者やハイランカー達の危機感を少なからず発動させたであろう。これまで33ラウンドを戦い、KO決着率は66.67%。主導権を強引に奪い、そして試合を終わらせる力は、ユース王者としての説得力を数字でも示している。一方、挑戦者 橋本 は、キャリア曲線が明確に上向きへ転じている存在。昨年のジム移籍を機に競技環境を刷新し。「寺中特殊部隊」での高負荷フィジカルトレーニング、さらに「野木トレ」による徹底した走り込みを積み重ね、体幹の強さと後半でも落ちない出力を獲得してきた。38ラウンドを戦ってKO決着率は50%。技巧派としてラウンドを積み重ねる安定感に、勝負どころで踏み込める身体的裏付けが加わっている。現時点でフィジカル、技術ともに完成度の高い岩本が、アドバンテージで押し切るのか。それとも、フィジカルと環境を大きく変えた橋本が、試合の中でさらに伸びる姿を見せるのか。ユース世代ならではの非常に示唆に富むタイトルマッチとなりそうだ。

 

 

 

★ 日本女子バンタム級タイトルマッチ 6回戦
プロ 8戦6勝(3KO)2敗(1KO)
OPBFスーパーフライ級2位

JBCバンタム級王者
#山下奈々(27/#RE:BOOT)
VS
プロ 7戦5勝1敗1分
OPBFバンタム級2位

JBCバンタム級1位
#古川のどか(23/#YuKO→#北島)

 

 

★ フライ級 8回戦
アマ 7戦7勝
プロ 9戦7勝(4KO)2敗
#アドリアン・デュライバ(20/#比国)
VS
アマ 33戦23勝(12RSC)10敗
プロ 5戦5勝(4KO)
日本ユースLフライ級王者(0)
WBO Asia Pacificライトフライ級10位

日本ライトフライ級4位
#瀬筒陸斗(20/#武相高→#M.T)

 

 

★ フライ級 6回戦
プロ 6戦4勝(2KO)1敗1分
#アルキザ・ケネス(26/#比国→#パンチアウト)
VS

RISE18戦11勝5敗1分1NC(3KO)

WBCジュニアムエタイ40kg全国王者
NJKF日本統一全国大会40kg王者
プロデビュー戦

尾道のスカイドラゴン
#末國龍汰(21/#ライオンズ)

 

 

★ Sフェザー級 6回戦
プロ 11戦5勝(2KO)4敗(2KO)2分
#池上いつ己(22/#八王子中屋)
VS
プロ 13戦8勝(2KO)5敗(3KO)

女子大生に自転車でひき逃げされた
#佐藤遼太(29/#YuKO→#豪州→#DANGAN)

 

 

★ ライト級 4回戦
プロ 3戦2勝1敗(1KO)
#竹澤大治郎(22/#大橋)
VS
プロ 3戦2勝1分
#荒川大樹(29/#T&T)

 

 

★ 48.0kg契約 4回戦
アマ JCL 8戦3勝5敗
プロ デビュー戦

JCLミニマム級優勝
#箕輪湧陽(19/#RE:BOOT)
VS
プロ 1戦1敗(1KO)
#常盤翔(20/#T&T)

 

 

☆今日の三賞
MVP:
技能賞:
敢闘賞:

2025.12.20 後楽園ホール/東日本ボクシング協会
全日本新人王決定戦

 


★全日本ミドル級新人王決定戦 5回戦
プロ6戦6勝(3KO)
2025年度東日本ミドル級新人王(敢闘賞)
◎#佐々木革(20/#八王子中屋)
 4R (1分21秒)TKO
アマ11戦8勝(1KO)3敗
プロ2戦2勝
2025年度西日本ミドル級新人王
×#テイラー海(22/#英国→#本田フィットネス)

 佐々木は、間合いを潰す胆力と体幹の強さを武器に、相手に体を押し付けては左ボディから左右の強打、そしてオーバーハンドの右を叩き込む超前進型。実兄、尽が果たせなかった全日本新人王獲得に向け、頂点のみを射程に据えて勝負に出る。一方のテイラーは、英国ボクシング仕込みの精緻なジャブで距離を編み直し、スピードとリズムで相手の侵入を無効化する制御型。力と理の対峙が、試合の帰趨を決する。

 

 リングアナのコールを受け、佐々木はテイラーを刀で切るパフォーマンス。ゴングが鳴ると、テイラーが丁寧なジャブを軸に試合を組み立て、佐々木の鼻っ柱を折りにかかる。2回、佐々木は圧力を高め、右フックでテイラーから鼻血を出させる。テイラーはワンツーで距離を測ろうとするが佐々木に圧力に圧され後退を余儀なくされる。3回、テイラーは下がりながらもフットワークを使い、ジャブから左フックへとつなげて再びポイントを重ね、佐々木も鼻から出血。迎えた第4回、佐々木がさらに圧力を強めると、テイラーをコーナーに後退させ右ストレート一発で決定的なダウンを奪取。レフェリーはカウントを数えず試合を止めた。佐々木革が鮮烈なフィニッシュで兄の成し得なかった全日本新人王の座を射止めた。



★全日本ウェルター級新人王決定戦 5回戦
プロ7戦5勝(5KO)1敗1分
2025年度東日本ウェルター級新人王
◎#石井竜虎(20/#渡嘉敷)
 5R (0分35秒)TKO
プロ7戦5勝(3KO)2敗
2025年度西日本ウェルター級新人王
×#福本永遠(21/#真正)

 勝利は全てKO。石井は筋骨隆々の左構えから一気に圧をかけ、試合を短時間で終わらせることに特化した、まさに竜虎のごときパワーファイター。立ち上がりから一気に主導権を奪い、決着まで持ち込む推進力が最大の武器。その圧倒的な暴力感は会場を引かせるほど。一方の福本は、ジャブで間合いと配置を設計するタイプ。迎撃の角度とタイミングで流れを切り、反撃へ転じられるかが勝敗を分ける。圧倒的暴力で押し切るか、構造で封じるか。大注目の一戦!

 

 リングインから会場の空気を変える石井。受けて立つ堂々とした立ち姿の福本。初回、サウスポー石井が左フックから一気呵成!そのパワーに観客がどよめく。しかし、福本も右ボディで応戦。脇が開いた真ん中を的確にえぐっていく。2回は接近戦でのショートの打ち合い。石井は強度の高いコンビネーションを繰り出すが福本は的確にブロック。3回、石井が左フックでカットを奪えば、福本は右ボディアッパーでさらに削りに行く。4回、福本が右の打ち分けで前進すれば、石井は足を使い始めスタミナ温存か。しかし、アウトボクシングがはまり絶妙な緩急に。5回も石井が足を使いアウトボクシング。その刹那に放った右フックが大ヒット。ダメージは深く、試合は突然のフィナーレ。石井は8戦6勝(6KO)1敗1分で全日本獲得。KOマシーンとしてランキング戦線に乗り込む。敗れた福本だったが、石井の土俵で打ち合ったハートと的確なブロック能力はA級戦線にて大きな武器となるだろう。


★全日本スーパーライト級新人王決定戦 5回戦
アマ19戦15勝(5KO)4敗
プロ6戦4勝(1KO)2敗
2025年度東日本スーパーライト級新人王
〇#落合昭斗(26/#帝京大→#川崎新田→#一力)
 判定3-0(49-46、50-45、50-45)
プロ4戦4勝(3KO)
2025年度中日本スーパーライト級新人王
×#島田ネン(23/#とよはし)

 アマ19戦15勝の落合は、無駄のない打撃選択と距離管理で主導権を積み重ねる制御型。軸となるのは高速の左フック。からの右ストレートと右ボディで流れを整え試合を構造化する総合力の高いボクサー。一方の島田は、拍子を外す独自のリズムから強打を放つ瞬間決着型。落合が巧みに試合を支配するか、島田の破壊力がすべてを覆すか。

 試合は初回、落合はジャブを基点に距離をキープ。島田は右の一撃を狙うが距離を崩せない。主導権争いは間合いで落合に分があるか。2回、落合は左ジャブと高速左フックで島田の踏み込みを鈍らせる。2回も落合のペース。3回、島田はプレスを強め、右フックを強打し局面打開を図るが、落合は冷静に空間を作ってはワンツー。ポイントを積み上げる。4回、追い詰められた島田は圧力を高め、落合をローブ際に追い込み右オーバーハンドをヒットさせる。最大のチャンスが訪れたが、落合も上下を打ち分けペースを譲らない。最終5回も落合のジャブから高速左フックが冴え渡り、さらにはワンツーで距離を制す。島田の追撃に対してはクリンチを使って攻撃を遮断。試合運びの巧みさを際立たせた。落合が2者フルマーク含む3-0判定で勝利。何かを掴んだかのような5連勝で全日本新人王の座を射止めた。



★全日本ライト級新人王決定戦 5回戦
プロ5戦5勝(4KO)
2025年度東日本ライト級新人王(MVP)
◎#出畑力太郎(18/#マナベ)→MVP
 2R(2分35秒)TKO
アマ23戦9勝14敗
プロ3戦3勝(2KO)
2025年度西日本ライト級新人王
×#守屋龍之介(24/#新田高→#大商大→#KWORLD3)

ゴング直後、守屋が一直線にダッシュ。右を強引に振り落とすが、出畑は冷静に右カウンターで迎撃。以降、強気に強打する守屋と、ガードを固め打ち終わりを狙う出畑という構図で初回から緊張感の高い攻防が続いた。
2回、守屋が出畑をコーナーに詰め、踏み込みつつ下を見せて上。右ストレートで先制のダウンを奪取。しかし出畑は冷静。仕留めにきたところを的確にさばき、逆に左フックから天に振り抜く右アッパーでダウンを奪い返す。さらに打ち下ろしの右ストレートで2度目のダウンを追加。守屋は立ち上がったものの足元が定まらず、後ろによろめいたところでレフェリーが試合を止めた。
出畑が逆転KO勝ちで全日本新人王獲得。東日本に続く連続MVPも受賞した。出畑は、4歳時に交通事故で亡くなった母(42歳)のご仏前に勝利を報告したいと微笑んだ。



★全日本スーパーフェザー級新人王決定戦 5回戦
アマ15戦10勝(3KO)5敗
プロ6戦5勝1敗
2025年度東日本スーパーフェザー級新人王
×#保谷勇次(21/#駿台学園→#三迫)
 2R (1分14秒)TKO
プロ5戦5勝(3KO)
2025年度西日本スーパーフェザー級新人王
◎#ラーメン高橋(25/#KWORLD3)

 三迫キッズ第一号、駿臺拳児、保谷は中間域で打点を作り、右の被せと左ボディで圧を蓄積する実戦型。対サウスポー経験の厚みが有利に働くか。一方のサウスポー高橋は、サウスポーはサウスポーでも視認しづらい左と右フックを差し込む変則型。長く前に突き出した右で作り出される距離からのワンツーとアッパーで試合を作る。距離、そして角度とフェイントの読み合いが焦点で、先に攻撃の入口を確保した側が流れを支配すると予想。

 

 試合は、予想どおりサウスポー高橋が前の手を大きく差し出し独特の間合いで左を打ち出す。やりづらそうな保谷はジリジリと距離を詰め、右ボディで応戦するが距離が合わない。2回、お互い距離を測る中、保谷が踏み込みながら放った左フックに高橋が右フックを内側から合わせる。高橋の右が保谷のアゴを捉えダウン奪取。なんとか立ち上がった保谷だったが、ダメージは深刻。カウント10で髙橋がKWORLD3ジム初となる全日本新人王の座を獲得。無敗を守り6戦6勝(4KO)。「ラーメン屋でも新人王になれることを証明したかった。」と高らかに語った。涙を流した保谷だが、今後の伸びしろに期待したい。

★全日本フェザー級新人王決定戦 5回戦
アマ17戦12勝5敗
プロ4戦4勝(1KO)
2025年度東日本フェザー級新人王
〇#謝花海光(20/#日章学園→#ペルー→#M.T)
 判定3-0(50-45、50-45、50-45)
アマ1戦1敗
プロ6戦6勝(1KO)
2025年度西日本フェザー級新人王
×#豊永太我(20/#ウォズ)

「日々地獄」日章学園出身の謝花はリーチ差を最大化する打ち下ろしの右と、切れ味鋭い左ボディで空間を支配する。劣勢を跳ね返した前戦が示す通り、崩れない精神的耐性も備える。対する豊永は、ワンツーとボディで前進圧をかけ続ける実戦派。競り合いの中で勝ち切る胆力が最大の武器だ。距離が保たれるか、懐に踏み込まれるか。そして互いの胆力にも注目

 

 初回、謝花は緊張感を感じさせない柔らかなボディワークとステップから、左フック、右ストレートを的確にヒットさせると、すぐに頭位置を変え、さらにサイドに回り込むなどして豊永の返しを見事に捌く。2回、豊永は前進圧を高め左ボディで動きを止めにかかるが、謝花はその打ち終わりに左フックを合わせ、すぐさま距離をつなど主導権を渡さない。3回、謝花はサイドに回り込みながら右ショートを叩きつけ、強引に打ちに来る豊永にはクリンチ。身を寄せた瞬間、油断した豊永の顔面に下の見えない位置からコツンとパンチを入れては、離れ様にも同様に一つ入れるなど着実にポイントを積み上げる。打ち合いに持ち込みたい豊永だが、間合いを詰め切れず、詰めてのクリンチワークでさらにポイントを失う苦しい展開。4回も謝花は緩急を利かせた攻撃で豊永が前に出る瞬間に左を合わせては距離を詰め、クリンチに持ち込んでは細かくポイントを稼ぐなど流れを完全に掌握。豊永はそのパターンを修正できない。5回、豊永は変わらず愚直に前へ出ては手数を出し続けたもののやはり噛み合わず。試合終盤、謝花は打ち終わりに右ショートをねじ込み勝負あり。謝花が内容、主導権ともに明確に上回り、フルマークの判定勝ち。納得の技能賞を獲得した。一方、敗れた豊永。西日本予選ではダウンをとられながらも豊富な手数で攻め立て逆転KO、どちらにポイントが振られるか分からない接戦でも最後まで手数を出し続ける愚直な戦いぶりで勝ち上がるなどの胆力の持ち主。その粘り強さはA級でこそ活かされる可能性がある。今後の奮起に期待したい。


★全日本スーパーバンタム級新人王決定戦 5回戦
アマ4戦2勝2敗
プロ10戦7勝(5KO)2敗1分
2025年度東日本スーパーバンタム級新人王
×#八谷洋平(36/#仙台育英→#RK蒲田)
 2R(2分10秒)TKO
プロ7戦7勝(7KO)
2025年度西日本スーパーバンタム級新人王(技能賞)
◎#市原涼(23/#黒潮)

 本大会最年長36歳の八谷独特のタイミングからの左ストレートと右フックが真骨頂。主導権を静かに積み上げるサウスポー。34歳のプロデビュー。空白の時間を取り戻すかのように翌年からほぼ1~2か月に1回のハイペースで試合を重ねたが、試合は冷静沈着。それでいて最後はしっかり倒しきるスタイルは熟成されたウイスキーのよう。一方、黒潮のKOキング市原は、右ストレートと右アッパーで即時に局面を断ち切る圧倒的決定力の持ち主。本年度KO率NO.1ジム好調黒潮ジムを象徴するかのような存在。前戦全勝全KO、勝負所を察知する能力に優れ、その瞬間に勝負を終わらせる圧倒的な決定力。西の技能賞が示すとおり、パワーだけでなく、その構成力にも隙がなくなってきている。ランカーたちを脅かすだろう大本命が登場。

 

 試合は、サウスポーの八谷が丁寧に距離を測りながらリターンの左を差し込み市原の勢いを封じ込める。初回は八谷のラウンド。好調な立ち上がりを見せた。しかし、続く2回、市原が圧力を強めて前進。バックステップで距離をとる八谷に対して強引な右ボディストレートで後退させると、ワンツーで顔を弾き主導権を引き寄せる。さらにコーナーへ詰めると、右ストレートから返しの左フックを痛烈にヒットさせダウン奪取。そのダメージを見た八谷陣営がカウント途中でタオル投入。圧倒的なパンチ力、決定力をこれでもかと見せつけた市原が全日本新人王と共に敢闘賞も獲得。8戦全勝(8KO)のパーフェクトレコードも更新。黒潮旋風恐るべし。一方、今年だけで6戦と狂い咲いた八谷の桜は見事な散り様を見せた。



★全日本バンタム級新人王決定戦 5回戦
プロ8戦6勝(5KO)1敗1分
2025年度東日本バンタム級新人王
×#菅谷翔太(24/#KG大和)
 判定0-3(47-48、46-49、46-49)
アマ30戦19勝(4RSC)11敗
プロ5戦5勝(1KO)
2025年度西日本バンタム級新人王(MVP)
〇#光富元(23/#目黒日大→#日大→#六島)

 菅谷は豊富なスタミナの気力で手数と回転力で勝負するパワーファイター。劣勢に陥っても粘り強い連打で局面を変えられる力を持っている。一方の光富は、日大出身、アマ30戦のキャリアを持ち、堅牢なガードと計画的な運びで試合を組み立てる統制型。西日本決勝では全勝全KOの手島和樹(28=ミサイル工藤)の強打をブロックし続け、攻勢となるや一気に決めきったインパクトは西のMVP受賞に恥じない勝ちっぷり。菅谷が手数で押し切るか、光富が手数を耐えしのぎ決定打を打ち込むのか

 

 試合は序盤から両者の持ち味が正面衝突する消耗戦となった。
西の大将、光富はガードを高く固めながら左ボディを丁寧に打ち込み、試合の軸を下に置く組み立て。対する菅谷は被弾を恐れず、左右の連打と回転力を活かしてテンポよく打ち返す。2回、菅谷が手数を増やして前に出ると、光富も下がらず左ボディを的確にヒット。互いに譲らず、主導権は小刻みに入れ替わる。3回、光富が右ストレートで菅谷を後退させる場面を作り、以降はボディへの意識を一段と高めて優位性をアピール。菅谷の印象的な攻撃を光富は的確にガードしダメージを流しているように見えるが、ジャッジのアグレッシブポイントがどちらに配分されたかが気になるところ。4回、劣勢を感じたか菅谷がギアを上げ、プッシュしながら豊富な手数で流れを引き戻そうとするが、光富は慌てず我慢強く左ボディを返し、ポイントの流出を最小限に抑えた。迎えた最終5回、光富はワンツーを叩き込み一気にスパート。倍返しで応戦する菅谷との激しい打ち合いの中でも、有効打の精度と印象で上回った。最後まで攻防が途切れない総力戦の末、内容で優位を築いた光富が勝利を手にした。敗れた菅谷だが、西のMVPと真っ向打ち合ったファイトは大いに評価される。



★全日本スーパーフライ級新人王決定戦 5回戦
アマ14戦7勝7敗
プロ7戦4勝(1KO)1敗2分
2025年度東日本スーパーフライ級新人王
×#布袋聖侑(21/#宮城県農高→#大橋)
 判定0-3(47-48、46-49、45-50)
プロ6戦5勝(2KO)1分
2025年度西日本スーパーフライ級新人王(敢闘賞)
〇#松尾タンク拓海(20/#真正)

布袋は気迫を全面に出し回転力の高い連打を浴びせ、序盤から主導権を奪いにいく強攻型。消耗戦をものともせず相手を押し切るハートの強さが魅力。対する西の敢闘賞、松尾は、真正のジャーボンティデービスとも称される緩急と精度で迎撃する右の技巧派。掴みつつあるタイミングで一発KOもあり得る。布袋が圧で押し潰すか、タンクが角度とタイミングで切り裂くか。攻防の選択が注目された。

 

試合は序盤から松尾が小気味よくステップを刻み、直線的な布袋から右ストレートと左ボディで主導権を握った。2回、布袋も前に出て応戦するが、松尾はバックステップからのワンツーで距離をキープ。互いの持ち味を活かした一歩も引かない激しい攻防が続いた。3回、松尾は右アッパー、左ボディ、右オーバーハンドと角度をつけた攻撃で布袋の顔を弾き飛ばす場面を作り、すぐさまウィービングとステップでポジションチェンジ。布袋に的を絞らせない。フルラウンド前のフィーバータイム。4回、両者覚悟を決め、至近距離での打ち合い。気迫を全面に出す布袋に対し、回転力を活かした松尾が冷静に左アッパーから右ストレートにつなげ攻勢を維持。最終5回もワンツーを中心に攻勢。最後まであきらめず前に出続けた布袋を退けた。終始、攻勢と精度で上回った松尾がフルマーク一者を含む3-0判定で全日本新人王を獲得した。



★全日本フライ級新人王決定戦 5回戦
アマ28戦17勝11敗
プロ5戦4勝(2KO)1敗
2025年度東日本フライ級新人王

〇#鈴木丈太朗(24/#興國高→#駒大→#帝拳)
 判定2-1(47-48、48-47、48-47)
プロ8戦7勝(1KO)1分
2025年度西日本フライ級新人王
×#橋本陸(25/#グリーンツダ)

 鈴木は前進圧が強くコンパクトで回転力のあるボディとフックを配しながら、相手の均衡を少しずつ崩す設計型。興国高校出身らしく、下半身がブレず、強い軸から生み出す高速強打で一気に試合を決める決定力も併せ持つ。対する橋本は、ワンツーとボディで無駄を排し、確率の高い選択を積み重ねる合理派。両者粘り強いく戦う胆力を持っており、勝敗は細部の回収力と修正力に委ねられる。微差の積算が結果を分ける、緊張度の高い技術戦が予想された。

 

 試合は初回、橋本が右クロスで腰を落とさせ主導権を握ると、以降はジャブを軸に丁寧な組み立てを見せた。2回はジャブの差し合いで一進一退の展開に。3回、鈴木はジャブから展開を作るも動きが硬く隔靴掻痒。4回、橋本は積極性を増し優位の展開を作る。最終、5回、追い詰められた鈴木がドンピシャの左フックでで橋本は鼻からおびただしい出血。さらに偶然のバッティングで鈴木は左目上、橋本は額をカットするアクシデント。勢いを高めた鈴木に力強いワンツーが蘇り橋本を圧すが、橋本も意地で右を返す拮抗した攻防が続き勝敗は判定に。採点は割れたが軍配は鈴木。どちらの手があがってもおかしくない試合に会場からは大きな拍手が送られた。

★全日本ライトフライ級新人王決定戦 5回戦
アマ26戦17勝(5KO)9敗
プロ4戦2勝(1KO)2分
2025年度東日本ライトフライ級新人王(技能賞)
×#加藤准也(20/#駿台学園高→#三谷大和)
 判定0-3(46-48、46-48、46-48)
プロ6戦6勝
2025年度西日本ライトフライ級新人王
〇#長島明澄(23/#石田)

 駿臺拳児、加藤は上下の散らしとカウンターで相手の選択肢を削る左の技巧派。東日本決勝は圧巻で、優勝候補筆頭との呼び声も高かった片渕龍太(KG大和)を技術で完封。芸術的とも言えるボクシングで技能賞を勝ち取った。一方の長島は、距離とテンポを素早く掌握し、鋭いステップインでポイントを稼ぐ攻勢型。ともに中間距離からの踏み込みを得意とするだけに、その一瞬の攻防の中での僅かな“ズレ”を見抜いた側が流れを掴むと予想された。

 初回、お互いかみ合わせが悪く、距離を掴みかねる中で、長島は細かくステップを刻みながら強引な右ボディストレートをで先制。その後も出入りを活かしたボクシングで主導権を握る。2回、サウスポーの加藤は足を使い、左カウンターを的確に合わせて流れを奪い戻す。さらに見栄えの良いヒットで流れを一気に引き戻した。

3回、加藤はロングレンジを維持し、長島は石田会長仕込みの細かなテクニックを駆使し、加藤のバランスを崩しては単発の右ストレートで応戦。しかし、お互い決定打に欠け、ジャッジの評価が分かれるラウンドとなった。4回、長島は密着状態から左ショートフックをねじ込み、前に出る姿勢を明確にして試合を動かす。

5回、長島は右フックでダメージを与えると連打で畳みかけ、ダウンを奪取。再開後もクリンチに逃れようとする加藤を引きはがし、主導権を渡さなかった。

攻守の切り替えと勝負所での決定力が上回った長島が、石田ジム初となる全日本新人王の座をつかみ取った。


★全日本ミニマム級新人王決定戦 5回戦
プロ6戦5勝(4KO)1敗1分
2025年度東日本ミニマム級新人王

#京屋勇気(28/#ワタナベ)
 判定2-1(48-47、47-48、48-47)
アマ17戦8勝9敗
プロ4戦4勝
2025年度西日本ミニマム級新人王
×#辻永久(19/#興國高→#大商大→#KWORLD3)

 全日本新人王を3人輩出したKWORLD3ジムの先鋒・辻は、初回から右ストレート、右アッパーを軸に積極的に仕掛け、ヒット後は即座にサイドへ動くなど足取りも軽く好調な立ち上がり。京屋は左フックで応戦したものの、序盤は動きにやや硬さが見られた。2回も辻は右フック、左ボディを効果的に当て、試合の流れを維持する。3回、京屋はプレスを強め、左ボディを起点に回転力を上げて反撃。終盤には力感のある右ショートを決め、辻の動きを一時止めた。

4回、京屋はギアをさらに一段引き上げ、右フックでバランスを崩させると連打で攻勢に出る。パンチ力の差が徐々に表れ、足を使って対応する辻は腰高に。苦しい展開となった。5回、京屋は右フックで顔を弾くと、辻も気合を入れなおし最後まで手を止めず打ち返した。全5回、クリンチのないノンストップの攻防が続く激戦。判定は割れたものの、ジャッジは京屋を支持した。勝利確定の瞬間、京屋は感情を抑えきれず涙を流す。谷田トレーナーとの強固な信頼関係、そして日本ランキング獲得という結果を得て、昨年度全日本新人王・杉浦義(協栄)への再戦を正式に口にした。京屋の強い執念が伝わってくる試合であった。



☆今日の三賞(公式)
MVP:出畑力太郎(18/#マナベ)
技能賞:謝花海光(20/#日章学園→#ペルー→#M.T)
敢闘賞:市原涼(23/#黒潮)

2025.12.18/後楽園ホール/大橋プロモーション
Lemino BOXING PHOENIX BATTLE 147


★WBO-AP&OPBFスーパーミドル級タイトルマッチ 10回戦
アマ118戦92勝26敗
プロ1戦1勝
東京オリンピック2020日本代表
OPBFスーパーミドル級3位
WBO Asia Pacificスーパーミドル級12位
日本スーパーミドル級1位
△#森脇唯人(29/#駿台学園→#法大→#自衛隊→#ワールドスポーツ)
 4R(1分41秒)負傷ドロー
プロ12戦10勝(8KO)2敗(1KO)
WBCスーパーミドル級15位
OPBFスーパーミドル級王者
WBO Asia Pacificスーパーミドル級王者
△#ユンドクノ(30/#韓国)

元東京五輪日本代表の森脇唯人(29/ワールドスポーツ)が、日本人最速タイとなるプロ2戦目でのタイトル挑戦。2冠王者ユンは帝尊康輝や野中悠樹にも勝利した実力者。重厚なプレスと諦めないハートの強さが信条。

試合は初回から森脇が主導権を握った。身長188センチ、長いリーチと小刻みなバックステップで距離をキープ。スピードと反応で先手を取ると、森脇の作った空間に踏み込んだ王者に右カウンターをクリーンヒット。練習を重ねてきたパンチでダウンを奪う。しかし2回以降、試合の性質は変化。ユンはダウンをきっかけに前進圧力を強め、森脇はチャンスとばかり試合を決めに行く。試合は近距離での打撃戦へと移行。そして、偶然のバッティング森脇が左目上をカットするアクシデント。ドクターチェック後も両者は一歩も引かず、強度の高い攻防が続く。

3回、ユンはショートアッパーを織り交ぜたコンビネーションでリズムを取り戻し、経験値の差を示す場面を作る。4回には再び偶発的なバッティングが発生し、今度はユンが左目上を大きくカット。傷が深く、1度目のドクターチェックでレフェリーは試合続行不可能と判断した。規定ラウンドに達しておらず、結果は負傷引き分け。形式上はユンの王座防衛となったが、内容としては森脇がダウンを奪い、序盤を支配していたことは明白だった。

試合後、森脇は「チャンスだと思って打ち合いに行ったが、仕留めきれない自分の弱さが出た。結果はアクシデントだが、自分の甘さが出た」と語り、勝敗以上に自身の判断と完成度に課題を見出した。齊田竜也会長も「ダウンを取ったことで相手は前に出てくる。そこがチャンスだったが、足を使ったボクシングを貫けなかった。ただ、チャンスだと判断して前に出た選択自体は間違いではない」と、技術面と判断面を分けて評価した。この試合は、森脇にとって「通用する」ことと「勝ち切る」ことの差を突きつけられた一戦だった。距離管理、カウンター精度、フィジカルはいずれもアジア王座級にある。一方で、主導権を握った後にどう試合を設計し、リスクを管理するかという点には、なお成長の余地が残る。結果は引き分けだが、王者を追い込んだ事実は揺るがない。プロ2戦目ながら存在感を示した森脇。アジアタイトル戦線の中核にいることを明確に示した。再挑戦の舞台で、この経験がどう昇華されるか。その過程こそが、次の森脇唯人を形作っていくことになる。



★フェニックストーナメント アジア・ヘビー級チャレンジカップ決勝 4回戦
帝京高校サッカー部出身
プロ3戦2勝(1KO)1分
×#大沼ケン(21/#角海老宝石)
 判定2-1(39-37、37-39、39-37)
プロ3戦3勝(1KO)
〇#マハンハイリーヌールタイ(24/#中国)→賞金1,000万円獲得

 フェニックストーナメント「アジア・ヘビー級チャレンジカップ」決勝戦は、判定にもつれ込む接戦の末、マハンハイリーが大沼を下し、優勝を果たした。試合は序盤から、両者のスタイルの違いが鮮明。大沼はサークリングを主体にジャブを突き、フットワークを生かして距離をキープ。一方のマハンハイリーは頭を振りながら前進し、オーバーハンドの右フックを軸にプレッシャーをかけた。2回、大沼は徹底してさーくリング。的を絞らせない動きを維持し、単発の右ストレートで顔を弾くなど、有効打を重ねてポイントを稼いだ。マハンハイリーが強引に詰めた際に数発打ち込むボディが、どの程度ポイントに反映されているかが勝負の分かれ目に見えた。3回も大沼がスピードを生かしたアウトボクシングで主導権を握り、終盤には逆ワンツーをヒットさせる場面を作った。4回、マハンハイリーは強引に距離を詰め、前進を止めずに攻勢を継続。試合終了間際、右が大沼の顔面を捉え、印象を強めた。勝負は判定に委ねられ、採点は割れたが軍配はマハンハイリーに。中国人ボクサーのマハンハイリーは、リング上で雄叫び。優勝賞金1000万円を獲得した。



★OPBFスーパーバンタム級タイトルマッチ 10回戦
アマ72勝(30KO)15敗
プロ21戦18勝(15KO)2敗(2KO)1分

国体優勝

関西リーグ戦MVP

GOD’S LEFTバンタム級トーナメント 優勝

第50代OPBF東洋太平洋バンタム級王座(防衛0)

WBOアジアパシフィックスーパーバンタム級王座(防衛0)

第47代OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座(防衛3)

WBCスーパーバンタム級6位
OPBFスーパーバンタム級王者
WBO Asia Pacificスーパーバンタム級2位
◎#中嶋一輝(32/#奈良朱雀高→#芦屋大学→#大橋)
 4R(2分35秒)KO
プロ18戦15勝(12KO)2敗(2KO)1分

WBCアジア(ABCO)コンチネンタルスーパーバンタム級王座
OPBFスーパーバンタム級14位
×#ジョンジョンジェット(31/#インドネシア)

 OPBF東洋太平洋王者の中嶋が、挑戦者ジェットを4回KOで下し、4度目の防衛を果たした。

立ち上がりは慎重だった。サウスポーの中嶋はジャブと左ストレートで距離と反応を確認し、無理に仕掛けなかった。2回に入るとペースを上げ、堅いガードのジェットに対して右フックやワンツーを的確に当てて主導権を掌握。3回も右ボディを織り交ぜながらバランスを崩し、試合をコントロールした。4回、中嶋は左オーバーハンドと左ストレートでダメージを与えると、左ボディアッパーでダウンを奪取。ジェットは立ち上がれず、レフェリーが試合を止めた。内容、結果ともに王者の力量を示す一戦となり、中嶋は試合後のインタビューで世界挑戦への意欲を語った。

 

 

★54.0kg契約 8回戦
アマ52戦50勝(7RSC)2敗
プロ5戦5勝(5KO)

アマ7冠

2021年度インターハイバンタム級優勝
2022年度インターハイバンタム級優勝
2021年度高校選抜バンタム級優勝(最優秀選手)
2022年度高校選抜バンタム級優勝
2021年度国体少年の部バンタム級優勝
2022年度国体少年の部バンタム級優勝
2022年世界ユース選手権バンタム級優勝
第7代日本バンタム級ユース王座
WBO Asia Pacificバンタム級12位
日本バンタム級6位
◎#坂井優太(20/#西宮香風高→#大橋)
 1R(2分10秒)TKO
プロ19戦15勝(15KO)4敗(4KO)

タイ国バンタム級王座
WBO Asia Pacificスーパーフライ級12位
×#ボーンルエンパヨーム(26/#タイ)

 序盤から主導権を握ったのはアマ7冠、5戦5勝5KOの坂井だった。完全半身の左構えから丁寧に右で距離を支配し、相手の反応を確かめるようにリズムを刻む。距離をとられながらもプレッシャーをかけ続けられるパヨームが対応に戸惑う中、坂井は一瞬の隙を逃さず、鋭い左で試合の流れを一変。どよめく後楽園ホール。坂井は前傾姿勢で角度をつけた右ジャブでコーナーに追い込むと緩急をつけた連打でコーナーにくぎ付け。最後はボディへの一撃で完全に動きを止めた。アジア上位ランカーとの実力差はすでに明白。ポスト井上尚弥の呼び声も高い坂井が6戦6勝6KOとパーフェクトレコードを維持した。


★52.0kg契約 8回戦
アマ65戦60勝(21RSC)5敗
プロ4戦4勝(3KO)

2017年国体少年の部ピン級優勝
2018年国体少年の部ライトフライ級優勝
2017年高校選抜ライトフライ級優勝
2018年高校選抜ライトフライ級優勝
2019年度ハバロフスク国際トーナメントライトフライ級優勝
2023年度全日本選手権バンタム級優勝
WBCフライ級23位
WBO Asia Pacificフライ級9位
日本フライ級15位

浪速の激闘王
〇#田中将吾(23/#浪速高→#東洋大→#大橋)
 8R(0分49秒)負傷判定3-0(80-72、80-71、80-71)
アマ記載なし
プロ29戦18勝(7KO)9敗(3KO)2分

対日本人6連敗中
×#ウィルベルトベロンド(30/#比)

 田中にとって、プロ5戦目は「勝って当然」では済まされない相手。対戦相手ベロンドは前試合で、元WBC世界ユース・フライ級王者前WBO-APフライ級王者畑中建人(畑中)から2度のダウンを奪いながらも逆転負け。勝ち切れなかったとはいえ、序盤に試合を壊せる破壊力と勝負勘を示しており、実力は疑いようがない。しかし、一方で、ベロンドは対日本人6連敗中という事情もあり、田中側としては「ここで落とすわけにはいかない」タイプの試合でもあった。勝って次なるステージへ進むためには、内容を伴った結果が必要だった。

 試合は、その立場に見合う入りだった。初回、田中はワンツーから左ボディへと攻撃を組み立て、ベロンドも叩きつけるような右ボディで応戦したが、終盤に田中の左ボディが刺さるとベロンドは一瞬遅れてダウン。田中が先手で流れを掴んだ。2回は緩急をつけて上下を打ち分け、3回には強烈な右フックから左ボディでダメージを蓄積させた。早期決着も見込まれたが、ベロンドは田中の左ボディをことごとく肘でいなしながら決定打を許さない。4回、田中も強引に詰めることなく距離を保ち、ベロンドの返しも届かない。5回以降も田中は右ストレートで顔を弾き続ける一方、タフなベロンドは危険な右オーバーハンドを振り回し、6回には強引な右フックで反撃の局面を作る。田中も受けて立つが距離が近くなったところで偶然のバッティングにより右目下を腫らすアクシデント。しかし、7回にはジャブを軸にワンツーをまとめ直し、ポイントの積み上げを優先して試合を再コントロールした。8回、腫れが悪化し2度目のドクターチェック。続行不能の判断でレフェリーがストップし、試合は負傷判定へ。田中が判定勝ちで無敗を守った。

★51.5kg契約 8回戦
アマ1戦1敗
プロ13戦9勝(7KO)4敗(1KO)

2019年度西部日本スーパーフライ級新人王
日本フライ級8位

那覇工業高校ボクシング部創始者
×#長嶺竜久(27/#那覇工→#平仲)
 判定0-3(74-78、73-79、72-80)
プロ13戦9勝(5KO)2敗2分
WBO Asia Pacificフライ級11位
〇#フーロンイー(26/#中国)

 日本フライ級8位の長嶺が、苗村修吾(SRS)、元世界ランカーのデーブ・アポリナリオらを下した中国人ファイター、フー・ロンイーと対戦。初回はサウスポーの長嶺が上下に打ち分ける一方、フーは右を差し込み有効打で応戦した。2回から3回にかけては足を止めた打ち合いとなり、長嶺はコンパクトな連打、フーは隙を突く左右で互いに譲らない。中盤以降、長嶺はテンポを上げて顔面を捉え始めるが、フーも打ち終わりに右を返して主導権を渡さない。6回にはフーが前に出て攻勢を強め、この回に長嶺は偶然のバッティングで右目上をカット。終盤も一進一退の攻防が続いたが、やや精彩を欠いた長嶺は山を作れず、有効打を重ね続けたフーが判定で3者の支持を集め接戦を制した。フーロンイーは日本で3連勝。


★53.0kg契約 6回戦
プロ10戦4勝(2KO)4敗(1KO)2分
◎#山田龍斗(29/#大橋)
 3R(1分2秒)KO
プロ9戦6勝(3KO)3敗(3KO)
×#コムサンカエウルエアン(20/ #タイ)

 3連勝中と勢いに乗る山田が、吉良大弥(志成)ら日本人相手に3連敗中のコムサンを迎えた一戦。序盤、コムサンは独特の間合いとリズムから思い切りよくパンチを繰り出すが、山田は冷静だった。上下にジャブを散らしながら主導権を握り、右へとつなげて流れを引き寄せる。2回に入ると山田はさらにギアを上げ、左右の強打を的確に当ててポイントを積み重ねた。3回、左フックで相手の動きを止めると、間髪入れずに右を叩き込みダウンを奪取。懸命に立ち上がったコムサンだったが回復は及ばず、レフェリーが10カウントを数え上げた。プロデビュー戦から4連敗スタートを喫した山田が内容、結果ともに文句なしのKO勝利で4連勝を達成した。


☆今日の三賞
MVP:坂井優太(20/#西宮香風高→#大橋)
技能賞:田中将吾(23/#浪速高→#東洋大→#大橋)
敢闘賞:中嶋一輝(32/#奈良朱雀高→#芦屋大学→#大橋)