
2025.12.20 後楽園ホール/東日本ボクシング協会
全日本新人王決定戦

★全日本ミドル級新人王決定戦 5回戦
プロ6戦6勝(3KO)
2025年度東日本ミドル級新人王(敢闘賞)
◎#佐々木革(20/#八王子中屋)
4R (1分21秒)TKO
アマ11戦8勝(1KO)3敗
プロ2戦2勝
2025年度西日本ミドル級新人王
×#テイラー海(22/#英国→#本田フィットネス)

佐々木は、間合いを潰す胆力と体幹の強さを武器に、相手に体を押し付けては左ボディから左右の強打、そしてオーバーハンドの右を叩き込む超前進型。実兄、尽が果たせなかった全日本新人王獲得に向け、頂点のみを射程に据えて勝負に出る。一方のテイラーは、英国ボクシング仕込みの精緻なジャブで距離を編み直し、スピードとリズムで相手の侵入を無効化する制御型。力と理の対峙が、試合の帰趨を決する。
リングアナのコールを受け、佐々木はテイラーを刀で切るパフォーマンス。ゴングが鳴ると、テイラーが丁寧なジャブを軸に試合を組み立て、佐々木の鼻っ柱を折りにかかる。2回、佐々木は圧力を高め、右フックでテイラーから鼻血を出させる。テイラーはワンツーで距離を測ろうとするが佐々木に圧力に圧され後退を余儀なくされる。3回、テイラーは下がりながらもフットワークを使い、ジャブから左フックへとつなげて再びポイントを重ね、佐々木も鼻から出血。迎えた第4回、佐々木がさらに圧力を強めると、テイラーをコーナーに後退させ右ストレート一発で決定的なダウンを奪取。レフェリーはカウントを数えず試合を止めた。佐々木革が鮮烈なフィニッシュで兄の成し得なかった全日本新人王の座を射止めた。
★全日本ウェルター級新人王決定戦 5回戦
プロ7戦5勝(5KO)1敗1分
2025年度東日本ウェルター級新人王
◎#石井竜虎(20/#渡嘉敷)
5R (0分35秒)TKO
プロ7戦5勝(3KO)2敗
2025年度西日本ウェルター級新人王
×#福本永遠(21/#真正)

勝利は全てKO。石井は筋骨隆々の左構えから一気に圧をかけ、試合を短時間で終わらせることに特化した、まさに竜虎のごときパワーファイター。立ち上がりから一気に主導権を奪い、決着まで持ち込む推進力が最大の武器。その圧倒的な暴力感は会場を引かせるほど。一方の福本は、ジャブで間合いと配置を設計するタイプ。迎撃の角度とタイミングで流れを切り、反撃へ転じられるかが勝敗を分ける。圧倒的暴力で押し切るか、構造で封じるか。大注目の一戦!
リングインから会場の空気を変える石井。受けて立つ堂々とした立ち姿の福本。初回、サウスポー石井が左フックから一気呵成!そのパワーに観客がどよめく。しかし、福本も右ボディで応戦。脇が開いた真ん中を的確にえぐっていく。2回は接近戦でのショートの打ち合い。石井は強度の高いコンビネーションを繰り出すが福本は的確にブロック。3回、石井が左フックでカットを奪えば、福本は右ボディアッパーでさらに削りに行く。4回、福本が右の打ち分けで前進すれば、石井は足を使い始めスタミナ温存か。しかし、アウトボクシングがはまり絶妙な緩急に。5回も石井が足を使いアウトボクシング。その刹那に放った右フックが大ヒット。ダメージは深く、試合は突然のフィナーレ。石井は8戦6勝(6KO)1敗1分で全日本獲得。KOマシーンとしてランキング戦線に乗り込む。敗れた福本だったが、石井の土俵で打ち合ったハートと的確なブロック能力はA級戦線にて大きな武器となるだろう。
★全日本スーパーライト級新人王決定戦 5回戦
アマ19戦15勝(5KO)4敗
プロ6戦4勝(1KO)2敗
2025年度東日本スーパーライト級新人王
〇#落合昭斗(26/#帝京大→#川崎新田→#一力)
判定3-0(49-46、50-45、50-45)
プロ4戦4勝(3KO)
2025年度中日本スーパーライト級新人王
×#島田ネン(23/#とよはし)

アマ19戦15勝の落合は、無駄のない打撃選択と距離管理で主導権を積み重ねる制御型。軸となるのは高速の左フック。からの右ストレートと右ボディで流れを整え試合を構造化する総合力の高いボクサー。一方の島田は、拍子を外す独自のリズムから強打を放つ瞬間決着型。落合が巧みに試合を支配するか、島田の破壊力がすべてを覆すか。
試合は初回、落合はジャブを基点に距離をキープ。島田は右の一撃を狙うが距離を崩せない。主導権争いは間合いで落合に分があるか。2回、落合は左ジャブと高速左フックで島田の踏み込みを鈍らせる。2回も落合のペース。3回、島田はプレスを強め、右フックを強打し局面打開を図るが、落合は冷静に空間を作ってはワンツー。ポイントを積み上げる。4回、追い詰められた島田は圧力を高め、落合をローブ際に追い込み右オーバーハンドをヒットさせる。最大のチャンスが訪れたが、落合も上下を打ち分けペースを譲らない。最終5回も落合のジャブから高速左フックが冴え渡り、さらにはワンツーで距離を制す。島田の追撃に対してはクリンチを使って攻撃を遮断。試合運びの巧みさを際立たせた。落合が2者フルマーク含む3-0判定で勝利。何かを掴んだかのような5連勝で全日本新人王の座を射止めた。
★全日本ライト級新人王決定戦 5回戦
プロ5戦5勝(4KO)
2025年度東日本ライト級新人王(MVP)
◎#出畑力太郎(18/#マナベ)→MVP
2R(2分35秒)TKO
アマ23戦9勝14敗
プロ3戦3勝(2KO)
2025年度西日本ライト級新人王
×#守屋龍之介(24/#新田高→#大商大→#KWORLD3)

ゴング直後、守屋が一直線にダッシュ。右を強引に振り落とすが、出畑は冷静に右カウンターで迎撃。以降、強気に強打する守屋と、ガードを固め打ち終わりを狙う出畑という構図で初回から緊張感の高い攻防が続いた。
2回、守屋が出畑をコーナーに詰め、踏み込みつつ下を見せて上。右ストレートで先制のダウンを奪取。しかし出畑は冷静。仕留めにきたところを的確にさばき、逆に左フックから天に振り抜く右アッパーでダウンを奪い返す。さらに打ち下ろしの右ストレートで2度目のダウンを追加。守屋は立ち上がったものの足元が定まらず、後ろによろめいたところでレフェリーが試合を止めた。
出畑が逆転KO勝ちで全日本新人王獲得。東日本に続く連続MVPも受賞した。出畑は、4歳時に交通事故で亡くなった母(42歳)のご仏前に勝利を報告したいと微笑んだ。
★全日本スーパーフェザー級新人王決定戦 5回戦
アマ15戦10勝(3KO)5敗
プロ6戦5勝1敗
2025年度東日本スーパーフェザー級新人王
×#保谷勇次(21/#駿台学園→#三迫)
2R (1分14秒)TKO
プロ5戦5勝(3KO)
2025年度西日本スーパーフェザー級新人王
◎#ラーメン高橋(25/#KWORLD3)

三迫キッズ第一号、駿臺拳児、保谷は中間域で打点を作り、右の被せと左ボディで圧を蓄積する実戦型。対サウスポー経験の厚みが有利に働くか。一方のサウスポー高橋は、サウスポーはサウスポーでも視認しづらい左と右フックを差し込む変則型。長く前に突き出した右で作り出される距離からのワンツーとアッパーで試合を作る。距離、そして角度とフェイントの読み合いが焦点で、先に攻撃の入口を確保した側が流れを支配すると予想。
試合は、予想どおりサウスポー高橋が前の手を大きく差し出し独特の間合いで左を打ち出す。やりづらそうな保谷はジリジリと距離を詰め、右ボディで応戦するが距離が合わない。2回、お互い距離を測る中、保谷が踏み込みながら放った左フックに高橋が右フックを内側から合わせる。高橋の右が保谷のアゴを捉えダウン奪取。なんとか立ち上がった保谷だったが、ダメージは深刻。カウント10で髙橋がKWORLD3ジム初となる全日本新人王の座を獲得。無敗を守り6戦6勝(4KO)。「ラーメン屋でも新人王になれることを証明したかった。」と高らかに語った。涙を流した保谷だが、今後の伸びしろに期待したい。
★全日本フェザー級新人王決定戦 5回戦
アマ17戦12勝5敗
プロ4戦4勝(1KO)
2025年度東日本フェザー級新人王
〇#謝花海光(20/#日章学園→#ペルー→#M.T)
判定3-0(50-45、50-45、50-45)
アマ1戦1敗
プロ6戦6勝(1KO)
2025年度西日本フェザー級新人王
×#豊永太我(20/#ウォズ)

「日々地獄」日章学園出身の謝花はリーチ差を最大化する打ち下ろしの右と、切れ味鋭い左ボディで空間を支配する。劣勢を跳ね返した前戦が示す通り、崩れない精神的耐性も備える。対する豊永は、ワンツーとボディで前進圧をかけ続ける実戦派。競り合いの中で勝ち切る胆力が最大の武器だ。距離が保たれるか、懐に踏み込まれるか。そして互いの胆力にも注目。
初回、謝花は緊張感を感じさせない柔らかなボディワークとステップから、左フック、右ストレートを的確にヒットさせると、すぐに頭位置を変え、さらにサイドに回り込むなどして豊永の返しを見事に捌く。2回、豊永は前進圧を高め左ボディで動きを止めにかかるが、謝花はその打ち終わりに左フックを合わせ、すぐさま距離をつなど主導権を渡さない。3回、謝花はサイドに回り込みながら右ショートを叩きつけ、強引に打ちに来る豊永にはクリンチ。身を寄せた瞬間、油断した豊永の顔面に下の見えない位置からコツンとパンチを入れては、離れ様にも同様に一つ入れるなど着実にポイントを積み上げる。打ち合いに持ち込みたい豊永だが、間合いを詰め切れず、詰めてのクリンチワークでさらにポイントを失う苦しい展開。4回も謝花は緩急を利かせた攻撃で豊永が前に出る瞬間に左を合わせては距離を詰め、クリンチに持ち込んでは細かくポイントを稼ぐなど流れを完全に掌握。豊永はそのパターンを修正できない。5回、豊永は変わらず愚直に前へ出ては手数を出し続けたもののやはり噛み合わず。試合終盤、謝花は打ち終わりに右ショートをねじ込み勝負あり。謝花が内容、主導権ともに明確に上回り、フルマークの判定勝ち。納得の技能賞を獲得した。一方、敗れた豊永。西日本予選ではダウンをとられながらも豊富な手数で攻め立て逆転KO、どちらにポイントが振られるか分からない接戦でも最後まで手数を出し続ける愚直な戦いぶりで勝ち上がるなどの胆力の持ち主。その粘り強さはA級でこそ活かされる可能性がある。今後の奮起に期待したい。
★全日本スーパーバンタム級新人王決定戦 5回戦
アマ4戦2勝2敗
プロ10戦7勝(5KO)2敗1分
2025年度東日本スーパーバンタム級新人王
×#八谷洋平(36/#仙台育英→#RK蒲田)
2R(2分10秒)TKO
プロ7戦7勝(7KO)
2025年度西日本スーパーバンタム級新人王(技能賞)
◎#市原涼(23/#黒潮)

本大会最年長36歳の八谷は独特のタイミングからの左ストレートと右フックが真骨頂。主導権を静かに積み上げるサウスポー。34歳のプロデビュー。空白の時間を取り戻すかのように翌年からほぼ1~2か月に1回のハイペースで試合を重ねたが、試合は冷静沈着。それでいて最後はしっかり倒しきるスタイルは熟成されたウイスキーのよう。一方、黒潮のKOキング市原は、右ストレートと右アッパーで即時に局面を断ち切る圧倒的決定力の持ち主。本年度KO率NO.1ジム好調黒潮ジムを象徴するかのような存在。前戦全勝全KO、勝負所を察知する能力に優れ、その瞬間に勝負を終わらせる圧倒的な決定力。西の技能賞が示すとおり、パワーだけでなく、その構成力にも隙がなくなってきている。ランカーたちを脅かすだろう大本命が登場。
試合は、サウスポーの八谷が丁寧に距離を測りながらリターンの左を差し込み市原の勢いを封じ込める。初回は八谷のラウンド。好調な立ち上がりを見せた。しかし、続く2回、市原が圧力を強めて前進。バックステップで距離をとる八谷に対して強引な右ボディストレートで後退させると、ワンツーで顔を弾き主導権を引き寄せる。さらにコーナーへ詰めると、右ストレートから返しの左フックを痛烈にヒットさせダウン奪取。そのダメージを見た八谷陣営がカウント途中でタオル投入。圧倒的なパンチ力、決定力をこれでもかと見せつけた市原が全日本新人王と共に敢闘賞も獲得。8戦全勝(8KO)のパーフェクトレコードも更新。黒潮旋風恐るべし。一方、今年だけで6戦と狂い咲いた八谷の桜は見事な散り様を見せた。
★全日本バンタム級新人王決定戦 5回戦
プロ8戦6勝(5KO)1敗1分
2025年度東日本バンタム級新人王
×#菅谷翔太(24/#KG大和)
判定0-3(47-48、46-49、46-49)
アマ30戦19勝(4RSC)11敗
プロ5戦5勝(1KO)
2025年度西日本バンタム級新人王(MVP)
〇#光富元(23/#目黒日大→#日大→#六島)

菅谷は豊富なスタミナの気力で手数と回転力で勝負するパワーファイター。劣勢に陥っても粘り強い連打で局面を変えられる力を持っている。一方の光富は、日大出身、アマ30戦のキャリアを持ち、堅牢なガードと計画的な運びで試合を組み立てる統制型。西日本決勝では全勝全KOの手島和樹(28=ミサイル工藤)の強打をブロックし続け、攻勢となるや一気に決めきったインパクトは西のMVP受賞に恥じない勝ちっぷり。菅谷が手数で押し切るか、光富が手数を耐えしのぎ決定打を打ち込むのか。
試合は序盤から両者の持ち味が正面衝突する消耗戦となった。
西の大将、光富はガードを高く固めながら左ボディを丁寧に打ち込み、試合の軸を下に置く組み立て。対する菅谷は被弾を恐れず、左右の連打と回転力を活かしてテンポよく打ち返す。2回、菅谷が手数を増やして前に出ると、光富も下がらず左ボディを的確にヒット。互いに譲らず、主導権は小刻みに入れ替わる。3回、光富が右ストレートで菅谷を後退させる場面を作り、以降はボディへの意識を一段と高めて優位性をアピール。菅谷の印象的な攻撃を光富は的確にガードしダメージを流しているように見えるが、ジャッジのアグレッシブポイントがどちらに配分されたかが気になるところ。4回、劣勢を感じたか菅谷がギアを上げ、プッシュしながら豊富な手数で流れを引き戻そうとするが、光富は慌てず我慢強く左ボディを返し、ポイントの流出を最小限に抑えた。迎えた最終5回、光富はワンツーを叩き込み一気にスパート。倍返しで応戦する菅谷との激しい打ち合いの中でも、有効打の精度と印象で上回った。最後まで攻防が途切れない総力戦の末、内容で優位を築いた光富が勝利を手にした。敗れた菅谷だが、西のMVPと真っ向打ち合ったファイトは大いに評価される。
★全日本スーパーフライ級新人王決定戦 5回戦
アマ14戦7勝7敗
プロ7戦4勝(1KO)1敗2分
2025年度東日本スーパーフライ級新人王
×#布袋聖侑(21/#宮城県農高→#大橋)
判定0-3(47-48、46-49、45-50)
プロ6戦5勝(2KO)1分
2025年度西日本スーパーフライ級新人王(敢闘賞)
〇#松尾タンク拓海(20/#真正)

布袋は気迫を全面に出し回転力の高い連打を浴びせ、序盤から主導権を奪いにいく強攻型。消耗戦をものともせず相手を押し切るハートの強さが魅力。対する西の敢闘賞、松尾は、真正のジャーボンティデービスとも称される緩急と精度で迎撃する右の技巧派。掴みつつあるタイミングで一発KOもあり得る。布袋が圧で押し潰すか、タンクが角度とタイミングで切り裂くか。攻防の選択が注目された。
試合は序盤から松尾が小気味よくステップを刻み、直線的な布袋から右ストレートと左ボディで主導権を握った。2回、布袋も前に出て応戦するが、松尾はバックステップからのワンツーで距離をキープ。互いの持ち味を活かした一歩も引かない激しい攻防が続いた。3回、松尾は右アッパー、左ボディ、右オーバーハンドと角度をつけた攻撃で布袋の顔を弾き飛ばす場面を作り、すぐさまウィービングとステップでポジションチェンジ。布袋に的を絞らせない。フルラウンド前のフィーバータイム。4回、両者覚悟を決め、至近距離での打ち合い。気迫を全面に出す布袋に対し、回転力を活かした松尾が冷静に左アッパーから右ストレートにつなげ攻勢を維持。最終5回もワンツーを中心に攻勢。最後まであきらめず前に出続けた布袋を退けた。終始、攻勢と精度で上回った松尾がフルマーク一者を含む3-0判定で全日本新人王を獲得した。
★全日本フライ級新人王決定戦 5回戦
アマ28戦17勝11敗
プロ5戦4勝(2KO)1敗
2025年度東日本フライ級新人王
〇#鈴木丈太朗(24/#興國高→#駒大→#帝拳)
判定2-1(47-48、48-47、48-47)
プロ8戦7勝(1KO)1分
2025年度西日本フライ級新人王
×#橋本陸(25/#グリーンツダ)

鈴木は前進圧が強くコンパクトで回転力のあるボディとフックを配しながら、相手の均衡を少しずつ崩す設計型。興国高校出身らしく、下半身がブレず、強い軸から生み出す高速強打で一気に試合を決める決定力も併せ持つ。対する橋本は、ワンツーとボディで無駄を排し、確率の高い選択を積み重ねる合理派。両者粘り強いく戦う胆力を持っており、勝敗は細部の回収力と修正力に委ねられる。微差の積算が結果を分ける、緊張度の高い技術戦が予想された。
試合は初回、橋本が右クロスで腰を落とさせ主導権を握ると、以降はジャブを軸に丁寧な組み立てを見せた。2回はジャブの差し合いで一進一退の展開に。3回、鈴木はジャブから展開を作るも動きが硬く隔靴掻痒。4回、橋本は積極性を増し優位の展開を作る。最終、5回、追い詰められた鈴木がドンピシャの左フックでで橋本は鼻からおびただしい出血。さらに偶然のバッティングで鈴木は左目上、橋本は額をカットするアクシデント。勢いを高めた鈴木に力強いワンツーが蘇り橋本を圧すが、橋本も意地で右を返す拮抗した攻防が続き勝敗は判定に。採点は割れたが軍配は鈴木。どちらの手があがってもおかしくない試合に会場からは大きな拍手が送られた。
★全日本ライトフライ級新人王決定戦 5回戦
アマ26戦17勝(5KO)9敗
プロ4戦2勝(1KO)2分
2025年度東日本ライトフライ級新人王(技能賞)
×#加藤准也(20/#駿台学園高→#三谷大和)
判定0-3(46-48、46-48、46-48)
プロ6戦6勝
2025年度西日本ライトフライ級新人王
〇#長島明澄(23/#石田)

駿臺拳児、加藤は上下の散らしとカウンターで相手の選択肢を削る左の技巧派。東日本決勝は圧巻で、優勝候補筆頭との呼び声も高かった片渕龍太(KG大和)を技術で完封。芸術的とも言えるボクシングで技能賞を勝ち取った。一方の長島は、距離とテンポを素早く掌握し、鋭いステップインでポイントを稼ぐ攻勢型。ともに中間距離からの踏み込みを得意とするだけに、その一瞬の攻防の中での僅かな“ズレ”を見抜いた側が流れを掴むと予想された。
初回、お互いかみ合わせが悪く、距離を掴みかねる中で、長島は細かくステップを刻みながら強引な右ボディストレートをで先制。その後も出入りを活かしたボクシングで主導権を握る。2回、サウスポーの加藤は足を使い、左カウンターを的確に合わせて流れを奪い戻す。さらに見栄えの良いヒットで流れを一気に引き戻した。
3回、加藤はロングレンジを維持し、長島は石田会長仕込みの細かなテクニックを駆使し、加藤のバランスを崩しては単発の右ストレートで応戦。しかし、お互い決定打に欠け、ジャッジの評価が分かれるラウンドとなった。4回、長島は密着状態から左ショートフックをねじ込み、前に出る姿勢を明確にして試合を動かす。
5回、長島は右フックでダメージを与えると連打で畳みかけ、ダウンを奪取。再開後もクリンチに逃れようとする加藤を引きはがし、主導権を渡さなかった。
攻守の切り替えと勝負所での決定力が上回った長島が、石田ジム初となる全日本新人王の座をつかみ取った。
★全日本ミニマム級新人王決定戦 5回戦
プロ6戦5勝(4KO)1敗1分
2025年度東日本ミニマム級新人王
〇#京屋勇気(28/#ワタナベ)
判定2-1(48-47、47-48、48-47)
アマ17戦8勝9敗
プロ4戦4勝
2025年度西日本ミニマム級新人王
×#辻永久(19/#興國高→#大商大→#KWORLD3)

全日本新人王を3人輩出したKWORLD3ジムの先鋒・辻は、初回から右ストレート、右アッパーを軸に積極的に仕掛け、ヒット後は即座にサイドへ動くなど足取りも軽く好調な立ち上がり。京屋は左フックで応戦したものの、序盤は動きにやや硬さが見られた。2回も辻は右フック、左ボディを効果的に当て、試合の流れを維持する。3回、京屋はプレスを強め、左ボディを起点に回転力を上げて反撃。終盤には力感のある右ショートを決め、辻の動きを一時止めた。
4回、京屋はギアをさらに一段引き上げ、右フックでバランスを崩させると連打で攻勢に出る。パンチ力の差が徐々に表れ、足を使って対応する辻は腰高に。苦しい展開となった。5回、京屋は右フックで顔を弾くと、辻も気合を入れなおし最後まで手を止めず打ち返した。全5回、クリンチのないノンストップの攻防が続く激戦。判定は割れたものの、ジャッジは京屋を支持した。勝利確定の瞬間、京屋は感情を抑えきれず涙を流す。谷田トレーナーとの強固な信頼関係、そして日本ランキング獲得という結果を得て、昨年度全日本新人王・杉浦義(協栄)への再戦を正式に口にした。京屋の強い執念が伝わってくる試合であった。
☆今日の三賞(公式)
MVP:出畑力太郎(18/#マナベ)
技能賞:謝花海光(20/#日章学園→#ペルー→#M.T)
敢闘賞:市原涼(23/#黒潮)

