武士道ボクシングⅤ

武士道ボクシングⅤ

ノーブルアート(高貴な芸術)と称されるボクシングの写真を撮影しています。試合の写真は記事内のリンクをクリックするとご覧になれます。ぜひ、のぞいていってください。



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この度の東北地方太平洋沖地震で被害に遭われた全ての方々およびご親族の皆様に対しまして心よりお見舞い申しあげます。1日も早い復興をお祈り致します。

2026.4.14 後楽園ホール/主催:三迫プロモーション
ダイヤモンドグローブ

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★日本Sフライ級タイトルマッチ10回戦
★OPBF東洋太平洋同級王座決定10回戦

東福岡の後輩王者が、再戦で2冠を狙う。
アマ33戦22勝11敗
プロ8戦7勝(2KO)1分
日本ユースSフライ級王者(0・返)
日本Sフライ級王者(1)
OPBF Sフライ級2位
WBOAP Sフライ級6位
#山口仁也(26/#東福岡高→#大東文化大→#三迫)

vs

東福岡の先輩が、雪辱と2冠奪取を懸ける。
アマ45戦32勝13敗
プロ11戦7勝(4KO)4敗
OPBF Sフライ級5位
日本Sフライ級1位
#吉田京太郎(28/#東福岡高→#近畿大→#ワタナベ)

 

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★日本Lフライ級タイトルマッチ10回戦

返り咲いた王者が、宮古島の拳で押し切るか。
アマ50戦35勝15敗
プロ14戦12勝(8KO)2敗(2KO)
B級デビュー
第46代日本Lフライ級王者(2)
第49代日本Lフライ級王者(0)
2025年間最高試合(高見亨介戦)
WBC Lフライ級7位
IBF Lフライ級11位
WBA Lフライ級13位
WBO Lフライ級14位
OPBF Lフライ級2位
WBOAP Lフライ級1位
#川満俊輝(30/#宮古工業高→#三迫)

vs

転がり込んだ2度目の好機を、逃さずつかみにいく。
アマ13戦7勝6敗
プロ22戦12勝(3KO)8敗(1KO)2分
18年全日本Lフライ級新人王
OPBF Lフライ級6位
日本Lフライ級2位
#亀山大輝(29/#ワタナベ)

 

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★Sフェザー級8回戦

元日本王者が、1年ぶりの再起戦に立つ。
アマ84戦62勝22敗
プロ18戦13勝(8KO)5敗(3KO)
元日本フェザー級王者(2)

グリーンホーネット
◎#佐川遼(32/#青森北高→#東京農業大→#三迫)

 3R(0分50秒)TKO
プロ21戦14勝(8KO)4敗(2KO)3分
元日本Sフェザー級王者(1)

OPBF同級7位

日本同級2位
×#原優奈(31/#SFマキ→#六島→#渥美→#千里馬神戸→#真正)

■すべての写真を見る。

 元王者同士の一戦。佐川は2019年に #阿部麗也(KG大和) を破って日本フェザー級王座を獲得し、#日野僚、#竹本雄利 を退けた実力者。しかし、#丸田陽七太 に王座を奪われ、返り咲きを懸けた #松本圭佑 戦も落とすなど、かつての勢いは失われていた。対する #原優奈(真正) も、#波田大和 との挑戦者決定戦を制し、#坂晃典 から日本Sフェザー級王座を奪い、#向山太尊 を一蹴して防衛しながら、#奈良井翼 に王座を明け渡してこの再起戦の場に立つ。再び輝きを取り戻し、王者戦線へ歩み出すのはどちらか。

 試合は初回からジャブの差し合い、距離の取り合いから始まった。2回、両者の距離が少しずつ狭まり、両者ともリズム良く手を出し始める。佐川は右ボディ、原は左フック、右ボディストレートを好打。3回、更に距離が狭まり、お互いの回転数も上がる。そして原が踏み込もうとした一瞬、佐川の右ショート一閃。前のめりに崩れ落ちた原を見て、レフェリー岡庭健が雅(みやび)にストップ。力感なく吸い込まれるように出した右ショート。倒した感触もないほどナチュラルな右だった。まさに緑のスズメバチ「グリーンホーネット」の毒針。ノーランカーとなり、腐っていた時期を自ら認めた佐川だったが、上位ランカーの原との試合が組まれたことで心に火がついた。そして、この勝利で現王者 #奈良井翼(RK蒲田) の名も口にした。王者戦線への扉を再びこじ開けた「まつげ王子」もとい「グリーンホーネット」佐川が、群雄割拠のSフェザー級戦線に戻ってきた。

 一方の原も、このままでは終われない。前のめりに倒れた夜。だが、前を向いて倒れた者にしか見えない景色がある。原優奈の敗戦は終幕ではなく、もう一度自分を削り直すための痛みとして生き続ける。

 

 

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★Sフライ級8回戦

40歳の世界ランカーが、格と経験を見せるか。
プロ33戦27勝(14KO)5敗(3KO)1分
第38代日本Sフライ級王者(0)
第42代日本Sフライ級王者(1)
第44代日本Sフライ級王者(1・返)
第13代WBO-AP Sフライ級王者(1)
WBA Sフライ級12位
WBC Sフライ級16位
IBF Sフライ級8位
WBO Sフライ級12位
OPBF Sフライ級1位
WBOAP Sフライ級2位

不惑のサンダーレフト
#中川健太(40/#エルコンドルベロス→#レイS→#三迫)

 3R(0分50秒)KO

移籍後の上昇気流に乗り、大舞台へ食い込んできた。
プロ12戦7勝(2KO)3敗(2KO)2分
×#上野永吉(24/#ワタナベ→#花形)

■すべての写真を見る。

 中川健太の物語は、まだ終わっていなかった。サウスポー同士の一戦は、初回から上野が左オーバーハンドと右フックを思い切りよく振って出る好発進。世界ランカーをのみ込もうとする野心が、そのまま拳に乗っていた。だが中川は慌てない。高く硬いガードの奥から相手をのぞき込み、要所で勢いのある右フックを振り下ろす。2回にはワンツーで顔を弾き、打ち終わりをショートで正確に合わせるなど冷静に流れを引き戻した。そして3回、頭を振る上野を右ジャブ2発でコントロールし、右フックダブルから左ボディ一閃。これが見事に刺さる。さらに右フックをテンプルに入れると、上野は苦悶の表情を浮かべてダウン。10カウントを聞かされた。先に攻め、積極性を示したのは上野だった。しかし、その先にある「格」と「判断」は、やはり中川の側にあった。

 中川は都立港工高の同級生だった #船井龍一 とともにボクシング部を立ち上げ、青春を拳に預けた。その後、2017年には日本王座をかけた親友対決で船井に敗れ、船井はそこから世界挑戦へ進んだが、2019年5月、ジェルウィン・アンカハスとの世界戦で敗れた。中川にとって船井は、友情の相手であると同時に、自分が見ていた未来を先に歩いた存在でもあった。だからこそ、中川が今なお世界を口にする言葉は、自らに課した誓いとして響く。あの敗戦も、親友の挑戦失敗も見たうえで、それでも自分が行くと決めているからだ。中川には、やめられない理由がある。

 リング上で中川は言った。
「自分は世界チャンピオンになれると思ってるんで。そうじゃないと先に進めないんで。」

 この言葉は強がりではない。その日のために酒も一切口にしない。アスリートとしての自己管理を徹底。船井が届かなかった場所へ、自分がたどり着く。その執念まで背負っているように、この夜の中川は見えた。40歳のKO勝利は、過去の残り火ではない。高校時代から続く物語が、まだ終わっていないことの証明だった。

 キッズリターン。40歳の青春をどこまでも熱く生きる、この男の物語から目が離せない。一方、敗れた上野は、まるで全てを失ったかのような表情を浮かべた。だが、これもまたボクシングである。ここで沈むも這い上がるも自身の人生。中川が覚悟した人生を超える物語を自ら作るのもまた上野の人生である。こうしてボクサーたちは己の生き様を交錯させながら、命を昇華させていく。負けるな上野。行け、中川健太。世界にサンダーレフトを落とせ。

 

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★東日本新人王 Sフェザー級4回戦

30歳デビュー戦。遅咲きの一歩。
デビュー戦
#前田康佑(30/#横浜さくら)

vs

異色のリングネームで、新人王初戦に挑む。
プロ2戦1勝1分
#大和総支配人(31/#協栄)

 

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★東日本新人王 Sバンタム級4回戦

1戦1勝1KOの新鋭が、初戦突破を狙う。
プロ1戦1勝(1KO)
#田島一樹(26/#渡嘉敷)

vs

178cmの長身で、流れを変えたい。
プロ3戦1勝2敗
#佐々木凱理(24/#湘南龍拳)

 

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☆今日の三賞
MVP:
技能賞
敢闘賞:

 

☆2026年2月月間賞

最優秀選手賞
WBOアジアパシフィックフライ級 新チャンピオン
富岡 浩介(RE:BOOT)

対象試合:WBOアジアパシフィック・フライ級タイトルマッチ10回戦(2月10日)

対戦相手:長尾 朋範(フラッシュ赤羽)

試合結果:判定3-0勝ち

 

敢闘賞
WBOアジアパシフィックスーパーフライ級 チャンピオン
川浦 龍生(三迫)

対象試合:WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級タイトルマッチ10回戦(2月10日)

対戦相手:韓 亮昊(六島)

試合結果:判定2-1勝ち

 

新鋭賞
山口 友士(三迫)

対象試合:54.0kg契約8回戦(2月7日)

対戦相手:西屋 香佑(横浜光)

試合結果:3ラウンドTKO勝ち

 

2026.4.9 後楽園ホール/主催:T&Tプロモーション
(株)中山建装 Presents FIGHT for PRIDE vol.6


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★ライト級8回戦
プロ14戦10勝(8KO)3敗(1KO)1分
日本Sフェザー級15位
長身から打ち下ろす右が軸。
×#一道宏(40/#T&T)
vs
プロ22戦8勝(4KO)12敗(7KO)2分
2017年度西部日本Sフェザー級新人王
右クロス一発で流れを変える。
◎#ニューサンダー照屋(30/#琉豊BS)

 

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★Sバンタム級8回戦
プロ16戦9勝(3KO)5敗2分
魂の左ボディで流れを引き寄せる。覚悟の再戦。
×#渋谷亮太(24/#T&T)
 判定0-3(74-78、73-79、73-79)
プロ17戦9勝(4KO)6敗2分
変則の間と右が持ち味。
〇#秋間瑞輝(34/#宮田)

■すべての写真を見る。

 両者覚悟の再戦。2025年4月の初戦は、渋谷が2回にダウンを奪いながら、秋間が2-1で競り勝った。ところが今回、秋間はジャブが冴え渡り、返しもボディワークで外し、5回以降も足と右で点を積み上げて3-0で返り討ちにした。渋谷にとって重いのは、同じ相手に二度負けたことだけではない。前回は肉薄した内容が、今回は74-78、73-79が2者という、差を広げられる軽くはない結果となったことだ。渋谷は秋間を語る上で欠かせない好敵手。秋間の成長の物差しであると同時に、渋谷自身の現在地を映す鏡にもなった。

 X界隈で人気の高い秋間だが、普段はベイスターズや音ゲーのつぶやきが多い。しかし、試合が近づくと空気が変わる。4月初旬には試合への怖さをにじませ、当日には「怖い」「しんどい」「辞めることばかり考えていた」と吐露し、勝利後も「もう辞めちまおうかと思うレベルで追い詰められていた」と心情を隠さない。弱さを隠さず、それでもリングに上がる。その姿に惹かれたボクサーやファンたちが、この日、後楽園ホールに集結していた。

 父は元マルコシアス・バンプの秋間経夫。加えてAKIMA&NEOSを主宰し、多くのプロが信頼を寄せるハンドメイド・アンプ/エフェクターの作り手でもある。現場経験から納得のいく音を作り、アンサンブルの中で違いが出る機材を追求してきたプロフェッショナルだ。その血筋がそのままボクシングに移るとは言えない。ただ、秋間瑞輝のボクシングに音色めいたものがあるのは確かだ。左の伸び、拍を外す間、打ってから消えるボディワーク。真正面からねじ伏せるより、テンポをずらし、相手のリズムを壊して自分のフレーズを通す。時に不協和音が美しさに変わる。これは、同じく音楽家の両親を持つ私の感想に過ぎない。だが、父の音楽性と息子のボクシングには、表現の設計思想としてどこか通じるものがある気がする。

 この勝利で秋間は、2016年デビューから18戦10勝(4KO)6敗2分。34歳での二桁勝利到達は非常に意味がある。新人王戦では後の日本王者となる #富施郁哉 に1-2と善戦。近年だけ見ても、A級初戦で #森朝登、元日本ランカー #小林廉、 #村井貴裕、当時ランカーだった #渋谷亮太、そして日本Sバンタム級12位の #杉田ダイスケ と、イージーな相手を踏んで作った10勝ではない。杉田戦で秋間はジャブとディフェンスの精度に押され、1-2で敗れてランキングも失った。あの敗戦は、秋間の変則性だけではきれいに勝てない相手がいることを突きつけた敗戦だった。だが今回は、そのあとに巡ってきた再起戦で、渋谷相手にジャブで先制し、上下左右のボディワークも冴え渡った。後半、渋谷の猛攻にあっても勝ち切った。杉田に負けた意味が、ようやくこの一勝の中で回収されたと言っていい。

 一方の渋谷は、少なくとも今回が「元日本ランカー同士の再戦」と位置づけられたことを踏まえると、いまはタイトル戦線の中心ではなく、そこへ戻る入口で踏みとどまっている段階と言わざるを得ない。前回はダウンを奪って追い詰め、今回は最後まで圧力と左ボディで会場を熱くした。それでも、序盤に遠い距離で右が空転。追い上げてもリズムが同一で単調となり、点差を詰め切れなかった。まだ24歳。武器もある。だからこれで終わりではない。左ボディへ入るまでの前置き、遠い距離から右を通す導線、失点管理からのリズムの変調と緩急の使い方。この三つを組み直せるなら、渋谷のボクシング人生はまだ持ち直せる。組み直せなければ、実力者に善戦して終わる8回戦の名勝負屋にとどまる。ここは、その分岐点だ。魅力あるボクサーだけに、ここからの巻き返しに大いに注目していきたい。 #デスターシャ!

 

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★Sフライ級8回戦
プロ20戦11勝(7KO)7敗(4KO)2分
鋭いワンツーで先手を取る。
×#コンドル稲葉(31/#ピューマ渡久地)
vs
アマ48戦31勝17敗
プロ10戦6勝(3KO)3敗1分
元日本Sフライ級7位
B級デビュー
長いジャブで距離を支配する。
〇#廣本彩刀(29/#東福岡高→#芦屋大→#角海老宝石)

 

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★ライト級6回戦
プロ13戦6勝(2KO)6敗(3KO)1分
手数と圧力で相手を削る。
#鈴木誠太郎(24/#T&T)
vs
プロ7戦3勝(2KO)2敗2分
切れと精度で勝負する。
#中谷清彩人(28/#EBISU)

 

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★Sフェザー級6回戦
プロ9戦3勝(1KO)4敗2分
前に出て流れをつかみたい。
#柿原健太(23/#レイスポーツ)
vs
プロ9戦3勝(2KO)4敗(2KO)2分
再戦で決着をつけにいく。
#壬生狼(34/#ワタナベ)

 

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★51.0kg契約4回戦
プロ2戦2敗(1KO)
地元主催興行で初白星を狙う。
#中山利貴(25/#T&T)
vs
プロ1戦1敗(1KO)
巻き返しへ踏み込みを強める。
#大久保翔(25/#湘南山神)

 

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★バンタム級4回戦
プロ2戦1勝1分
15年ぶりの再起戦。
◎#室井成太郎(36/#ビータイトS→#アキバ)
vs
プロ1戦1敗(1KO)
初白星へ前進したい一戦。
×#ソートミー(28/#ワタナベ)

 

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☆今日の三賞
MVP:
技能賞:
敢闘賞:

2026.4.7 後楽園ホール/真正プロモーション
Lemino BOXING フェニックスバトル 153

 

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★IBF女子世界アトム級王座決定10回戦
プロ10戦9勝(3KO)1敗
WBAライトミニマム級3位
WBCアトム級1位
IBFアトム級1位
WBOアトム級5位
WBO-APアトム級王者(1・返)
元IBF世界アトム級王者(0)

世界返り咲きへ、元王者が再び頂点を狙う
〇#山中菫(24/#大阪府堺市/#真正)

 判定2-1(97-93、94-96、96-94)

プロ6戦6勝
IBFアトム級3位
WBOアトム級12位
OPBFアトム級1位
WBO-APアトム級女子王者(1)

無敗のまま世界初挑戦、7戦目で頂点に手を伸ばす
×#鵜川菜央(30/#兵庫県姫路市/#山上→#三迫)

■すべての写真を見る。

 

 昨年ドイツでティナ・ルプレヒトに敗れ、IBFの水色のベルトを失った山中菫が、再び世界の頂に挑んだ。対するは、2022年4月のデビュー以来無敗でWBO-AP王者まで上り詰めた鵜川菜央。

 試合は、身長160センチの鵜川が積極的に手数を出し、身長146センチの小柄なサウスポー山中が高いガードで受け止める構図で始まった。鵜川の打ち終わりを待って、低い位置から左ボディ、右フックのコンビネーションを打ち込む。この攻防が試合の軸となり、山中の印象点を積み上げていく。

 一方の鵜川も崩れない。半歩の前後左右で芯を外し、ジャブ、ワンツー、ショートを返す。山中の右フックを浴びても手が止まらない。効かされても、気持ちが折れる余地を自分に与えない手数で返し続ける。その執拗さが、この試合を名勝負に押し上げた。

 特に中盤以降は、力と量のせめぎ合いがむき出しになった。6回は山中のエネルギッシュな攻めが光ったが、8回には鵜川がアッパーとショートで堂々と打ち勝つ場面を作る。終盤、山中は左ストレートで押し返し、鵜川はワンツーと回転力で食い下がる。山中の拳には王座を失った者の執念があり、鵜川の連打には、支えてくれた人々に何かを返したい者の切実さがあった。

 バレーボールで磨いた鵜川の「TSUNAGU CHIKARA(つなぐ力)」は、この夜、驚異的な粘りとなって表れた。鵜川と山中の打ち合いは、まるで終わらないラリーのようだった。鵜川は日本バレーボール協会に勤務しており、後楽園ホールには川合俊一会長をはじめ、多くのバレーボール関係者も応援に駆けつけていた。鵜川のプロフェッショナリズムは、 #晝田瑞希、 #前原香那枝、 #福家由布季 ら三迫ジムの王者たちにも一目置かれており、鵜川自身も彼女たちのがんばりに支えられてきた。だからこそ、そのつながる力に何としてでも応えたかった。判定を聞き、リングを降りる際にあふれた涙が胸を打つ。

 壮絶な打ち合いの果てに出た結果は、判定2-1(97-93、94-96、96-94)。ジャッジペーパーを見ても評価は割れており、この試合の採点の難しさが分かる。特にジャッジ野田は、4R以降の多くを鵜川に振っている。それだけ鵜川のファイトが素晴らしかったということだ。初黒星でも株は落ちなかった。むしろ、世界で通用するという事実を、ベルト以外の形で刻んだ。

 だからこそ、この試合は山中の「王座奪還」という価値を一層輝かせた。試合後、山中は鵜川の強さを率直に認めつつ、それでもなお4団体統一を見据えた。

 女子年間最高試合と言っていい。いや、そう評してもまだ足りないかもしれない。山中は王者としての責任を取り戻し、鵜川は敗者でありながら世界戦の景色を塗り替えた。10ラウンドの果てに残ったのは勝敗表の一行ではない。強い者が勝ったのではなく、最後まで退かなかった者たちが女子ボクシングの現在地を一段押し上げたという事実。あの大熱狂は、過去に戦い抜いてきた女子選手たちの履歴でもある。観客はきっと、技術だけでなく、拳でしか表現できない彼女たちの生き方そのものを見ていたと思う。最後に「#女子ボクシング最高!のハッシュタグでSNS拡散お願いします!」(元WBC女子世界ライトフライ級王者で女子ボクシング委員長の富樫直美会長)。

 

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★WBO-AP女子ミニマム級王座決定8回戦
プロ13戦9勝(3KO)4敗
OPBFミニマム級4位
極真空手関東大会一般の部優勝
日本女子ミニマム級王者(1返)
2025年間最高試合(黒木優子戦)

世界挑戦からの再起、空位王座奪取へ仕切り直しの一戦
×#鈴木なな子(26/#東京都板橋区/#ワタナベ→#三迫→#横浜光)

 判定0-3(75-77、74-78、74-78)

プロ11戦7勝(1KO)2敗2分
WBAミニマム級11位
OPBFミニマム級3位
JBCミニマム級2位
元WBO-AP女子ミニマム級王者(1)

王座返り咲きへ、世界ランカーが奪還を狙う
〇#吉川梨優那(24/#大阪府堺市/#ディアマンテ→#泉北)

■すべての写真を見る。

 試合は序盤からジャブの探り合いとなったが、吉川は真っすぐに入ってきた鈴木に対し、左ジャブと左フックで先制。2回、鈴木はワンツースリーをヒットさせるが、吉川の左フックも入り、鈴木は右目下を腫らす。3回も吉川が左フックで攻勢。4回は左ボディ、5回には右で鈴木の右目上を腫れさせ、6回は接近戦からの左アッパー、最終8回も右フックまでつないで、流れを最後まで手放さなかった。鈴木の7回の反撃はあったが、試合全体のテンポは吉川のものだった。

 鈴木は、本年3月3日、みずほPayPayドーム福岡で行われたソフトバンク対ヤクルト戦で始球式を務め、ノーバウンド投球を決めた。華やかな露出と競技者としての注目度は、現在の女子ボクシング界でも屈指だろう。しかし、昨年6月の #黒木優子 への世界挑戦以来、約10カ月ぶりの再起戦で突きつけられたのは、真っすぐ打つ力そのものではなく、その後の防御と連打の接続を、もう一段研ぎ澄ませねばならないという課題だったように見える。ここを乗り越えたとき、彼女の華やかさは本物の強さとして結実するはずだ。まさに踏ん張り時である。

 一方の吉川は、派手さよりも修正力が光った。前回この後楽園ホールで防衛戦を落とした悔しさを同じ場所で回収した。打ち終わりを狙い、中盤からは左を軸に、ボディ、アッパー、右フックまで幅広く散らした組み立てには王座奪還に必要な冷静さがあった。世界へ、と軽々しく言わず、一つずつ勝つと足元を見ている点も含めて、今回の吉川は勝ち筋が見えていた。

 そして、この戴冠にはもう一つの意味がある。泉北ジムは創業50年以上の歴史を持ち、2026年に3代目会長として竹嶋海刀を迎えた。竹嶋は1998年生まれの元A級プロボクサーで、全国最年少の27歳会長。老舗の看板を継ぐには、あまりに若い。だが、若さとは未熟さではなく、責任を背負う覚悟の早さでもある。吉川の返り咲きは、選手一人の復活であると同時に、半世紀を超える泉北ジムが新体制で次の星霜へ踏み出した、その最初の実りだったように思う。

 

 

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★OPBF・日本女子バンタム級王座統一8回戦
プロ9戦7勝(3KO)2敗(1KO)
OPBFバンタム級1位
JBCバンタム級王者

2本のベルトを懸け、主導権を握るための統一戦
#山下奈々(28/#長野県/#RE:BOOT)

vs

プロ24戦16勝(11KO)7敗1分
WBOバンタム級2位
OPBFバンタム級王者
元OPBF女子フライ級王者(0・返)
元WBO-AP女子バンタム級王者(1・返)
OPBF東洋太平洋女子バンタム級王者(0)

キャリアと圧力で統一を引き寄せるベテラン王者
#ぬきてるみ(37/#大阪府/#真正)

 

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★OPBF東洋太平洋女子アトム級タイトルマッチ8回戦
プロ14戦10勝(3KO)1敗(1KO)3分
IBFアトム級6位
WBOアトム級1位
OPBF東洋太平洋女子アトム級王者(1)
日本アトム級王者(3返)

世界1位の看板を背負う、内容も問われるV3戦
#狩野ほのか(31/#東京都世田谷区/#TEAM10COUNT)

vs

プロ4戦4勝(3KO)
OPBFアトム級14位
JBCアトム級7位

無敗のまま初戴冠へ、5戦目で王者に挑む
#佐藤香実(28/#神奈川県伊勢原市/#厚木ワタナベ)

 

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★WBO-AP女子アトム級王座決定8回戦
アマ27戦24勝(14RSC)3敗
全国高校選抜大会優勝
インターハイ優勝
JOCジュニアオリンピックカップ最優秀選手
アジア選手権大会銅メダル
プロ2戦2勝(1KO)
OPBFミニマム級10位
JBCミニマム級1位

プロ3戦目で王座へ、アマ頂点の才能がそのまま通用するか
◎#四元志桜里(18/#鹿児島県霧島市/#日章学園高→#真正)

 7R(0分21秒)TKO

プロ8戦5勝(2KO)3分
WBOアトム級10位
OPBFアトム級9位
JBCアトム級2位

無敗の安定感で勢いあるホープをストップできるか
×#鎌田真央(31/#愛媛県松山市/#升田)

■すべての写真を見る。

 ミライモンスター四元志桜里、18歳が3戦目で王座獲得。

 WBOアジアパシフィック女子アトム級王座決定戦は、若い才能のきらめきと、遅咲きの実力者の執念が、真正面から噛み合った一戦だった。

 四元は空手で全国5連覇、世界大会優勝を経験し、「日々地獄です」でおなじみの日章学園高では全国高校選抜優勝、インターハイ優勝、JOCジュニアオリンピックカップ最優秀選手、アジア選手権銅メダルという輝かしい実績を持つ。18歳にして、休養日を設けず日々鍛錬を重ねても「疲れない」と言い切る体の強さとバイタリティもある。本当にボクシングが好きで好きでたまらない、根っからのボクサーである。今回のリングでも、その純度の高い闘争心がそのまま発揮された。

 ワンツーで間合いを管理し、近づけば右アッパー、左アッパーで低く入ってくる鎌田の頭を起こす。外で突き放し、内で削る。その切り替えの速さは10代とは思えぬ完成度だった。ラウンドを重ねても疲れるどころか、ますますペースアップ。必死に食い下がる鎌田に、付け入る隙を与えなかった。

 一方の31歳、鎌田は鍼灸師・柔道整復師として働きながら競技を続け、健康のため23歳で始めたボクシングを、地道な学びと反復でここまで引き上げてきた選手だ。練習内容を毎回ノートに書き込み、予習復習を欠かさない努力家。高校では柔道部で1勝のみ。本人も運動が得意ではないと語っているが、そこからA級初戦でタイトル挑戦までたどり着いた事実が鎌田の芯の強さを物語る。試合でも鎌田の心と体は簡単には折れなかった。左ボディーを軸に前進し、接近戦でも気持ちで負けず、傷を負っても前に出続けた。若い新鋭に、タイトル戦の重みと意地を刻み付けた。

 それでも最後に決め切ったのは四元だった。7回、徐々に削られてきた感のある鎌田をコーナーまで押し込むと連打。防戦一方となった鎌田に、レフェリー岡庭冴美がストップをかけた。鎌田の粘りに付き合ってボクシングが粗くなるのではなく、打ち合いの中でも上と下、外と中を混ぜ、消耗戦であっても自分のペースを守り抜く胆力も見せた。18歳にしてこの幅のあるボクシングは、まさにミライモンスターだ。

 亡くなった祖父にベルトを捧げたいという思いも、四元を支えた。勝利の瞬間、四元は一目散にセコンドの父のもとへ駆け寄り歓喜した。この喜びは、栄冠の達成感というより背負ってきたものをようやく一つ形にできた安堵に近かったと思う。

 女子ボクシングの未来を自分が背負うと語る言葉は、若さゆえの大言ではない。そう言い切れるだけの鍛錬と結果を、彼女はもう持っている。

 一方の鎌田も、この敗北で価値を落としたわけではない。コツコツと学び、積み上げてきた者の拳は、立派にタイトルマッチを成立させた。もちろん、越えるべき課題ははっきり見えただろう。この学びを、彼女は必ず自分の力に変えていくはずだ。

 四元には次の世界が、鎌田には次の実践がある。彼女たちの歩みは止まらない。#女子ボクシング最高!

 

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★女子47.0kg契約6回戦
アマ68戦58勝(10RSC)10敗
全日本選手権優勝6回
国体2連覇
世界選手権銅メダリスト
プロ5戦5勝(4KO)
WBCミニマム級7位
IBFミニマム級4位
WBOミニマム級10位
OPBF東洋太平洋女子ミニマム級王者(2)

世界上位ランカーが実力差を示せるか
◎#和田まどか(31/#神奈川県横浜市/#田奈高→#芦屋大→#公益財団法人福井県スポーツ協会→#TEAM10COUNT→#DANGAN)

 1R(1分13秒)TKO

プロ21戦10勝(5KO)11敗(5KO)

タイから迎える実戦経験豊富な試金石
×#パニダーチャットルワン(27/#タイ)

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 和田まどかが電光石火、1回TKO勝利。

 アマ8冠、世界選手権銅メダル2度という実績を持ち、プロでも2戦目でOPBF女子ミニマム級王座を獲得、昨年9月には同王座の2度目の防衛にも難なく成功してきた選手が、その格の違いを最短距離で示した試合だった。

 基本のワンツーで主導権を奪い、左で仕留め切る流れには無駄がなく、世界ランカーとしての完成度がにじんだ。正直、和田単体ならメインでも成立する実績と現在地であり、第2試合配置はかなり贅沢だったと言っていい。

 今後の展望は、地域王者の防衛戦を重ねる段階ではない。その先だ。現時点で和田はIBF4位、WBC7位、WBO11位に位置しており、世界挑戦は十分に射程圏内にある。女子ミニマム級はIBF王者 #キムクラベル、WBC王者 #ヨカスタバジェ、WBA・WBOは #サラボーマンが保持しており、数字上もっとも近いのはIBF。願わくば次戦は、世界前哨戦として上位ランカーとの一戦を挟むか、陣営の交渉次第ではそのまま世界戦でもおかしくない。今回の勝ち方は、「いつか世界へ」ではなく、すでに世界を呼び込む段階に入ったと言ってよい内容だった。

 

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★女子Sバンタム級4回戦
プロ1戦1分

初勝利を狙う2戦目
◎#福井凛(21/#鳥取県鳥取市/#真正)

 3R (1分57秒)TKO

デビュー戦

35歳の挑戦
×#松井美樹(35/#福岡県北九州市/#松本ACE)

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 今宵の女子単独興行は、オープニングファイトから大熱狂だった。 

 #福井凛(真正) が #松井美樹(松本ACE) を3回1分57秒TKOで破り、昨年9月の韓国でのドローを経て、待望のプロ初勝利をつかんだ。

 福井はジャブで距離を測り、ワンツーを通すと、さらに上下に散らして主導権を掌握した。3回、必死の形相で踏み込んできた松井と真っ向から打ち合いながら、右ショート、右フック、左フックとつないだところで、レフェリー岡庭冴美がストップ。見事なTKOでプロ初勝利を挙げた。

 一方の松井は35歳でプロデビューした松本ACE初の女子プロボクサー。しかも同ジムには、36歳のシオノザキリョー、1987年生まれで2023年デビューの現役医師プロボクサー土屋良真ら、年齢を重ねてなお拳で道を切り開こうとする選手が並ぶ。長野唯一のプロボクシングジムを掲げる松本ACEには、若さだけを価値にしない空気がある。だからこそ松井のデビュー戦は単なる1敗ではなく、遅れてきた挑戦を本気で支えるジムの思想そのものがリングにあった。福井の初白星は見事だった。同時に松井の一歩もまた輝きがあった。どんなチャレンジも、遅すぎるということはない。

 

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☆今日の三賞
MVP:山中菫(24/#大阪府堺市/#真正)
技能賞:四元志桜里(18/#鹿児島県霧島市/#日章学園高→#真正)
敢闘賞:佐藤香実(28/#神奈川県伊勢原市/#厚木ワタナベ)