高齢者の乗務員Tさんが、早発をやってしまいました。駅を18時35分発だったのに、18時30分に出てしまったのです。5分の早発です。お客さんから、18時35分発のバスが来ないという連絡が、営業所に入り発覚しました。
 
原因は、Tさんがダイヤ表で時刻を確認せず、思い込みで発車してしまったことにありました。早発運行は、運輸規則で行ってはならない禁止事項です。私の会社では、就業規定により、1ヶ月の減給、および始末書の提出となります。早発は、罰則が厳しいのです。お客様にご迷惑をおかけしたのですから、しょうがないです…。
 
でもね、私は、Tさんだけでなく、会社にも責任があると思うんです。Tさんの前日の乗務は、拘束が16時間近い2仕業でした。そして当日は、拘束13時間以上のダイヤです。その間は、労働基準法ぎりぎりの9時間です。通勤時間や、食事、入浴時間を引けば寝る時間ないです。高齢のTさんは、疲れていたんです。そういった乗務をさせておいて、責任はすべてTさんなんです。納得いかないですね。
 
Tさんのミスの背景には、会社が嘱託の高齢者を、正社員並みにこき使い過ぎがあったように思えるのです。Tさんは、今まで事故もトラブルもなく、お客さんにも大変評判がいい方です。早発というミスは、絶対にやってはいけないことですが、同僚の乗務員からは、Tさんに対する同情の声も上がっています。