公共機関の乗り物に、
優先席が設けられていることは周知のことです。
好意で席を譲ろうとした人が、
頑なに断られている場面をみかけることもあり、
譲り合いの加減が難しい場合もあるでしょう。
Mさんが電車の座席に座っていると、
老夫婦が乗車してきました。
優先席が一席だけ空いたため、
足腰の悪い奥様が座りました。
その隣に座っていた初老の男性が立ち上がり、
席を譲ろうとすると、
ご主人は
「だいじょうぶですから」
と、
断りを入れたのです。
男性は
「私の方が若いと思うのですが…」
と遠慮がちに続けました。
その言葉に、
ご主人は
「そうですね」
と微笑み、
頭を下げて、
席に着いたのでした。
Mさんは、
席を譲る行為を断られても、
再度別の言い方で勧めた男性の機転に感心しました。
また、
好意を受け入れたご主人の行動にも心が温かくなりました。
自身も高齢者と呼ばれる年齢に差し掛かっているMさんは、
席を譲る時、
譲られた時の言葉やふるまいについて考えさせられたのです。
席を気持ちよく譲り合いましょう!