中学校で教鞭をとり続け、
十二年目になるA子さんは、
結婚して子供を授かってからも、教員の仕事を続けてきました。
生徒たちの成長を間近で見られる仕事に魅力を感じていたからです。
しかし、心の底から仕事に取り組めない一面もありました。
それは、保育園に預けていた息子のことが気がかりだったからです。
〈息子に寂しい思いをさせているのではないか〉
という後ろめたさから、
保育園に迎えに行って、最初にかける言葉は
「いつもごめんね」でした。
ある日、子育てのセミナーに参加したA子さん。
悩みを初めて打ち明けました。
すると講師から、
「親に『ごめんね』と声をかけられるより、
『あなたが保育園で頑張っているから、
お母さんはお仕事ができるのよ。ありがとう』
と言葉をかけられる方が、子供にとって良いことよ」
と助言されたのです。
〈息子の存在が支えになって今の仕事ができるんだ〉と強く感じ、
翌日の迎えから、早速感謝の言葉をかけたA子さんでした。
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