「人は生きてる内に一人しか殺せない」
この事を同じクラスの奴に言ってみたら「直ぐに警察に捕まるからね」って言ってた。
確かに正しい。でもこの言葉の真意はそこじゃないんだ。
それは確かに捕まった方がいいだろう。でも今回は連続殺人の犯人のような人の殺人の定義にあたる部分の話。

何回も殺しをするとだんだんと人を殺す事に慣れてくる。だからそれを殺したことに感じなくなってくるんだ。最初の殺しは殺人として成立するけど次からはもう殺しじゃない。
遊びになるんだ。
人を壊す遊び。
殺人鬼は遊ぶ時に人の体を使うだけ。
悪意は無い。

だからこれは夢。
現実にあってはならない夢。


「なあ、卓也(たくや)。何でお前はあの怖いお姫様と対等に話せるんだ?」

 僕の席から見て左斜め後ろの三番目に座っている鋼山〔はがねやまって読む〕が聞いてきた。

「亜希良は別に怖い子じゃないよ。もっと怖い人が家にたくさんいるよ」

「お前、やっぱし変わってるって。そもそも二人が一緒にこの学校にいられるのかが不思議でしょうがねえ」

「特に僕も亜希良も変わってはいないと思うけど。まあ日本刀が好きだったり、拳銃の射撃訓練してたり、家が大きかったりはするけどその他は君たちと変わらないって」

「それだけで十分、変わってるって。よく水谷(みずたに)のことを女子は何も言わないよな」

 水谷とは亜希良の名字だ。ああ、僕の名字は霧沢(きりさわ)って言う。

「でも君の言ってることがその通りなら僕が何も言われないのもすごいことってことになるよ?」

「ああ、その通りだ」

「で、僕は何で君たちから何も言われないのさ?」

「お前は話せばぜんぜん問題が無いこと(別の意味で問題ありまくりだけどな)に気づくんだよ。普通の人間っぽいところも持ち合わせてるってわかるからさ」

「亜希良が何も言われないのも同じだよ。亜希良は他人と話すことが出来ないんじゃなくて、面倒くさいだけだから話しかければちゃんと答えが返ってくる。それを繰り返すうちに亜希良との話し方がわかってくるんだろ」

「ずいぶんとお姫様のことは詳しいんだな。もしかしてお前たち、デキてるんじゃねえの?」

「付き合ってなんかないよ。ただ一緒にいた時間が長いから分かるんだ。明希良のほうがよっぽど僕のことを知ってる。明希良は人の性格とかを読むのが上手いんだ」

「・・・・やっぱ、あいつ怖ェよ」

二、亜希良目線

 キーンコーンカーンコーン。

やっと六時間目終了のチャイムが校内全域に響き渡る。


老朽化が進んでいるもんだからチャイムが鳴ると必ず校舎が微妙に揺れる。

(全く、本当にぼろい校舎だな)

 心の中でそう呟きながら帰りの支度をしていると後ろから凛とした女性の声がした。

「ねえ、亜希良ちゃん。帰りに私と古本屋さん行かない?学校の近くの」

「古本屋はいいけどその〝ちゃん〟付け止めてくれって言ってるだろ、桜菊」

彼女の名前は桜菊明日香(おおぎくあすか)と言う。

よくある名前ではないが本人曰く「お金持ちや名門」ではないらしい。

「だって亜希良ちゃんは亜希良ちゃんだもん」

「・・・もういい」

「やった♪」

 こいつといると正直疲れるんだけど、やることは馬鹿じゃないから言葉だけ無視していれば卓也よりは疲れないと思う。

それでも卓也と話す機会の方が上なんだから変な話だが。

 ミシチュウの近くには三軒の本屋がある。Boo○ of○と文○堂とちっぽけな古本屋。在庫という面ではBoo○ of○と文○堂の方が上手だが古本屋は扱う本が少しばかり変わっている。そこにばかり出入りする俺たちは相当な物好きといっていいだろう(まあ自分で言うのも何なのだが)。ちなみに卓也もどちらかといえば古本屋派で暇なときは必ず来ている。俺は何回もここで鉢合わせした事がある。彼が読む本は犯罪に関係する本ばかりで(そんな本が置いてあることだけでも問題なのだが)麻薬の種類がかなり詳しく書いてある本、銃器の種類についての本などで簡単に人を殺す本とかどれくらいの血を流すと人が死ぬかとか変な(というか異常な)ことばかり調べている。

 俺は日本刀の雑誌に必ず目を通す。三ヶ月に一回、日本刀の雑誌が発売されるのだが、ほとんど文章で構成されているため、読むのに時間がかかる。

「今日はどんなミステリーがあるかなぁ?」

 桜菊は大のミステリー好きで完璧なミステリーマニアといって良いだろう。彼女自身も自負している様だし、一日に読むミステリーの量が半端な数ではない。おかげで買っては売り、買っては売りの繰り返し。しかも買うのは文○堂で売るのはこの古本屋だ。古本も買うのだがそれを売るのはbok ofというまさに本屋の本の循環係になっている。これは彼女自身が本を循環させようと意図的にやっていることで彼女曰く、

「こんなに本にお世話になってるんだから手助けしなくちゃバチが当たる」

のだそうだ。(利用しているんだか、されているんだか・・・)



続きます。。


また小説を書く気になったんだけどね?

さすがにみんな忘れてるでしょ?

だからね、

やさしいからね、俺は。

全部1編にまとめてやったぜ!

さあ、今まで書いた文章の短さに圧倒されるが良い!(おい、パル君・・・


Ⅰ、卓也(たくや)目線



「おーい、明希良(あきら)ぁ」

廊下の、ど真ん中を歩いていた明希良を呼び止めると明希良は不機嫌そうに振り返って、

「なんだよ!気安く呼ぶな!どーせろくな用件じゃないんだろ!」

と言った。

「少しは自分が女の子だって自覚したほうがいいと思うよ、明希良」

明希良はさらに不機嫌そうに思いっきり睨んできた。

「うるさい!何度も言ってるだろ、俺の自由だって!!」

僕は明希良が睨んでくるのは日常茶飯事なのでスルーする。

「だけどさ、女の子は女の子らしくしてなきゃ」

「だったら俺のことを男とでも思っとけ。俺は行くぞ。欠席調べださなきゃいけないんだから」


それでも欠席調べは出すのかい、と突っ込みを入れたくなったが

突っ込むと怒鳴られるので止めておく。

(なんとかならんかね・・・・あの性格は・・・・)



僕と明希良は小さい頃からの幼なじみでいつも一緒にいた。

いや、より正確に言うならば一緒にいさせられていたというべきか。。

母親同士も父親同士もとても仲が良かったので何かにつけてはどちらかが

どちらかの家に呼んでいたからだ。僕も明希良もそこまであからさまに嫌がらなかったので

両親は何も問題は無いと思っていたらしい。


実際は問題はあった。・・・明希良だ。

彼女は人と一緒にいることを小さい頃から嫌がった。

明希良(あきら)は僕が嫌いなのではなく、誰か、つまりは他人と一緒にいることが嫌だったのだ。

でも明希良はそれを言うことが嫌だったので我慢していた。僕も幼いながらに感じていたのであまり積極的に話すこともしなかった。

それでも明希良にとっては話すも話さないも変わらないようでそんなことを以前彼女に言われた事がある。

しかし明希良も最近やっと慣れてきたようで(というか諦めた感じでもあるが・・・)僕とだけは普通に話してくれるようになった。



今、僕と明希良は中学生で今年の4月に二年になる。

何の呪いかは知らないけれど、今まで明希良とは違うクラスになったことが無い。(もしかしたら作者の呪いか?)

幼稚園も小学校も中学も全部同じクラスだった。

さらに去年は席まで隣同士という悪運ぶり。

まああの性格についていくのは大変だけどただ1つのメリットは明希良の頭がめちゃくちゃいいということだ。

ちょっと分からないところがあると教えてもらえるので大変助かる。

明希良は塾も行っていないし通信添削などもやってない。『なんであんなに頭良いんだろうね~?』なんてことを言う奴も結構いるけど本人に言わせると[やっていることのレベルが低すぎる]のだそうだ。



ただでさえうるさいドアを更にうるさくガタガタと鳴らしながら明希良が教室に入ってきた。

「くそっ、なんでこんなうるせーんだよこのドアは!」

「・・・明希良が丁寧に扱えば少しは静かになるんだけどね・・・」

明希良は頭はいいのにこういうところに文句をつける面白い奴だ。

「わざわざドアなんかに気を使ってられるか」

「なら我慢」

「・・・ったく。さっさと立て替えないのかね、この校舎も」

「話は上がってるらしいけどね。予算のやりくりが大変みたいだよ、ミシチュウも」


ミシチュウというのはうちの学校の略称だ。正式名称を第四魅島ヶ丘中学校という。魅島と書いて[みしま]と読むのだがこんな地名、滅多に無いと僕は思う。

第四といっても一から三は当の昔に廃校になってて魅島ヶ丘中学というのはもうここしかない。だからミシチュウといっても通じるわけだ。

「俺ん家とお前の家から金出せば即行で終わる話だな」

「まあ明希良の家の人も俺の爺ちゃんと婆ちゃんも絶対許さないだろうけどね」

「マジで石頭だからな」

「しょうがないよ、何の得にもならないし」

言い忘れてたけど僕の家も明希良の家も実は結構立派な家柄だったりする。(自分で言うのもあまりいい気分じゃないけど・・・)だから財産力はある。明希良はそれを利用しようと言っているのだ。

「まあ、確かに俺でもこんなところに金は出さないだろうな」

「僕は出すかもしれない」

「なんで?お前言ってたじゃないか、金を出してもいいことがないって」

「でもほら、みんな喜ぶじゃない。喜んでくれるなら別にいいって思わない?」

「思わない。このお人良し!」

明希良は僕にそう言うとバックから大きな本を取り出して眺め始めた。日本刀の特集みたいだ。

明希良は日本刀が好きだ。使うのも眺めるのも、兎に角、日本刀を好んでいる。


僕の家も明希良の家もどちらかというと和風の大きな家のようで(大きな家といっても社長の家、とかいろいろありそうでしょ?)先祖代々、剣術を学んでいるらしく当然、それは僕達も例外ではない。明希良は自分から日本刀を取り扱うし、僕も一応は扱えるようになっている。僕は剣の練習は月に1回か2回ぐらいしかやらないけど明希良は一日一回木刀で訓練を行い、月に1回は必ず日本刀で真剣試合をやるほどだ。


僕は剣があまり好きではないのでかわりに射撃訓練をやっている。(というか僕は銃の方がを好きだから。)実弾も月に一回は使う。後はBB弾を使って命中精度を高めているだけ。でも週に3回ぐらいはやってる。使う銃もハンドガンからスナイパーライフルまで様々だ。





続く。