初秋のアウトドアシーズンとのことで、本も読まずにまた、自然と戯れている。勤務先のお世話になっている人の息子(8歳)が不登校で困っているとの、相談を受けた。聞くと歩くのが好きで、週末は近隣をピクニックしているという。でも学校はイヤとのことらしい。発達障害を持っているため少し多動気味で、困っているとの話を聞き、ならば、山登りは?と尋ねると、いいと思います。との返事。てなことで8歳クラスが登れる山を下見しようと、丹沢近辺に繰り出した。登山道もしっかりしていてエスケープルートも多く、アクセスも容易なこの辺なら、と下見がてら登ってみた。
過日の台風でやや登山道は荒れていたが、充分な手ごたえ、これなら子供でもイケルな、と思いつつ、自分の息が上がってくるのでペースダウン。
すると登山道の脇から何かが転げ落ちてくる、がさ、がさと。良く見ると、蛇!しかも頭部がやや変形しているヤマカカシ。その強大化した頭部に「うへー!」と一瞬たじろぐ。蛇はそのまま足元にうごめいている。そして、よくよく見るとなんと拳小の蛙を半分ほど飲み込んでいるのであった。蛙は半身を蛇に飲み込まれ、うつろなまなざしをしているが、のど元が収縮しているから生きていることが分かる。蛇は何だこいつ!といった感じで私をねめつけるが、自分の頭部より大きな蛙を咥えているので目はへんてこな位置にあって、ひどく怒っている。そのくせ自由が利かないようで、後ろ向きにぬたぬた歩む。蛙の伸ばした前足が前進には邪魔なようだ。
おおーこれぞ、自然の脅威。弱肉強食やー。と思うが蛙と目が合うと、そのうつろなまなざしは明らかに「たちけてくで、げろ」と言っているように思う。蛇のほうはというと「じゃましたら、しょうちせんへんど、おらおら」といった感じで威圧してくる。
仕方なしに手は出さず、蛙を応援することとする。幸い台風にあてられて、小枝が多く散乱している。うつろな蛙に、「あきらめるな!」「がんばれ!」「手を使うんだ!手を!手で枝を掴みしっかり掴みぬけだせー」と声を張り上げる。静かな山中。異様な光景である。すると、蛙の右手が僅かに枝を掴む。そして、飲み込まれまいとその前肢に力が入るのが見えた。そして左右に大きく手を広げると、その瞬間、うえっぷ!と蛇の吸引力が弱まり、ずるってな感じで半身が口から出てくる、腹が見える。後足が見えてくると、刹那、蛇はあごの関節をずらし更なる大口で蛙を咥えなおすと、不気味なぜん動を繰り返し、飲み込みにかかる。蛇の頭部は最大限まで肥大化し、鱗の合わせ目が開き、地肌が不気味に白い。やがて蛙の両手が徐々に閉まってゆく。右手の指が枝から離れる。コンパスを閉じてゆくように、かえるの手がまっすぐ前ならえとなったときに、かえるの頭部にかぶさる仮面のように蛇の頭部がかぶさって、かえるの目の位置に蛇の目がくると、がくっとあごがはまる音がして、口が閉じ始める。蛙のてが左手からゆっくりと飲み込まれてゆく。水におぼれ、沈んでゆくように蛇の体内に飲み込まれてゆく。水かきの手は最後までさよならをするかのように、開かれている。数ミリに閉じた口のはしで、指先がちらちらしたかと思うと、蛇、蛙を喰らっていた。
蛇はピンポン玉を飲み込んだかのようにのど元をふくらませたまま、静かに山奥に前進をし始めた。
その夜、私は蛙の夢を見た。
過日の台風でやや登山道は荒れていたが、充分な手ごたえ、これなら子供でもイケルな、と思いつつ、自分の息が上がってくるのでペースダウン。
すると登山道の脇から何かが転げ落ちてくる、がさ、がさと。良く見ると、蛇!しかも頭部がやや変形しているヤマカカシ。その強大化した頭部に「うへー!」と一瞬たじろぐ。蛇はそのまま足元にうごめいている。そして、よくよく見るとなんと拳小の蛙を半分ほど飲み込んでいるのであった。蛙は半身を蛇に飲み込まれ、うつろなまなざしをしているが、のど元が収縮しているから生きていることが分かる。蛇は何だこいつ!といった感じで私をねめつけるが、自分の頭部より大きな蛙を咥えているので目はへんてこな位置にあって、ひどく怒っている。そのくせ自由が利かないようで、後ろ向きにぬたぬた歩む。蛙の伸ばした前足が前進には邪魔なようだ。
おおーこれぞ、自然の脅威。弱肉強食やー。と思うが蛙と目が合うと、そのうつろなまなざしは明らかに「たちけてくで、げろ」と言っているように思う。蛇のほうはというと「じゃましたら、しょうちせんへんど、おらおら」といった感じで威圧してくる。
仕方なしに手は出さず、蛙を応援することとする。幸い台風にあてられて、小枝が多く散乱している。うつろな蛙に、「あきらめるな!」「がんばれ!」「手を使うんだ!手を!手で枝を掴みしっかり掴みぬけだせー」と声を張り上げる。静かな山中。異様な光景である。すると、蛙の右手が僅かに枝を掴む。そして、飲み込まれまいとその前肢に力が入るのが見えた。そして左右に大きく手を広げると、その瞬間、うえっぷ!と蛇の吸引力が弱まり、ずるってな感じで半身が口から出てくる、腹が見える。後足が見えてくると、刹那、蛇はあごの関節をずらし更なる大口で蛙を咥えなおすと、不気味なぜん動を繰り返し、飲み込みにかかる。蛇の頭部は最大限まで肥大化し、鱗の合わせ目が開き、地肌が不気味に白い。やがて蛙の両手が徐々に閉まってゆく。右手の指が枝から離れる。コンパスを閉じてゆくように、かえるの手がまっすぐ前ならえとなったときに、かえるの頭部にかぶさる仮面のように蛇の頭部がかぶさって、かえるの目の位置に蛇の目がくると、がくっとあごがはまる音がして、口が閉じ始める。蛙のてが左手からゆっくりと飲み込まれてゆく。水におぼれ、沈んでゆくように蛇の体内に飲み込まれてゆく。水かきの手は最後までさよならをするかのように、開かれている。数ミリに閉じた口のはしで、指先がちらちらしたかと思うと、蛇、蛙を喰らっていた。
蛇はピンポン玉を飲み込んだかのようにのど元をふくらませたまま、静かに山奥に前進をし始めた。
その夜、私は蛙の夢を見た。