最近、女性作家による時代物がいい。北方水滸伝のように漢(おとこ)の任侠味あふれる時代物も捨てがたいのだが、しなやかさにあふれる女性作家ならではの時代物も落ち着いていていいものだ。この、新人作家による本書は「女による女のためのR-18文学賞」の第5回大賞と読者賞を受賞したものだ。
舞台は江戸・吉原。廓に生きる遊女たちの艶やかで、そしてしっとりとしたエロスの中に、彼女らの悲哀と、そしてたくましく生きようとする矜持が、確かな筆で、これがデビュー作とは思えない緊張感をはらんだ文体でつづられます。
「夜になれば好いてもいない男の魔羅を咥え込み、明け方になれば好いてもいない男にまた会いたいと媚を売る。それで良いのか。暗い部屋の中、ばいん、と不快な音を響かせて弦が切れた。」
「あと2ヶ月で茜は初見世を迎える。仲之町に咲く桜の満開の頃、道中もなく、知らぬ男に貫かれて花をもぐように破瓜の血を流す。」
美しくもはかない、刹那的な女たちの生き急ぐ恋がここにあった。

宮木 あや子
花宵道中
舞台は江戸・吉原。廓に生きる遊女たちの艶やかで、そしてしっとりとしたエロスの中に、彼女らの悲哀と、そしてたくましく生きようとする矜持が、確かな筆で、これがデビュー作とは思えない緊張感をはらんだ文体でつづられます。
「夜になれば好いてもいない男の魔羅を咥え込み、明け方になれば好いてもいない男にまた会いたいと媚を売る。それで良いのか。暗い部屋の中、ばいん、と不快な音を響かせて弦が切れた。」
「あと2ヶ月で茜は初見世を迎える。仲之町に咲く桜の満開の頃、道中もなく、知らぬ男に貫かれて花をもぐように破瓜の血を流す。」
美しくもはかない、刹那的な女たちの生き急ぐ恋がここにあった。

宮木 あや子
花宵道中