猖獗を極める暴力の果てに浮かび上がる現代の闇~平山夢明『ミサイルマン』~ 乾いた文体の中で、ペキンパーの映画のようにカットバックされた暴力シーンが明滅する。流血し、皮を剥ぎ、死体を慰みものにする。そんな非道で不条理な暴力の果てに、やむことのない欲望への渇望と、永遠に満たされない不在を埋めるかのよに生き急ぐ焦燥と、虚空を掴みとろうとするかのように夢を追い続ける、そんな現代人の闇を描く、傑作短編である。ただ、その暴力は酸鼻のきわみなので、あてられないように。平山 夢明 ミサイルマン―平山夢明短編集